翻訳者の年収は?時給・日収・月収から見る期待できる収入相場
翻訳者を目指す方や現役プロにとって、最も関心の高いテーマは「収入」です。翻訳者の年収は、働き方や専門スキルによって大きく変動します。
フリーランス翻訳者の収入目安
- 平均年収:約300万〜600万円前後
- 振れ幅:駆け出しの100万円から、ベテランの1,000万円以上まで
- 決定要素:「翻訳レート(単価)× ボリューム」
- 働き方の違い:案件ごとに報酬が決まる「フリーランス」と、固定給の「企業内翻訳者」で相場が異なる
翻訳者の収入を左右する「働き方」の違い
翻訳者の年収は、主に以下の2つの形態によって大きく変わります。
フリーランスとして働く場合、案件ごとの報酬単価と、請け負う仕事量によって月間・年間の収入が決定します。自由度が高い反面、専門性や翻訳スピードが直接年収に反映されます。
企業の正社員(社内翻訳者)として働く場合、企業の給与規定に基づき、安定した月収・賞与を得られます。
本コラムでは、特に人数の多い「フリーランス翻訳者」に焦点を当て、収入相場を時給・日収・月収・年収モデルに分けて具体的に解説します。
英語翻訳の場合に期待できる収入と相場
翻訳業界では時給換算で仕事を依頼されることはほとんどありません。実務翻訳では訳文として仕上げた文字数ベースで報酬が計算されます。例えば一番需要の多い英語翻訳ですがこれも
ではそれぞれ報酬の設定が異なります。
まず具体的な単価の目安を見ていきましょう。
日本翻訳連盟で定められている単価の目安「英日翻訳」
まず一番需要の多い英日翻訳の場合ですが、以下は日本翻訳連盟で定められている原文1ワードに対する単価の目安となります。
※この目安はクライアントとなる企業が翻訳会社に業務を依頼する場合の単価=翻訳発注価格が基準となっています。
- ■英日翻訳(英語1ワードベース)
- コンピューターマニュアル28円
- 一般科学・工業技術28円
- 金融30円
- 経営管理・財務・契約書30円
- 医学・医療・薬学35円
- 特許明細書26円
専門性が特に高くなる医療関係は高い単価が期待できる傾向にあります。
これはクライアントから企業に支払われる収入の目安ですので個人翻訳者への支払いの目安は以下のようになります。報酬形態は以下の二つに分かれます。
- 1.英語の原文1ワード(単語)に対して〇円という「原文」ベース
- 1ワードあたり:7円~15円
- 仮に英日翻訳の仕事で1万ワードの場合で翻訳レートが15円の場合、
- 10,000ワードX15円=150,000円
となりますので、翻訳者は15万円の報酬を受け取ることが可能となります。
- 2.訳出しした日本語400文字(原稿用紙1枚)あたりで〇円という「訳文」ベース
- この場合原稿用紙1枚につき:1,000円~3,500円が相場となります。
- どちらのケースでも翻訳者が受け取る報酬の計算は、
- ・翻訳レートX翻訳したボリューム
が基準となります。
次に日英翻訳の場合の相場を見ていきましょう。
日本翻訳連盟で定められている単価の目安「日英翻訳」
- ■日英翻訳(文字単価ベース=1文字ごと)
- コンピューターマニュアル20円
- 一般科学・工業技術21円
- 金融25円
- 経営管理・財務・契約書25円
- 医学・医療・薬学30円
- 特許明細書30円
日英翻訳の場合個人翻訳者が得られる報酬の目安としては
- ・原文ベースの一文字あたりの単価:4~10円
- ・訳文ベースの場合200ワードあたりで:1,500円~4,000円
これが報酬の相場となります。英日翻訳より高額になるケースも多いようです。
この報酬はあくまで目安となりますので、専門ジャンルなど内容が難しくなれば当然単価も高くなります。また翻訳支援ツールを使用するかどうか、納品後のチェック工程などによっても翻訳者への支払い単価は変動してきます。
翻訳仕事の収入 時給、日収、月収、年収ベースの目安
では上記の相場数値をもとに翻訳者が得られる収入を時給換算、日収ベース、そして年収ベースで考えてみましょう。
これから翻訳者としての求人応募を考えている方や、あくまで副業として仕事をしたい方も少なくありません。それぞれ自分の仕事スタイルにあった計算しやすいスパンで考えてみてください。副業として自分の空いた時間を使って翻訳者として仕事をする場合であれば、時給換算や日収ベースで計算すれば参考になるでしょう。
また翻訳を本業として行く場合は長期的なスパンで考えてみることをお勧めします。
翻訳者の収入「時給換算」の場合
時給換算で計算する場合の計算ベースは1時間の作業で翻訳をしたワード数(あるいは文字数)に単価をかけたものになります。
翻訳者としての作業スピードですが、これはそれぞれのスキルや慣れによっても異なってきます。一般的には慣れた翻訳者の時給はおおよそ3,000円が平均となります。
英日翻訳でプロの翻訳者の場合1日の作業で2,000ワード程度翻訳すると言われています。仮に翻訳単価が1ワード10円とした場合、そして1時間ごとの作業スピードが300ワードの場合、
300X10=3,000円が期待できる時給計算となります。
翻訳者の収入「日収換算」の場合
上記では時間当たり期待できる収入を計算しましたが、翻訳者としての日収を計算する場合、単純に3,000円時給X8時間が日収とはなりませんので注意が必要です。
翻訳の仕事は単純に訳文としてのテキストを打ち込むだけではありません。8時間という労働時間を確保できたとしても、翻訳にはリサーチなどの作業もとても重要になってきます。また訳文の校正などもあります。さらに翻訳という仕事は、非常に集中力を求められる作業であるのが特徴です。
従って1日8時間をまるまる翻訳作業に当てることは体力的、精神的にも厳しいものがあります。
仮に平均して1日6時間程度を「報酬が発生する作業」として計算した場合、日収は
3,000X6h=18,000円程度となるでしょう。
翻訳者の収入「月収換算」の場合
翻訳者として期待できる収入を月収ベースで考えた場合、こちらの計算式はよりシンプルになります。単純に1ヶ月に働ける日数X日収が期待できる月収となります。
・週休2日で計算する場合ですと、1ヶ月で稼働するのは平均的に20~22日ほどになります。これに上記の日収をかけたものが1ヶ月の収入として期待できる収入となりますので、36万円~39万円ほどの月収が期待できる計算になります。
もちろん休みを減らして稼動日数を増やせばそれに伴い収入も多くなりますが、これは常に仕事がある大前提での話となります。継続する仕事が無くなったりした場合は、当然そのぶんだけ収入は減ってしまいます。
翻訳者の収入「年収換算」の場合
では年収ベースでみた場合、翻訳者の収入はどうでしょうか?上記の月収X12ですので430万~460万円が年収となります。ただフリーランスとして働く場合、人によって収入には大きく差が開きやすいのが翻訳者です。
仕事を始めたばかりの駆け出しの翻訳者の場合、年収計算にして100万程度の場合もありますし、難易度の高い翻訳ができるベテラン翻訳者ともなれば1,000万円以上の収入を手にしている方もいます。
これから翻訳者としてのデビューを考えている方、まだ多くの仕事をこなしていない初心者の方などはまず一か月働いてみることをお勧めします。そしてその収入をベースに計算すれば、翻訳者として期待できる年収なども計算できるようになるでしょう。
翻訳者の収入相場に関するよくある質問
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A1 フリーランス翻訳者の平均年収は約300万〜600万円前後が目安です。ただし、スキルや専門分野により100万円〜1,000万円以上と大きな個人差があります。
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A2 プロの翻訳者の時給は平均3,000円前後です。翻訳スピードや単価にもよります。
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Q3 未経験から翻訳者になった場合の初年度年収は?
A3 実績の少ない駆け出しの頃は、年収100万円〜200万円程度からスタートするケースが多いです。まずは実績を積み、リピート案件を増やすことが年収アップの鍵となります。
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A4 一般的に日英翻訳(日本語から英語)の方が単価が高く設定される傾向にあります。
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A5 主に「原文ベース(1ワード/1文字あたり◯円)」または「訳文ベース(400字/200ワードあたり◯円)」で計算されます。時給制で支払われるケースは稀です。
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A6 医学、薬学、特許、金融などの「高度な専門分野」を持っていること、そして翻訳支援ツールを使いこなし作業スピードが非常に速いことが共通点です。
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A7 医学・医療・薬学分野が比較的高く、日本翻訳連盟の目安では1ワード35円前後(翻訳会社への発注価格)とされています。
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Q8 翻訳支援ツール(CATツール)を使うと翻訳の効率はあがりますか?
A8 はい。翻訳メモリの活用によりスピードが向上し、時間あたりの生産性が高まります。翻訳分野にもよりますが結果として時給・年収のアップにつながる可能性もあります。
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Q9 在宅翻訳者と社内翻訳者、どちらが年収が高いですか?
A9 安定性は社内翻訳者ですが、高収入を狙えるのはフリーランス(在宅)です。社内翻訳者は企業の給与体系に準じますが、フリーランスは実力に応じた収入になります。
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Q10 副業で翻訳をする場合、月いくらくらい稼げますか?
A10 稼働
稼働時間によりますが、時給換算3,000円を目安にすると週に数時間の稼働で月5万〜10万円程度を目指すことも可能です。