コラム | 【Amelia】在宅でできる英語などの翻訳の求人・仕事探しはアメリア

翻訳の収入必要なスキルとは

語学好きの多くの方が高いモチベーションで翻訳者を目指されています。
現代社会のインフラとして大きな役割を担っているのが翻訳の仕事です。

また翻訳は言語という側面から、
あらゆるビジネスや人々の暮らしなどを支える重要性の高い仕事でもあります。

今回のコラムでは実際に翻訳者として収入を得るまでに必要なスキル
そして分野ごとに異なる報酬形態などについて説明していきましょう。

1翻訳者に求められるスキル

翻訳の分野は大きく分けると以下の三つにカテゴライズすることができます。

  • 実務翻訳
    (産業翻訳)
  • 出版翻訳
  • 映像翻訳

翻訳の種類によって翻訳者になるために必要な勉強、そして仕事の種類などは異なってきますが、
共通して求められる翻訳の三大スキルは次のようになります。

  • 英文法・日本語能力などの言語知識

    翻訳者に求められるものはインプットとアウトプットのバランスです。英語の理解力だけではなく母国語での文章力も絶対的に必要なスキルとなります。 まずインプットですが、英語から日本語に翻訳する場合に欠かせないのが英文法知識です。原文の情報などの意図も含めて細かく正確に読み取る必要があります。

    この言語能力は翻訳者を目指すための中心的なスキルであり、取得するのに最も時間がかかる部分です。

    • ■求められる原文を正しく理解できる言語能力

      プロの翻訳者として活動するためには当然高い言語能力が求められます。ビジネスシーンでの翻訳原稿は間接的な表現も多用されていますので、そこで「見えない意図」を正確に読み取るスキルも必要になります。

      そのためには文脈だけではなく、そこにある文化的な背景や現地の人の感覚も含めて理解できなければなりません。

      また翻訳において「誤訳」は絶対にあってはならないことです。正しい翻訳をするためには原文を100%正しく理解することが不可欠な条件となります。 

    • ■優れた日本語の文章能力

      翻訳の仕事では原文をきちんと理解することは当たり前ですが、同じように重要なのは原文の意図する部分を丁寧で分かりやすい日本語でアウトプットするライティング能力です。

      翻訳者が原文の意味などをきちんと捉えていても、「その文章を読む人」が同じレベルで理解できる日本語をアウトプットできる能力がなければ翻訳の仕事は成立しません。

      優れた翻訳者を目指すのであれば日本語で読みやすい文章を書くスキルも身に付ける必要があります。 

  • 内容理解力と英文読解力

    内容理解力は文章を読んで「何を伝えたいのか」を理解する力のことを言います。

    • ・出版物や映画であれば作品のプロット
    • ・ビジネス関係の翻訳であれば製品をどのようにPRしたいのか
    • ・どんな問題を解決したいのかetc

    この内容理解力に関しては外国文化に対する知識やビジネス系の知識も必要になってきます。

    ■読むための英語力と読解力を合わせたものが「英文読解力」

    翻訳者を目指す人でも「読解」に苦手意識を持つ人が少なくありません。多くの場合が表面的に文字をなぞっているだけで、理解しようという意識が少ないことから起きる苦手意識です。

    そもそも人はなぜ文章を書くのかと言うと、誰かに伝えたいことがあるからです。

    したがって文章の書き手が伝えたいことをきちんと理解するということが、英文を読解するという事に繋がります。

    よくある誤解ですが、
    英文を訳して日本語にする=英語を理解する
    と思いがちなところです。

    読解力のないままに英文を日本語に翻訳したとしても
    ‘’I like you’’
    こんな文章ですら勘違いしてしまう可能性があります。

    英文を訳すことが読解することでは決してありません。文章を通して書き手が伝えたいことをしっかり理解することが「読解する」ということです。

  • リサーチ力

    翻訳に絶対に欠かせないのがリサーチです。翻訳は常にリサーチ作業の連続だと言っても過言ではないでしょう。
    例え専門分野での翻訳を行っている場合でも、技術は日々進歩していますので「分からないこと」は必ず出てきます。
    そんな場合に、少し調べて出てきた訳語を当てはめるだけでは原文の意味を正確に伝えるような訳文を作ることはできません。

    分からない部分に関しては、きちんと調べてダブルチェックをしたり、信頼性の高いエビデンスを確認することではじめて「原文の意味をとらえた」訳文を作ることができるようになります。

    ■どのように調べるのか

    リサーチの方法はさまざまありますが、一番多く使われるのがネットでの情報検索でしょう。ただネット上は情報量が多い分調べる際には注意が必要です。

    きちんと絞り込んだリサーチをしないで、闇雲に検索をしているだけでは時間の無駄になってしまいます。自分の求める情報がどこにあるのかをしっかり意識してリサーチするようにしましょう。

    またネット上の情報は信頼性の低いものも少なくありません。誰でも情報発信ができるため、リサーチして表示された情報をそのまま鵜呑みにするのではなく、しっかりした確認作業が必要です。

    例えば知らない用語が出てきた場合、ネット検索で出てきた訳語をそのまま使用するのではなく

    • ・複数のソースで同じ用語を検索する
    • ・その分野でその訳語が本当に使われているか確認する

    など必ずダブルチェックが欠かせません

    またリサーチ作業ではネット検索以外にも辞書や書籍などを使うことも少なくありません。リサーチのツールはたくさんありますので、利用できる全てを駆使して徹底的に調べつくすことが求められます。

2実務翻訳(産業翻訳)の専門分野と求められるスキル

翻訳需要の大半を占めるのが実務翻訳となります。 さまざまな企業や政府機関などでも需要がありますので、契約書や報告書などの社内文書から広告やニュースといった一般の目に触れる内容のものまで幅広い内容が翻訳の対象になります。

また実務翻訳の仕事が発生するジャンルは実に多岐にわたります。したがって実務翻訳で仕事をする場合には、ある程度専門分野を決めることが必要です。

実務翻訳は大きく分けると以下のような5つのジャンルとなります。

  • IT・
    テクニカル系
  • 特許関連の
    翻訳
  • 医薬系
  • 金融や経済系
  • 法律・契約書
  • 1.IT・テクニカル系

    技術者向けドキュメント、各種マニュアルやWebコンテンツ、マーケティング資料などですが、最近ではWebサイトのローカライズやプレスリリースなどのマーケティング案件など幅広いジャンルでの需要も高くなってきているのが特徴です。

    それ以外にも

    • ・ボリュームが多い案件もあり他の翻訳者との分業も多い
    • ・用語集やスタイルガイドなど指定されるルールが多い
    • ・翻訳支援ツール(Tradosなど)の利用が多い
    • ・過去の訳文の再利用が多い

    このような特徴も。

    この言語能力は翻訳者を目指すための中心的なスキルであり、取得するのに最も時間がかかる部分です。

    ■求められるスキルとこの分野が向いている翻訳者

    IT翻訳は主にソフトウェアやハードウェアのローカライズを行う分野でもあります。したがってこのジャンルで求められるスキルは、

    ・翻訳支援ツールなどの利用が多いので一定のPCスキルは必要
    ・PCやITに関する基礎的な知識は絶対に必要

    となります。 

    このジャンルで翻訳者を目指すのであれば
    指定されるルールをきちんと守れる人である必要があります。
    また新しい技術や製品に興味を持つこと
    も翻訳者として求められるスキルとなります。

  • 2.特許関連の翻訳

    専門性が高い翻訳ジャンルになります。特許明細書、補正書、意見書の翻訳などが中心となりますが英訳の需要が多いのも特徴です。

    それ以外の特徴では

    • ・翻訳者が不足しているので求人需要が高い
    • ・翻訳会社ではなく特許会社と取引する場合もある
    • ・とにかく高い専門性

    などが挙げられます。

    この言語能力は翻訳者を目指すための中心的なスキルであり、取得するのに最も時間がかかる部分です。

    ■求められるスキルとこの分野が向いている翻訳者

    ・法律や特許に関する専門知識
    ・技術に対する専門的な知識
    ・高い英語力
    が求められるジャンルです。

    ここで特に求められるスキルは
    ・技術的なバックグラウンド
    ・翻訳の細かな部分まで注意できる集中力
    となります。

  • 3.医薬系

    このジャンルも高い専門性が求められます。医学論文、治験関連文書、新薬の承認申請文書、医学学会などでの資料やスピーチ原稿、医療機器の承認申請文書などの翻訳業務が中心になります。

    ■求められるスキルとこの分野が向いている翻訳者

    この分野の大きな特徴は景気の影響を受けにくく常に仕事があるという点です。それ以外にも

    ・需要が高く安定している
    ・翻訳者への報酬がやや高い
    そんな特徴があります。

    ここで求められる翻訳者のスキルは
    ・医薬に関する専門知識
    ・専門知識を正確に訳せる語学力
    となりますので医薬系のバックグラウンドのある人に向いてるジャンルです。

  • 4.金融や経済系

    機関投資家向けの金融レポートなどの作成が中心になりますがそれ以外にも、財務諸表、IR関連文書、各種開示資料(目論見書など)、契約書、社内規定、コンプライアンス資料、プレスリリースなどの翻訳業務となります。

    ■求められるスキルとこの分野が向いている翻訳者

    このジャンルの特徴としては
    ・スピーディーで質のいい翻訳が求められる
    ・一件あたりのボリュームは多くないが短納期の物が多い
    そんな性質があります。

    翻訳者に求められるスキルは
    ・金融や経済そしてマーケティングなど幅広い専門知識
    ・日々アップデートされる情報を収集する感度
    ・早くそして正確に翻訳する能力
    が求められます。金融機関などでの勤務経験などが活かされるジャンルです。

  • 5.法律・契約書

    このジャンルでも専門的な知識は必須となります。契約書、定款・登記関係文書、法律・法令、約款、訴訟関連文書など幅広いフィールドでの翻訳業務となります。

    ■求められるスキルとこの分野が向いている翻訳者

    このジャンルの特徴としては
    ・一文が長いので翻訳者の理解力が問われる
    ・契約や訴訟に関わる書類も多く正確な翻訳が求められる
    ・景気などの変動を受けにくい

    ここで求められる翻訳者のスキルは
    ・契約書の書き方など基本的な知識は絶対必須
    ・文法への正しい知識が求められる
    ・文章の細かな部分にも気を配れる注意力
    ・複雑な文章を読み解く能力
    となります。

3翻訳業務で得ることのできる報酬

専門知識や語学力を活かせる仕事として人気の高い翻訳ですが、在宅ワークなど生活スタイルに関わらずどなたでも関わることができるのがその魅力でしょう。

では具体的に三つのジャンルそれぞれで期待できる報酬について説明しましょう。

  • 実務翻訳は訳文として仕上げた文字数ベースで報酬が計算されます
  • 出版翻訳の報酬は印税或いは買い取り方式
  • 需要が多く翻訳者の人気も高い映像翻訳の収入
  • 実務翻訳は訳文として仕上げた文字数ベースで報酬が計算されます

    幅広いジャンルをカバーする実務翻訳ですが、翻訳者として報酬を得るために求められる語学力はTOEIC850点以上とされることが多いようです。

    特にこれから翻訳者としてデビューしよう考えている方に向いている分野だと言えます。翻訳者として収入を得るためにはある程度専門分野のベースとなるものが必要ですが、その部分に関してはリサーチでカバーできる面も多くあります。 具体的な報酬例を見ていきましょう。実務翻訳の場合原文の文字数あるいは訳文として仕上げた文字数で報酬が計算されます。

    ■英日翻訳の場合

    英日翻訳の場合には二つの換算方法があります。

    1.英語の原文1ワード(単語)について〇円という算出方法
    2.訳出しした日本語400文字(原稿用紙1枚)あたりで〇円

    この場合の報酬の相場は

    ・原文ベースの場合は1ワードあたり:7円~15円
    ・訳文ベースの場合は原稿用紙1枚につき:1,000円~3,500円

    どちらのケースでも最終的に翻訳者が受け取る報酬の計算は
    翻訳レートX翻訳したボリューム
    となります。

    仮に英日翻訳の仕事で1万ワードの場合:
    1万ワード X10円の場合(翻訳レート)
    翻訳者は10万円の報酬が受け取れる計算となります。

    また日英翻訳のケースでは
    ・原文ベースの一文字あたりの単価:4~10円
    ・訳文ベースの場合200ワードあたりで:1,500円~4,000円
    が報酬の相場となりますので、英日翻訳より高額になるケースも多いようです。

    また英語以外の言語については、特に翻訳者が少ない言語の場合などでは英語より相場が高くなる傾向があるようです。

  • 出版翻訳の報酬は印税或いは買い取り方式

    海外の出版物などを日本で出版する際に発生する翻訳は「出版翻訳」と呼ばれます。小説全般を指す「フィクション」、そしてそれ以外の実用書全般を指す「ノンフィクション」に大別することができます。

    この分野では特に日本語の表現力が問われるのが特徴です。特に文芸作品を翻訳するのであれば作家レベルの文章力が求めることもあります。では具体的な報酬例を見ていきましょう。

    ■報酬の形式は二種類

    書籍翻訳の場合の報酬は

    ・印税方式
    ・買取方式
    で支払われます。

    印税方式の場合:4%~8%が相場となります

    例えば印税率6%
    定価1,200円
    印刷部数6,000部
    この場合の計算式は1,200円(定価)X 6,000(部数)X0.06(6%)=432,000円
    となりますので翻訳者の印税収入は43万2千円となります。

    増刷されることがあればその分に対する印税も報酬として支払われることになります。これに対して「買取方式」の場合の翻訳者の報酬は印刷部数に関係なく一冊を翻訳した報酬が支払われます。

  • 需要が多く翻訳者の人気も高い映像翻訳の収入

    映像コンテンツに関わる翻訳が「映像翻訳」です。映画、ドラマやテレビ番組だけではなく最近では特にWeb動画などにおける翻訳需要は一気に高くなってきています。

    この映像翻訳には大きく分けて
    ・字幕翻訳
    ・吹替翻訳
    ・ボイスオーバー
    のジャンルが存在します。

    映像翻訳では語学力はもちろんですが、それと同時に話し言葉のセンスや表現力が重要視される分野です。また映像翻訳独特のルールが存在しますので、それはしっかり理解した上での翻訳が求められます。

    ■映像翻訳の報酬について

    映像翻訳の報酬は時間単位で支払われます。(セリフの多さは関係ありません)

    ・映像翻訳の相場:10分単位で5,000円~25,000円
    映像翻訳の場合には報酬相場にかなりの幅が存在します。

    例えば
    ・翻訳単価が10分あたり1万円
    ・映像の長さが60分
    という場合ではその報酬は6 X 10,000円 = 60,000円となります。

4翻訳の収入と必要なスキルまとめ

翻訳業務には様々な分野やジャンルがありますので、それぞれに求められるスキルや専門性は異なってきます。
また報酬に関しても同様で、分野によってそれぞれ計算方法や報酬額はさまざまです。

特に実務翻訳に関しては幅広いジャンルが存在しますので、これからこれから翻訳者を目指して勉強を始める方でもきっと「興味のあるジャンル」は存在するでしょう。

働き方も制限されないのが翻訳業務の魅力でしょう。ネット環境さえあれば在宅で、あるいは海外在住でも仕事を続けることができます。

語学を扱った仕事が好きだと言うモチベーションさえあれば、
誰にでも挑戦できるのが翻訳の仕事です。

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