翻訳者として安定した収入を得るために求められる資格と5つの条件

フリーランスで仕事ができて、場所や時間に関係なく仕事ができるのが、翻訳者として仕事をする魅力でしょう。では翻訳者として仕事をするのにどんな資格が必要でしょうか?実際には翻訳者としての業務を始めるにあたって特に「資格」は必要ありません。

ただし、翻訳者としてデビューを目指す方にとって最低限身につけておきたいスキルや能力はもちろんあります。そのためにクリアしておきたい条件もありますので今回のコラムでは掘り下げて説明していきましょう。

英検準一級レベルとTOEIC850点はあくまで一つの判断材料

一般的にいわれている英検準一級とTOEIC850点ですが、翻訳者として仕事を始めるのに必ずしもクリアしなければならないものではありません。

もちろんTOEICを目指して勉強することは「翻訳者になるための勉強方法」としては役立つもので、このレベルをクリアしておけば翻訳者としての求人応募の際にアピールとなるかもしれません。

また英語に関する学習は原文読解力を養うものとしては役立ちますが、それは直接翻訳者としてのスキルに結びつくものではありません。

TOEIC850点、や英検準一級は一つの基準として考えれば理解しやすいかもしれません。この基準を満たしたとしても翻訳者に求められるスキルはリサーチや日本語のライティング能力など数多くあります。

英検やTOEIC資格以上に必要な「日本語」の翻訳スキル

翻訳者としての勉強を続ける上で英語読解力と同じように、あるいはそれ以上に求められるのが日本語のライティング能力です。例え英語原文を完全に理解できていたとしても、それを誰が読んでもわかりやすく理解できる日本語としてアウトプットするのは簡単ではありません。

日本語は数多くの表現方法があるとても難しい言語です。翻訳者デビューを目指して英語読解力をつけるのはもちろんですが、それと同じレベルで絶対に勉強しておきたいのが日本語ライティングの基本です。

具体的に言いますと、

  • ・主語と述語の呼応
  • ・句読点の使い方
  • ・一文の長さ
  • ・適切な日本語への置き換え

これらはあくまで一例ですが、読み手にストレスなく「もしかして原文かも」というレベルで翻訳するには「日本語のライティングスキルを上げること」は絶対必須条件となります。

そのためには普段から英語の勉強と平行して、

  • ・日々新聞やWeb、本など日本語の文章を読んで勉強する習慣をつける
  • ・有名な翻訳者の訳文などを英語原文と比較しながら勉強する

など普段から日本語の表現方法を学んでおくことが必須条件となります。

英語の資格よりも大切な「リサーチ」能力

英語読解力では人には負けないので翻訳者を目指す、これは間違った選択ではありません。ただし、実際の翻訳の仕事でキーとなるのは「リサーチ力」です。

たとえ原文を完全に理解して日本語のライティング力が高い人でも、優れた翻訳は事前リサーチなしには完成しません。

翻訳者として案件を受けた場合、出来る限りの事前リサーチを行うのは必須とも言える作業工程の一つとなります。

具体的には

  • ・参考文献を調べる
  • ・Web情報を調べる
  • ・辞書で調べる

などリサーチ方法は数多くありますが、翻訳者を目指すのであれば全てを十分に使いこなす必要があります。

特に注意したいのはWebでのリサーチです。ネット社会と言われる現在は、知りたいことを簡単に検索エンジンで調べることができます。

そこで大切になってくるのは「情報の裏付け」。ネットソースを利用して情報をリサーチする場合、出来る限り信頼性のあるサイトの情報を短時間で探し出すスキルが求められます。 そのために注意したいのは、無料でできるネット検索の裏側に付きものの「信頼性の高いソースが少ない」という点です。

例えば医療系のリサーチであれば、医療関連の公的サイトやドクターなど、医療関係者が書いている情報にはそれなりの信頼性があります。ただし、信頼できそうなソースを見つけた場合でも、必ず別のソースや文献で内容の信頼性をダブルチェックするなど習慣づけるようにすることが大切です。

また必要に応じて英語で書かれた文献やソースなども見る必要が出てきますが、この場合も同じで単純に英語圏のソースだからというだけで安易に信頼してしまうのは危険です。

この「リサーチ能力」は翻訳者に求められるスキルの中でも特に重要なものです。普段からいろんな情報ソースに触れて信頼性を確認しておくことが、翻訳者としての経験値につながります。

また翻訳者の収入はどれだけ効率よく仕事ができるかで変化してきます。その中でリサーチスキルを上げることは特に無駄な時間を減らすことにつながります。

翻訳者に求められる必須なPCとITスキル

これから翻訳者として仕事を始めようという方がつい置き去りにしがちなのがPCとITのスキルアップです。

フリーランスの翻訳者として仕事をする場合、そこで求められるのはスピード感。どれだけ英語読解力が高くても翻訳スピードを上げるのには限界があります。そこで必要となってくるのが機械の力を借りて翻訳するということです。

積極的にGoogle検索や置換、機械翻訳などを利用することが翻訳実務では大きな作業の効率化につながります。

翻訳者としての収入をアップさせるために必要なものはこの「作業の効率化」しかありません。もちろんこれは手を抜くという意味ではなく、ITやPCスキルを向上させることで達成できることです。

フリーランスの翻訳者に安定収入をもたらすクライアントとの信頼関係

翻訳業界では数多くのフリーランスの方が活躍されていらっしゃいます。場所や時間も選ばない在宅での仕事は多くの方が翻訳者を目指す「魅力」でしょう。

そこで必要になってくるのが継続的に仕事を受けるための努力です。自分のペースで仕事ができるフリーランスの翻訳者ですが、収入を安定させることがなかなか難しいものです。

そのためには常に質の高い翻訳=クライアントの満足度の高い仕事ができる翻訳者である必要があります。翻訳者としての評価を得られるよう仕事をするのは当たり前ですが、現実的には常に継続的な仕事があるわけではありません。

また翻訳者として仕事継続ができる安定した基盤づくりもとても大切です。働きやすい仕事環境とクライアントとの信頼関係が翻訳者に求められるスキルであり、条件の一つとも言えます。

またクライアントに対して自分自身をアピールするセルフブランディングも大きな武器となるでしょう。そのために自分自身のストロングポイントを常に把握しておくことも大切です。例えば大学での専門性が高い専攻分野や、働いていた企業での実務経験で学んだスキルなどは大きなアピールポイントともなります。

翻訳者を目指す方であれば「高い英語読解力」は当然として求められるものですが、クライアントから高い評価を得られるためにどのように自分をプレゼンするか、そしてどのように信頼関係を築いていくのか考えることも翻訳者に求められるスキルの一つだと言えます。

翻訳者として安定した収入を得るための資格と条件のまとめ

フリーランスとして翻訳者デビューを考える方は多いと思います。また英語力には自信があるという方も少なくないでしょう。

そのために英検やTOEICを受験するのは悪いことではありません。ただそこで一定の点数をクリアしたからと言っても、すぐに翻訳者として安定した収入は得られません。

大切なのは翻訳の仕事で生計を立てて行くと言う強い意志と行動力です。日々の努力はスキルアップにつながるだけではなく、「作業の効率化」と言う翻訳者としての収入につながる大きな部分を占めます。

翻訳者として仕事をするための条件は決して資格や試験の点数だけではありません。今回のコラムを参考に今自分に欠けているものは何か、を判断して翻訳者デビューを目指してみてはいかがでしょうか。

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