翻訳者として効率的な仕事をするにはまず専門分野を決めよう

実務翻訳には数多くの分野があります。これから翻訳者としてデビューを目指す方もつい悩んでしまうのがこの「専門分野」の選択です。

ざっくりと分類するだけでも以下のような専門分野があります。

  • ・医薬
  • ・金融や経済
  • ・法律や契約書
  • ・特許
  • ・IT関連

大きく分けるとこの5分野がベースとなりますが、それ以外にも「工業や技術」「マーケティング」「エンターテインメント」「ゲーム」など数多くの分野が存在します。

フリーランス翻訳者としてデビューを目指す方が全ての分野をカバーすることは不可能です。語学力には自信があって、これから翻訳の勉強をされる場合には、あらかじめ自分がどの分野で仕事をしたいのかを決めておく必要があります。

今回はそもそもどのように専門分野を選べばいいのか、そしてなぜ専門分野が必要なのかについて説明していきましょう。

翻訳者デビューを目指すための専門分野の選び方

初めて専門分野を選ぶときは何を基準にすればいいのか迷ってしまうものです。自分が何を得意としているのかを総合的に判断して決める必要があります。具体的な例で見ていきましょう。

自分が興味のあるジャンルを専門分野として選ぶ

特定の分野に対して専門的な知識がない場合にはシンプルに「自分が興味を持って勉強できるかどうか」で判断しましょう。そもそも翻訳者として仕事を始めるには、その分野について相当な時間を費やして勉強する必要があります。ここで大切なのは「モチベーションを継続できる」分野を選ぶということです。

最初から興味がないような分野を選んでしまうと、ひたすら勉強を続けるのは苦痛になってしまいます。翻訳者の仕事で難しいのは、最初に専門分野を決めなくてはいけないという点ですので、興味があり継続できるジャンルを選ぶようにしましょう。

それでも自分の専門分野を決めかねている方もいらっしゃるかもしれません。「そもそも自分がどの分野に興味を持ってるかわからない」あるいはいくつかの分野をちょっとかじってから専門分野を決めたい、こんな声も少なくありません。

そのような場合にはいろんな分野を同時に学べるスクールでの勉強が一番のお勧めとなります。

  • ・様々な分野で定例トライアルを開催しているアメリアで学ぶ
  • ・翻訳の専門校 フェロー・アカデミーで学ぶ

まずはスクールに入っていろんな分野を体験してみて、自分自身が一番興味を持っている分野を専門分野として選ぶようにしてみてはいかがでしょう。

過去の経験から分野を選ぶ

例えば学校で特定の分野に関する勉強をしたのであれば、それを軸として翻訳の勉強を始めることができます。

あるいは社会経験がある方の場合、前職で得たスキルを翻訳に生かすことができるのであればそれに越したことはありません。

医療系の会社に勤務した経験があれば医薬分野がお勧めですし、金融機関などに勤めた経験がある場合には積極的に金融分野を選ぶのがいいでしょう。たとえ社会経験はなくても大学時代に研究室などで何か専門的な勉強をしていたのであれば、それを生かして専門分野とすれば勉強もスムーズに捗ると思います。過去の経験で少しでも活かせる知識があればそれを利用して自分の専門分野としましょう。

あくまで収入にこだわって単価で選ぶ

実務翻訳においては様々なジャンルがありますので、それによって単価は若干異なってきます。ただし注意点としては単価に関しては分野ではなく翻訳者個人のスキルが大きく影響してくることに留意しておく必要があります。

これから翻訳者デビューを目指す場合には「このジャンルは単価が高そうだから」そんな理由だけで専門分野を選ぶのはお勧めできません。ここで大切なのは継続して勉強を続けられるか、という点ですのでそちらを重視するようにしましょう。

またこれ以外にも
「今後伸びてきそうな需要を見込めるジャンル」
で専門分野を極めるということも考えられますが、将来的にどの分野が安定して需要が見込めるのかはあくまで参考的な要素として考えるべきでしょう。

翻訳者デビュー前に専門分野を決めるメリット

コラムの冒頭でも述べましたが翻訳業界には数多くの専門分野が存在します。最初に分野を決めることのメリットと理由について説明していきましょう。

翻訳会社からの仕事依頼を受けやすい

翻訳会社は基本的にクライアントの依頼をもとに登録している翻訳者の中から適任者を探すことになります。その場合専門分野を持った翻訳者であれば、翻訳会社の担当者からすれば「声をかけやすい」という大きなメリットがあります。

もっと具体的に言うなら、専門分野なしで数年間の翻訳経験がある場合と、実務経験は1年しかなくても専門分野に特化した翻訳の仕事をしている方がいた場合、依頼者からすれば専門分野に特化した翻訳者が優先的に選ばれることが多くなります。

専門分野を持たない翻訳者の場合、担当者の印象にも残りにくいと言うデメリットとなってしまいます。安定して仕事の依頼を受けたいのであれば、しっかりと自分の専門分野を確立するようにすることが大切です。

翻訳のクオリティが安定して誤訳などを避けられる

翻訳業界にはそれぞれの分野において専門用語や「決まった表現」などが存在します。しっかりと専門分野を決めて仕事をしている翻訳者であれば、この表現についても間違えることはありません。

翻訳者として仕事をこなしていく上で絶対に避けたいのが

  • ・気づかずに誤訳をしてしまう

という点です。

たとえ一生懸命リサーチしたとしても、自分が知らない単語に専門的な言い回しがある場合も少なくありません。専門分野以外の馴染みの無いジャンルで翻訳をすると誤訳をしてしまったり、誤訳ではなくてもクオリティの低い仕事をしてしまう可能性があります。

従って専門分野を持つということで、誤訳を避けることもできる上に、クライアントからも評価の高いクオリティをキープすることができます。

翻訳仕事での作業効率が高くなり収入も増える

プロの翻訳者が手がける仕事はほとんどが専門性の高いものばかりです。特定のジャンルを専門分野として翻訳をしている場合、仕事の数をこなせばこなすほど「慣れてきて」翻訳スピードは上がります。

基本的に翻訳者の報酬は文字単価Xワード数で決められますので、作業効率が上がれば上がるほど翻訳者として得られる収入は多くなります。

従って最初から専門分野を絞り込んで勉強すれば、実際に翻訳者としての仕事を始めた場合にも大きなメリットとなります。

専門分野を決めればそのジャンルとは長い付き合いになります

今回のコラムでは、これから翻訳者デビューを目指す方がまずやるべきこととして「まず専門分野を決める」必要性について述べてきました。

専門分野を決める際には、自分自身が気になるジャンルの書籍や情報を参考にしながら、自分自身に一番合った分野を決めることが重要です。

そのためには「自分自身が長い間興味を持ち続けられる」分野を選ぶのがベストな選択肢です。専門分野というのは翻訳者としての仕事を始めると長い付き合いになりますので、慎重にリサーチしてから決めることをお勧めします。

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