フリーランスとして翻訳の仕事で向き合う「つらさ」とその対応策

翻訳者になることを目標に勉強している方の多くは、フリーランスとして活躍したいと思っています。なぜなら、フリーランスなら時間や場所に関係なく働ける上、職場での人間関係に悩まされることがない、理想のワークスタイルだと思っている方が多いからです。

ただ注意したいのは、フリーランスの翻訳者が常にストレスフリーなのかというと、そうではないという点です。今回のコラムでは、フリーランスの翻訳者が仕事を続けるために注意しなければならない点とその対応策について説明していきます。

実際に翻訳の仕事を始める前に、翻訳という仕事の大変さを前もって認識しておけば、より強い意志を持って翻訳という難しい作業に臨むことができるでしょう。

好きなことを仕事にできる翻訳者。その憧れの先にあるもの

英語など語学が好きな人にとって、フリーランスの翻訳者は憧れの職業かもしれません。

頑張って勉強して翻訳者デビューを果たしたけれど、実務をこなす中で憧れの先にある大変さを知って、モチベーションが下がり挫折してしまった、という話はよく耳にします。実際、翻訳の仕事に従事すると、様々な壁に突き当たります。

仕事を依頼されて思い知らされる自分の実力不足

英語力に自信があってフリーランスの翻訳者として仕事を始めたら、自分の実力のなさを痛感して自信を喪失。その結果、「このまま翻訳の仕事を続けられるのだろうか?」そんな不安を感じてしまう人はたくさんいます。

業種や職種に関わらずどんな仕事でも経験は必要です。翻訳の仕事も同じで、積み重ねた経験がスキルアップに繋がる世界です。初めて請けた翻訳の仕事で自信をなくしてしまったとしても、常にポジティブに向上心を持って仕事を続けることができれば、フリーランス翻訳者として成功する可能性は大です。

収入が一定でないことへの不安

フリーランスで仕事をしていれば必ず仕事量に波があります。毎日のように依頼が来る時もあれば、急に仕事量が減る時もあります。そんな時、収入が安定しないことに不安を感じるのは当然です。

将来に不安を感じているフリーランスの翻訳者は少なくありません。これは翻訳業に限らずフリーランス全般に言えることで、クライアントから信頼を得て、定期的な案件を受注できるようになるまでつきまとう不安要素です。

そんな不安を払拭するためには、翻訳業を始める前に1年から2年程度の長期スパンで翻訳者としてのキャリア形成を目指すようにしましょう。

ほとんど一人で作業するため何日も人と話すことがない

翻訳という仕事の特性を考えると、フリーランスの翻訳者はほとんど人と関わらずに日々の作業を続けることになります。在宅で全て完結できるのはフリーランス翻訳者の大きなメリットではありますが、その反面、仕事に集中するあまり気がつけば何日も人と話をしていなかった、そんなことが日常的に起こります。

一人で黙々と仕事をするのが好きな方なら、こんな状態が何日続いてもあまり苦痛を感じないかもしれませんが、特に集中力が求められるのが翻訳作業です。そのためにも仕事のスイッチを完全にオフにして気分転換の時間を設けなければ、神経がすり減りストレスに押しつぶされてしまいます。

常に締め切りに追われるプレッシャー

複数の案件を同時に抱えてしまうと、常に締め切りに追われることになります。仕事として翻訳を請け負っている以上、納期に遅れることはビジネス上許されることではありませんし、発注元の信頼を失ってしまうことにもなります。

複数案件を抱えて初めて感じることかもしれませんが、締め切りのプレッシャーは相当なものです。ただこれもフリーランス翻訳者としてデビューするのであれば、あらかじめ覚悟しておかなければならないことです。

フリーランスの翻訳者は自分自身が会社のオーナーですので、「仕事を断る」という権利を持っています。初めて依頼が来たクライアントからの仕事であれば、仕事の内容と収入のバランスが取れていないと感じこともあるでしょう。

そのような場合、そのクライアントからの発注を引き続き請けるかどうかは、自分自身が判断することとなります。発注を請けなかったらそれは収入に直結しますので、そこは調整しながら判断する必要がありますが、断る権利を持っているということは、他のクライアントに迷惑をかけないという点ではメリットと捉えることができます。

ただどんな場合でも、フリーランスの翻訳者として仕事をすると必ずついて回るのが「締め切り」です。経験を積む中で仕事量を調整するスキルを身につけましょう。

運動不足と仕事漬けの日々

在宅で仕事をしていると、どうしてもオンオフの切り替えが難しくなります。翻訳という仕事には集中力が求められます。一生懸命作業に打ち込んでいると、あっという間に時間が過ぎてしまい生活のリズムが狂うことがよくあります。

その結果として、プライベートが楽しめなくなったり、充実感を得られなくなったりします。その上、常にパソコンに向かって作業をしていると、運動不足で健康が保てなくなる懸念も出てきます。

翻訳者としてまだ経験が浅いうちは、つい頑張りすぎて生活のリズムが乱れるまで仕事に没頭してしまうことが往々にして起こります。そのような事態を避けるためには、早く仕事を終わらせたいという気持ちを抑えて、脳を休めるような運動を仕事の合間に取り入れるようにしましょう。

室内で簡単にできるヨガなどは効果的です。できれば決まった時間にジムに通うなどして、生活リズムを維持するよう努めましょう。

いろいろな困難があってもフリーランス翻訳者にはメリットが多い

今回のコラムでは、翻訳業務の「つらい部分」にスポットを当てて書きましたが、在宅ワークで一定の収入が期待できるフリーランスには、デメリットを上回るメリットがあります。会社に出勤する必要がありませんので、
「自由に動き回れる」
「自分のペースで仕事ができる」
事は大きな魅力です。

平日に旅行に行けたり、出先で仕事ができたりするのは、フリーランスの翻訳者ならではの特権です。また個人事業主としてきちんと開業届を出して青色申告をすれば、特別控除が受けられるというメリットもあります。

フリーランスの翻訳者デビュー=自由な生活が手に入るというわけではありませんが、翻訳者としての経験を積むことで、自分が理想とするライフスタイルを手にすることができるのはフリーランスの大きな魅力です。

今回のコラムでは、翻訳者デビューするために必要な覚悟について説明しました。実際に一人で仕事をしていると相談相手がいないこともあり、いつの間にかストレスを抱えてしまっていることがあります。翻訳者としてデビューする前に、デビュー後に感じる可能性がある様々なストレスを知っておけば、実際にそのような場面に遭遇した時きっと役に立つはずです。

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