人気の高い映像翻訳4つのジャンルを徹底解説

英語翻訳者を目指す方に人気の高いのが映像翻訳です。その理由は、映画やエンターテイメントが好きだから得意な語学力を活かして翻訳者になりたいと思っている方が多いからでしょう。しかも世界的規模でストリーミング系の映像コンテンツの需要は増えてきています。

そんな映像翻訳には以下の4つのジャンルが存在します。

  • ・字幕翻訳
  • ・吹替翻訳
  • ・ボイスオーバー翻訳
  • ・放送翻訳

さらに分類すると、放送翻訳には原文のスクリプトがないものとあるものがあります。
今回のコラムでは、映像翻訳の対象となるコンテンツにはどんな種類があるのか、それぞれの特徴などを説明していきます。

映像翻訳コンテンツの種類

映像翻訳における翻訳者の仕事は多岐にわたります。具体的な内容を見ていきましょう。映像翻訳の中でも、放送翻訳はスクリプトがないことがあるので、ヒアリングスキルも求められます。放送翻訳に関しては後述します。

字幕翻訳・吹替翻訳・ボイスオーバー翻訳で取り扱う主なコンテンツには次のようなものがあります。

劇場公開される映画

洋画の公開本数は安定して増え続けていますが、最近ではこれまで主流であった字幕翻訳に加えて吹替翻訳の需要も高くなっています。この背景には全国各地のシネマコンプレックスの増加があります。

シネマコンプレックスでは複数のスクリーンで様々な作品を上映しています。また、大型のショッピングモールに併設されていることが多いため家族連れにも人気があります。そのような背景もあり洋画コンテンツを家族で楽しめるように、大人向けの映画であっても字幕ではなく吹替で上映するケースが増えてきています。

地上波・BS放送

地上波のテレビ放送では実に様々なコンテンツが放送されています。そのため翻訳の対象となる番組も数多く、意外なジャンルで翻訳が必要になるケースが少なくありません。

テレビ放送用の翻訳では、幅広い視聴者が満足できるように、コンテンツに合わせて翻訳スタイルが選ばれます。例えば、映画やアニメであれば字幕と吹替、 ドラマの場合は吹替がメインとなりますし、ドキュメンタリーでは、字幕・吹替・ボイスオーバーが内容に応じて適宜使用されます。

また、コンサートやオペラ、ミュージカルなどの音楽番組では、ライブの雰囲気を壊さないように字幕翻訳が用いられます。

映画やドラマ・スポーツなどがメインのコンテンツとなっているBSなどの衛星放送でも、翻訳者の需要は高くなっています。専門性のあるチャンネルが多くユーザー属性の幅が広いため、字幕・吹替・ボイスオーバーの中からコンテンツの雰囲気を壊さない方法が使われます。

DVD

DVDの制作においては、本編以外の部分でもボーナストラックなどで、出演者やディレクターが音声解説を行ったり、インタビューを受けたりするシーンの翻訳、そしてEPKと呼ばれる業界向けのコンテンツの翻訳が必要となります。EPKとは映画配給会社が宣伝用に配布する映像のことですが、この翻訳需要は近年とても高くなってきています。

映画好きな方であればご存知かもしれませんが、ERKは、

  • ・予告編
  • ・メイキング
  • ・監督や出演者のインタビュー
  • ・NGやカットシーン

などのクリップで構成されています。

ストリーミングなどのネット配信映像

ここ数年急激にユーザー需要が高まってきているのが、映画やドラマ、バラエティなどをネット配信する動画プラットフォームです。劇場公開映画の予告編やプロモーション映像などもストリーミング配信されることが増えています。これらのことから、この分野の翻訳需要はますます高くなっていくものと思われます。

企業紹介映像やCMなど翻訳を必要とするネット配信が増えてきているので、翻訳者を目指すのであればこの分野もチェックしておきたいところです。

放送翻訳

放送翻訳では、テレビ番組における外国語インタビュー部分の翻訳がメインの仕事となります。コンテンツによっては、翻訳者というより通訳者に近い業務を行うことになります。

映像翻訳に興味があって勉強されている方でも、字幕翻訳と放送翻訳の違いはわかりにくいかもしれないので、放送翻訳について簡単に説明しておきます。放送翻訳で行われる翻訳は以下のようなものです。

  • ・海外ロケでの街頭インタビューなどの翻訳
  • ・ドキュメンタリー番組の翻訳
  • ・記者会見などの翻訳

放送翻訳では、このようなコンテンツの吹替や字幕制作が翻訳者のメインの仕事となります。

一般的な翻訳業務との大きな違いは、スクリプトなしで翻訳を行うことが多い点でしょう。原文スクリプトがある場合は、どのジャンルでも行う作業に大きな差はありませんが、スクリプトがない放送翻訳の作業で求められるのは、英語のリスニング能力です。

それ以外に放送翻訳では、ネット配信されるニュースなどの翻訳も行います。CNNなど外国のニュースなどのキャプション作成には高い翻訳能力が求められます。一般的な文章の翻訳とは異なりニュースの翻訳が中心ですので、ボリュームとしては多くはありませんが、短い文章をキャッチーな日本語に変換する高い翻訳スキルが求められます。

ニュースなどの報道関連コンテンツの翻訳において求められるのはスピード感です。海外の出来事がリアルタイムで入ってくる現在、放送翻訳の需要はますます高くなってくるでしょう。

また放送翻訳の特徴としてあげられるのは、納期が非常に短いということです。映像翻訳という分野の中で、少し異なったスキルが求められるのが放送翻訳です。フットワークが軽くていろんなことに興味がある方であれば、挑戦してみる価値はあります。

映像翻訳者へのキャリアパス

映像翻訳に限らず、翻訳者としてデビューするまでの道のりはどの分野も同じです。

履歴書や職務経歴書で自分自身のストロングポイントをアピールし、業務を任せてもらえるようにするには、

  • ・映像翻訳スクールに通って基本的な知識を身につけた後、「アメリア」等の翻訳者ネットワークに登録し実務を経験する
  • ・独学で勉強してトライアルにチャレンジする

などといったことを行い、積極的に基礎知識を身につけて経験値を積んで行かなければなりません。

そして翻訳ジャンルに関わらず求められるのは、翻訳スキルだけでなく高い日本語のライティングスキルです。映像翻訳ではクリエイティブなコピーライティングに近いセンスも求められますので、高い日本語力も身につけなければなりません。

映像翻訳では今後もさらに翻訳分野の幅が広がり、翻訳者の需要がますます増えると予想されます。映画が好きで翻訳者を目指しているのであれば、最初から映像翻訳に絞り込んで学習に取り組んでみてはいかがでしょう。

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