英語翻訳者デビューを目指すために役立つ知識!人気の映像翻訳と字幕翻訳とは

インターネット環境の進化、そしてWebコンテンツのグローバル化などに伴い、映画やドラマなどの映像コンテンツを配信するプラットフォームが増えてきています。

また映像作品だけに限らず、ビジネスシーンで利用する商品のプロモーション動画やイベント・セミナー動画なども増えてきていますので、これまで以上に翻訳を必要とする機会が増しています。

専門的な知識を持っていない方でも、在宅で得意の英語力を活かして活躍できるのが「映像翻訳」のジャンルと言えます。

今回のコラムでは、映像翻訳の中でも特に需要の高い「字幕翻訳」に焦点を当てて掘り下げていきます。

英語の翻訳者を目指すならまず覚えておきたい三つのジャンル

翻訳の仕事は以下の三つのジャンルにカテゴライズすることができます。

出版翻訳

出版翻訳における翻訳者の主な仕事は、海外で出版された様々な書籍を日本語に翻訳することです。このジャンルは文芸翻訳とも呼ばれています。

書籍に限らず雑誌などに掲載する文芸作品を翻訳することもありますので、高い英語読解力が必要なのはもちろんですが、原作に描かれている細かなニュアンスや世界観を読み手に伝えなければなりません。したがって、感性豊かな日本語能力も必須となるジャンルです。

実務翻訳

産業翻訳(ビジネス翻訳)とも呼ばれるこのジャンルですが、様々な文章を企業や官公庁からの依頼で翻訳します。

技術書や契約文章からビジネス文書やマニュアルまで、幅広い分野で翻訳ニーズが存在するジャンルです。

グローバル化が進む現在、医療や特許関係、そしてITや金融などの分野では、常に情報がアップデートされていて頻繁に情報を更新する必要があるので、翻訳者の需要が高くなっています。当然ながらそれぞれの分野で、英語読解力だけではなく高い専門性が求められるのが実務翻訳の特徴です。

英語翻訳でも特に人気の高い映像翻訳

映像翻訳とは、テレビや映画などの作品中の音声を多言語に翻訳する仕事です。翻訳者デビューを目指す方の中には、「映画が好きだから」という理由でこのジャンルを選ぶ方が大勢います。

英語の翻訳者として継続して仕事を続けていくためには、当然高いモチベーションが必要になってきます。そんな中、自分の趣味を仕事にできる映像翻訳は、モチベーション維持が容易で初心者にとっては魅力的なジャンルだと言えます。

映像翻訳にも色々な種類がありますので詳しく見ていきましょう。

映像翻訳の種類とそれぞれの特徴

デジタルコンテンツのグローバル化がどんどん進み、翻訳に求められる言語は多岐に及んでいます。

またAIの技術が進むにつれ自動翻訳ツールなども使われるようになってきましたが、このジャンルで自動翻訳ツールを使うと機械的な翻訳になってしまい、原作が伝えたいと思っている意図が表現できない訳文になってしまうことが少なくありません。

細かなニュアンスを伝えるためには、翻訳者が精度の高い訳文を作成することが求められますので、いくら自動翻訳ツールが普及しようと人による映像翻訳の需要は増えていくと予想されています。

また映像翻訳の仕事であれば在宅で仕事が可能なため、特にフリーランスや副業目的で翻訳者を目指す方にも注目度の高いジャンルです。

映像翻訳にはいくつか種類がありますのでそれぞれの特徴を紹介しましょう。

字幕翻訳

オリジナル映像に出てくる言語を他の言語に翻訳し、オリジナル音声を残した状態で翻訳した字幕を画面上に表示する作業を行います。この字幕翻訳では、動画コンテンツのオリジナル映像や音声などはそのまま保持されます。

字幕翻訳に関しては細かなルールが存在しますので後述します。

吹替翻訳

字幕翻訳とは異なり吹替ではオリジナル言語の音声は流れません。映像に合わせてターゲット言語(日本なら日本語)の音声をオリジナル音声に置き換える作業を行います。

吹替翻訳の場合、翻訳する際の文字数には制限がありません。また画面に登場する人物が複数であっても、それぞれのセリフを重ねながら吹き替えることができます。

もちろんこの吹替翻訳にもいくつかの制限は存在します。中でもよく知られているのが「リップシンク」です。吹替翻訳では、オリジナル映像の登場人物が発するセリフの唇の動きと翻訳されたセリフを違和感が生じないようシンクロさせる必要があります。

またそれ以外にも、登場人物のため息など「発話」以外の部分も表現しなければいけないと言う制約が存在します。

ボイスオーバー

ドキュメンタリー番組などでよく見かける手法です。このボイスオーバーでは原音を微かに残しつつ、そこに翻訳された音声を被せていく手法が採られます。

このボイスオーバーに関しては、吹替翻訳と同様に文字数の制限はありません。したがって多くの情報が伝えられるというメリットが存在します。

またこのボイスオーバーには、吹替翻訳のように翻訳されたセリフを映像に合わせる必要がないという特徴もあります。

映像翻訳の中ても需要の多い字幕翻訳で覚えておきたいルールとローカライズ

字幕翻訳で求められるのは、コンテンツ映像を見た人が字幕を見た瞬間に理解できるようにすることです。

この「可読性」は字幕翻訳で最も重要視されます。映像コンテンツを見ている視聴者は、画面内で展開される状況を理解しながら字幕の内容を目で追って理解する必要があります。

視聴者を意識した字幕翻訳のルール

字幕翻訳における文字数と時間には以下のようなルールがあります(※仕事によって多少のルールの違いはあります。)

  • ・1秒につき4文字まで
  • ・字幕一つに対して表示時間は最大6.5秒
  • ・一つの画面に対して2行までそして20文字まで
  • ・1行に表示する文字数は最大13文字まで

基本的に字幕翻訳では句読点を使用せず、

  • ・読点=半角スペース
  • ・句点=全角スペース

で表現するというルールがあります。

また映像の字幕翻訳はただ単純に文字を入れればいいというわけではありません。字幕翻訳でより高品質な翻訳にするためには、知っておかなければならない以下のような大事なポイントが存在します。

出来る限り短文で

字幕翻訳において求められるのは、出来る限り簡潔で分かりやすい表現を用いることです。視聴者の可読性を高めるために表示文字数を一文字でも減らすことが重要とされています。

視聴者が一度目にしただけで理解できる文字数には限りがありますので、出来る限りシンプルで分かりやすい訳文にする必要があります。

音声を全て文字にする必要はない

出来る限り短い文章で表示することが求められる字幕翻訳ですが、オリジナル映像に出てくる全ての音声を文字にする必要はありません。例えば「うーん」というような軽い話し言葉の場合は、そのシーンの状況を踏まえてセリフを要領よくまとめて字幕にし、状況が伝わるようにすることが重要なポイントとなります。

補足説明は会話の中に自然に入れる

国によって話される言語が異なるように文化や習慣もそれぞれ異なります。日本では認知されていないような固有名詞などをそのままカタカナ表記しても、字幕を読んでいる視聴者には伝わりません。

そんな場合はオリジナルに近い言葉に置き換えるなど別の表現で伝える必要があります。字幕翻訳者にはこのような細かな工夫も求められます。

英語の字幕翻訳者を目指すなら避けて通れないローカライズ

ローカライズとは日本語にすると「地域化」「現地化」という意味です。国によって大きく異なるのが文化や習慣、そして価値観などです。

そこで字幕翻訳者には、翻訳の対象となる国の特性を踏まえた上で翻訳することが求められます。例えば英語の翻訳者として日本語にローカライズするのであれば、オリジナルのニュアンスが伝わるよう漢字やひらがな、カタカナを使い分けて表現することも必要です。また英語の慣用句であれば、それと似たような意味を表す日本語の慣用句に置き換えることも必要です。

このローカライズは、映像分野の翻訳者としてデビューしたいと思っている方が絶対に身につけなければならない重要なスキルです。

映像翻訳の中でも字幕翻訳においてこのローカライズを意識せずに翻訳してしまうと、習慣などが異なる視聴者には全く内容が伝わらなくなってしまいます。

映像翻訳(字幕翻訳)のまとめ

このように映像翻訳で求められるスキルは一般の翻訳作業とは大きく異なります。このジャンルで特に求められるものは翻訳者の感性です。

視聴者がストレスなくストーリーに集中できる字幕、あるいは字幕を読んでいることを忘れる翻訳、これが字幕翻訳者に一番必要なスキルかもしれません。

また映像翻訳の場合、コンテンツの多くがエンターテインメント系となりますので、「好き」を仕事したい方には特に向いているジャンルだと言えるでしょう。

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