フリーランスで英語の翻訳者を目指すには?モチベーション維持と自己管理
フリーランスとして翻訳者デビューを目指す方はたくさんいらっしゃいます。そのために欠かせないのが日々の英語の勉強やスキルアップですが、コンスタントに勉強を継続するのは簡単なことではありません。
その背景には、
- ・途中で嫌になってしまう
- ・覚えられない
- ・自分の実力がアップしているかわからない
このような理由でモチベーションが下がってしまうことも少なくありません。
また実際にフリーランスの翻訳者として仕事をしていても、常に高いモチベーションを維持し続けることは困難です。翻訳者としてのキャリアを積み重ねるためには、高品質の翻訳をスケジュール通りに納品できるかどうかが大きなポイントとなります。
そこで今回のコラムでは、翻訳者として必要な自己管理とモチベーションを保つ方法について述べていきましょう。
モチベーションという感情に頼らない英語の勉強方法を学ぶ
モチベーションは「やる気」という感情です。基本的にこの感情は湧き上がってくるものですので、それをコントロールするのはほぼ不可能です。
それでも英語の勉強をしなくては!と考えても、自分自身のやる気スイッチを簡単に「オン」にすることはできません。英語の翻訳者を目指して勉強していても、この感情に左右されると非効率なループに陥ってしまいます。
これは英語の勉強の全てをモチベーションに頼ってしまっているから起きることです。
- ・モチベーションが湧かないから勉強をしない
- ・モチベーションがある時は勉強する
このようにモチベーションという感情に左右される勉強方法は、あまりにも不安定で効率的とは言えません。
ではどのような勉強法が正しいのでしょうか?
英語の勉強を習慣化させる
英語の翻訳者を目指して勉強するのであれば気分に頼るのではなく、英語の勉強を習慣化させることが大切です。
具体的にはまず自分の中で基準を設定して、それに基づいた勉強法を確立するようにしましょう。
ここで大切なのは二つのポイントです。
習慣化させるのであれば、例えば1日最低1時間は勉強するなど時間を決めるようにしましょう。その日に取り組む勉強内容は、自分が重点的に取り込みたい学習にします。
学習の時間配分は、英文法と単語学習など複数の科目を組み合わせるのがおすすめです。
また勉強の範囲を決めるというのは、文法を学習する際に役立つ方法です。文法書を使って勉強すると当然チャプターがありますので、例えば1日1章勉強するなど自分で決めることができます。
このように最低限の勉強の基準を決めることで、集中して取り組めるようになります。
英語の勉強を習慣づけるのは簡単ではありません
「フリーランスの翻訳者としてデビューする」という高い志を持って毎日勉強を続けても、簡単には習慣化することはできません。
どうしても、辛いとか、サボりたいという感情に負けそうになってしまうのが普通です。それでも勉強を続けていくことで、振り返ってみた時にそれが習慣となっているでしょう。
そうすれば日常生活のルーティンに組み込まれ、「何も考えずに英語の勉強を毎日行う」ができるようになります。このように英語の勉強そのものが習慣となってしまえば、その時の気分に関係なく自分自身のスキルアップを目指せるようになります。
どうしてもモチベーションありきで考えてしまうと、それは感情ですので勉強のクオリティが下がってしまうことがあります。英語の勉強を「習慣化」すれば、感情のアップダウンに関係なく続けることができるようになるでしょう。
決まった時間に毎日パソコンに向かう、自分の中で最低限のルーティン作りができれば、それを習慣として落とし込めるようになります。
またフリーランスの英語の翻訳者として実際に仕事を始めると、翻訳の仕事以外の部分でも管理が必要になってくることがあります。どのような管理が必要か、詳しく見ていきましょう。
フリーランスの翻訳者に欠かせないスケジュール管理
実際に翻訳者として仕事を始めると、取引先がどんどんと増えてきます。また定期的な仕事が来るようになれば、スケジュールの管理能力が求められるようになります。
フリーランスの翻訳者として仕事をしている場合、突発的な仕事が入ってくるケースも少なくありません。複数の取引先から同時に依頼が来ることもあるでしょう。
全ての仕事を受注してしまうと絶対に納期に間に合わないケースも出てきます。そんな時には仕事に優先順位をつける必要が出てくるかもしれません。これは翻訳者が決めればいいことですが、そのような事態になった時のルールを自分自身で決めておくことが大切です。
例えば「先に受注した案件を優先する」でも構いません。その場合には案件をお断りする理由をクライアントには正直に伝えるようにしましょう。
健康管理も翻訳者に欠かせないファクターです
翻訳の仕事は一度取り掛かると没頭して時間を忘れてしまうことがあります。特に作業が順調に進んでいる時には、切りのいいところまで何とか済ませてしまいたいと思うのは誰も同じです。
そこでおろそかになってしまいがちなのが自分自身の健康管理。翻訳者の仕事は1日中座りっぱなしで作業することがほとんどです。運動不足や睡眠不足は翻訳作業の効率を著しく下げてしまいますので、常日頃から健康管理を行うことはマストとなります。
また食事も大切です。現在活躍されている翻訳者の多くは、自分自身の健康管理のために、
- ・加工食品には手を出さない
- ・カフェインの摂取を控える
など日常の食生活をしっかり管理しています。
日常的な運動不足や栄養不足などが原因で、生活習慣病にならないように気をつけたいものです。もちろんこれは翻訳の勉強とは直接的関係のないことですが、長いスパンで翻訳者として活動したいのであれば、健康管理は絶対に欠かしてはいけないファクターです。
フリーランスの英語翻訳者は孤独な作業への慣れが必要
実際に英語の翻訳者としてデビューできたとしても、翻訳の仕事を続けることができないという人が中にはいます。
特に企業に属さないフリーランスの場合、1日中黙々とパソコンの前に向かって作業をする日々が続くことになります。せっかく翻訳者としてデビューしても、「単独作業の孤独な毎日」に耐えられなくなってしまう人も少なくありません。
またデビューを目指して英語の勉強を続けていても、同じような理由で挫折する人も比較的多いようです。
これは翻訳スキルそのものと全く関係のない部分で起こってしまうことです。従って翻訳者としての仕事を続けるためには、「単独作業に苦痛を感じない」性格が求められます。
今回のコラムでは、翻訳という仕事に対するモチベーションと自己管理についてお伝えしましたが、どうしても勉強したくない時には、思い切って翻訳とは関係のないことで気分転換を図ることも大切です。これは翻訳に限らずどんな仕事でも同じかもしれません。
そしてもう一つ大切なことは、終わらせるべき翻訳仕事や英語の勉強がある場合は、何も考えずにとにかく始めてしまうことです。
一人で過ごす時間を楽しめるような性格の方が、フリーランスの翻訳者に向いているのかもしれません。