英語の翻訳トライアルとは?トライアルの流れと合格するために学んでおきたいこと

英語の翻訳者として副業やフリーランスで仕事を始めるには、翻訳会社が実施するトライアルに合格する必要があります。ただし、翻訳のトライアルは合格のハードルが非常に高いため挫折する人も少なくありません。

翻訳者デビューを目指して勉強している方の多くが、

  • 「トライアルって何をするの?」
  • 「自分でも合格できる?」

そんな不安を抱えています。
今回のコラムではそんな翻訳トライアルについて詳しく説明していきましょう。

翻訳会社で行われるトライアルの仕組み

フリーランスの翻訳者として仕事をする場合、翻訳会社からの仕事を受注する形になることがほとんどです。

また発注する側の翻訳会社も多くのクライアントから仕事を受注し、翻訳者に仕事を振り分けていますので、翻訳者として仕事を始めるのであれば、翻訳会社の「トライアル」に合格し翻訳会社に翻訳者として登録される必要があります。

もちろん翻訳の仕事を始めるには、翻訳会社と契約する以外にもクラウドソーシングなどで仕事を見つけることも可能ですが、それだけでは安定した仕事と収入を継続して得ることはできません。

では具体的に翻訳トライアルに応募する流れを順番に見ていきましょう。

翻訳会社のサイトやアメリアからトライアルに申し込む

まず翻訳会社の求人情報をウェブで検索します。雑誌などにも求人情報は掲載されていますが、ネット検索の方がより多くの翻訳会社の求人情報を簡単に見つけることができます。

そして求人欄に記載されている指示にしたがって、職歴や翻訳経験などの情報を翻訳会社に送ります。申し込み手順はこれだけです。アメリア経由の応募では、「My履歴書」への登録内容が応募書類として企業へ送信されます。

翻訳会社による一次審査の実施

一次審査は書類選考となりますが、ここで判断されるのは応募者にトライアルを受ける資格があるかどうかです。したがって、この書類審査を通過するためには、できる限りしっかりと作り込んだ応募書類を提出する必要があります。

一次審査で落ちる理由は、申し込み書類の不備があったりするケースがほとんどですので、しっかり準備するようにしましょう。

一次審査合格者には翻訳会社からトライアル課題が届きます

無事に一次審査に通過したら、トライアル課題がメールに添付されて送付されてきます。

トライアル課題の分量はそれほど多いものではありませんので、しっかりと勉強していればそれほど難しいものではありません。

翻訳会社によって課題は異なりますが、

  • ・一般的な文章の翻訳
  • ・翻訳者の専門分野の翻訳

この両方が課題として与えられるケースが多いようです。翻訳会社によっては文法に関する課題を出すことがあります。

課題を翻訳し送り返す

課題文の翻訳が終わったら、翻訳会社に返送します。返送までの期限は、1週間から1ヶ月程度と翻訳会社によって幅があります。

翻訳会社による審査と合否通知

翻訳会社における審査基準は、それぞれの会社によって異なります。英語の原文に忠実な翻訳を重視する会社もあれば、読みやすい日本語訳文を評価する会社もあります。この基準に関しては応募する翻訳者にはわかりませんので、トライアルに合格しなかったからといって、必ずしも応募者の翻訳スキルが低いということではありません。

翻訳会社との相性のようなものがありますので、テイストが合わなかったというケースが考えられます。

翻訳のトライアルの合否は遅くとも1ヵ月程度でメールで通知されます。もちろん不合格の場合でも連絡は届きますが、なぜ不合格だったのかその理由については示されることはありません。そして見事合格した場合には登録のための次のステップに進みます。アメリア経由の応募では、「採用結果通知予定」の期日までに「参加履歴」に採用結果が反映されます。

複数のトライアルを受けて受注の可能性を広げる

翻訳会社との契約が完了すれば、正式に翻訳者として翻訳会社に登録されることになります。ただしトライアルに合格したからといって、仕事の発注が保証されるわけではありません。

翻訳会社は数多くの翻訳者を抱えていますので、仕事依頼の優先順位はどうしても経験のある翻訳者からということになります。翻訳トライアルで優秀な成績を残せばすぐに発注されるかもしれませんが、このようなケースは希です。

そこで1日でも早く翻訳者デビューしたいのであれば、複数の翻訳会社のトライアルを受けるようにしましょう。トライアルの数をこなしていけば、翻訳会社各社が求める翻訳の特徴や、トライアルに合格するコツのようなものも掴めるでしょう。

ここからは、翻訳のトライアルに合格するために学んでおきたいことについて説明していきます。

翻訳のトライアル合格のために徹底したい三つのポイント

翻訳業務の中で一番需要が多いのが実務翻訳の分野です。ここでは実務翻訳のトライアルを想定した、合格するためのポイントについて説明していきましょう。

辞書を使って「文法に忠実に」訳す

トライアルにおける訳語の選択はとても大切です。雰囲気が似ているからという理由でなんとなく選ぶのではなく、必ず辞書を活用して、適切な訳語を検討しましょう。

英単語の中には似たような意味を持つ単語が複数ありますが、ニュアンスで選んでしまうと、翻訳者としては一番避けなければならない「誤訳」になってしまう場合があります。

  • ・文法に忠実に翻訳する

実務翻訳のジャンルでは、できる限り原文に近い訳文が求められます。したがって、原文の文法を無視した日本語訳にはしないようにしましょう。流れるような日本語訳を意識し過ぎて、文法の基本から外れた翻訳文は評価されません。

少しでも自分の実力を高く見せるために、できるだけ上手く翻訳したいという気持ちはわかりますが、翻訳のプロが見ればすぐに実力は見抜かれてしまいます。

自分への評価を少しでもあげたいという気持ちは理解できますが、気負い過ぎて実力不足を見透かされてしまうよりも、できる限り原文に忠実な翻訳をすることです。真面目で丁寧な翻訳作業をすれば、それが高い評価を得ることに繋がります。

文脈を考えた適切な訳語選びと訳語の統一

文脈全体を考えた適切な訳語選びは、翻訳者として欠かせないスキルです。日常的によく使われている英単語であっても、文脈に合った訳語を選ぶようにしましょう。

そして訳語の統一ですが、これは表記の揺れとも呼ばれるものです。使用頻度が高い言葉ほど注意が必要です。

例えば、「不用品」と「不要品」という言葉があります。これはどちらもよく使われる言葉で、どちらを使っても日本語として間違いではありません。

訳文の中で一度「不用品」という言葉を使ったのであれば、全ての訳文で同じ表記をする必要があります。

Wordなどの入力仕様は統一する

例えば、英数字は半角で、丸括弧(パーレン)は全角で入力するなど入力に関する仕様は必ず統一する必要があります。これは文章を書き終えた後でWordの校正機能などを使って簡単に統一することができますので、手を抜かず最後まできちっと仕上げましょう。

今回のコラムでは翻訳のトライアルとは何か?そしてトライアルに合格するために守るべきいくつかのポイントを説明しました。この中でも、とにかく丁寧な訳文を作ることが翻訳者デビューへの近道、ということを肝に銘じておいてください。

誤訳だけではなく、訳抜けの防止や訳語の統一は、翻訳のトライアルに合格するための不可欠な要素となりますので、常にぬかりないな訳文を作ることを心がけるようにしましょう。

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