フリーランスの英語翻訳者に求められる基本スキルと心構え

英語翻訳者としての仕事を始めるためにおすすめなのは翻訳会社への登録ですが、そのためには実践レベルの翻訳力を備えていることが必要となってきます。今回のコラムでは翻訳者に求められる基本スキルと、覚えておきたい心構えについて説明していきます。

英語翻訳の仕事を受ける際に必要なスキルとキャリアパス

クライアントから翻訳の発注があった時点で、翻訳者は期待されるクオリティの訳文を納品できるか判断しなければなりません。そこで大切になってくるのが「自分自身のキャパシティを管理する」能力です。

依頼される仕事には大きく分けて以下のような二つのパターンがあります。

  • ・自分が得意とする専門分野
  • ・それほど得意ではない分野

ここで新人翻訳者に求められるのは、それぞれの分野の翻訳スピードを自分自身が把握しておくことです。得意な分野の作業スピードは速いでしょうが、それ以外の分野についてはそれほど速く進まないでしょう。自分自身のキャパシティをしっかり把握しておかなければ、クライアントに迷惑がかかってしまいます。

この点をしっかり把握しておけば、クライアントからの依頼を期日までに終えられるかどうか判断することができます。

またクライアントからの依頼をできる限り受けられるようにするために必要になってくるのは、次の二つです。

  • ・翻訳作業の効率化
  • ・翻訳スピードを上げる

翻訳作業を効率化するために、高性能なPCを購入したり静かな環境で作業できる場所を確保したりして、仕事をしやすい環境を整えるとともに、翻訳工程で重要なプロセスとなるリサーチのソースを常に整備しておくなど、クライアントからの発注に即応できる態勢を整えておきましょう。

これから英語翻訳者としてデビューを目指す人が学習経験や実務経験なしに仕事を受注することは、不可能とは言いませんがかなり希なことです。したがって、翻訳を職業にしようと思っている人は、ある程度のスキルを身につけておく必要があります。そのためには、翻訳スクールで学ぶなど専門的な翻訳訓練を受けておくことをおすすめします。

ではここからは、プロの翻訳者として働くために必要な心構えについて説明していきます。

翻訳の専門分野を決めておくことは絶対に必要

過去のコラムでも書いてきましたが翻訳の分野、ジャンルは幅広いので、自分が得意とする専門分野をしっかり決めて勉強する必要があります。

クライアントが求めるものは専門分野で通用する翻訳です。特にビジネス翻訳の分野には専門的なジャンルがたくさんあり、その業界の人でなければ知らないような単語がたくさん出てきます。翻訳者デビューを目指すには、専門分野を持つことが必須と言っても過言ではありません。

これまでの実務経験を生かしたり、あるいは学生時代に専門的に勉強した知識があるのであれば、そのバックグラウンドを活かしたりして専門分野を決めるようにしましょう。

クライアントからのフィードバックは大切に

ベストを尽くしたつもりの訳文にダメ出しを出された、修正依頼が来た、このようなことは普通に起こり得ることです。それで落ち込んだり、モチベーションを下げてしまったりしては翻訳者として失格です。

翻訳としては間違っていなくても、クライアントが求めるテイストと異なっているケースは少なくありません。そこで必要になってくるのがコミュニケーション能力です。場合によってはクライアントの方が間違えているかもしれません。そんな場合はきちんと説明する必要があります。また、クライアントが求めているテイストをしっかりとヒアリングするのも翻訳者に求められる能力です。

クライアントとのコミュニケーションがしっかりと取れていれば、クライアントからのフィードバックに素早く対応することができます。

翻訳者の仕事はクライアントが求めるテイストの訳文を作ることですが、これはお互いの信頼関係があって初めて成立するものです。このような作業を積み重ねていけば、一人前の英語翻訳者として仕事を任されるようになるでしょう。

日本語能力を常に磨いておく

英日翻訳で大切になってくるのは日本語のライティングスキルです。英語の原文は一定の英語力さえあれば理解はできますが、それを日本人が読んで違和感のない文章にするには確かな文章力が求められます。

いかに分かりやすい日本語にするか、その技術が重要になってきます。トライアルの審査などで重要視されるのは直訳ではない訳文です。

翻訳が使われる目的や読み手に合わせた日本語の表現能力は、絶対に必要です。特に専門用語が出てこない観光サイトなどの翻訳では、一層日本語の「表現力」が求められます。その文章を目にしたユーザーが実際に行ってみたいと思えるような文章にする必要があります。

またパソコンや電子機器などのユーザーマニュアルの翻訳では専門用語も出てきますが、これを専門家にしか理解できないような言葉で訳してしまうと、一般ユーザー向けに書いているはずなのに、肝心の一般ユーザーには伝わらない文章になってしまいます。読み手が一般のユーザーであることを意識し、わかりやすく簡潔な日本語にする必要があります。

プロの翻訳者として仕事をするのであれば、直訳は絶対にしないようにしましょう。原文が意図しているところをくみ取って、常に読み手を意識して翻訳することが大切です。

ソフトウェアもできる限り揃える

翻訳者にとってパソコンスキルはとても大切な要素のひとつです。普通にパソコンを使える方であればワードやエクセル、そしてパワーポイントなどは普段から使っているでしょう。それに加えてフレームメーカーなどの文書作成ソフトやページメーカーなどのDTPソフトも使えるようになっておくことをおすすめします。

英日翻訳の場合、原文がそのようなソフトウェアで製作されていることもありますので、それらのソフトウェアを使いこなすことができれば、それらのソフトウェアを使ってそのまま翻訳することも可能になります。

またTradosなどの翻訳支援ツールも多くのところで使用されています。将来的にプロの翻訳者として仕事の幅を広げていこうと思っているのであれば、できる限り多くのソフトウェアに触れておくことも大切な仕事と心得ておきましょう。

翻訳者に求められるスキルと心構えまとめ

今回のコラムでは、翻訳者デビューに必要な心構えやスキルについて説明しました。プロの翻訳者としてより多くの仕事をこなしていくためには、日々の実践と翻訳に対する学びの継続がキーポイントとなります。

また情報のアップデートを常に欠かさないことも大切です。特にテクニカル系の翻訳ともなれば日々新しい技術が導入されていますので、専門分野の知識を常に更新し続けなければなりません。専門分野の幅を少しずつ広げていくことができれば、新しい分野の翻訳依頼につながるかもしれません。

翻訳に対する需要やマーケットも日々変化しています。自分の専門分野を掘り下げながら、広い視野で変化を感じ取れるようにしておきましょう。特にフリーランスとして活動するのであれば、これは大切な要素です。

機械翻訳の技術なども進んでいますので、翻訳支援ツールなどに対する理解も深め、積極的に活用するようにしましょう。常に付加価値の高いサービスを提供できるプロの翻訳者を目指してください。

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