ご利用企業インタビュー

株式会社国土ブレーンワーク

時代の流れに沿ったサービスを提供する

実務翻訳には、仕事を依頼する企業のニーズに沿って、必要とされるサービスを提供していく使命があります。創業22年の国土ブレーンワークも、時代の流れとともに変化するお客様のニーズに応える努力を続けながら、幅広い分野に対応できるように成長を続けてきた翻訳会社です。

創業当初より数多く手がけてきた、同社の柱となる分野のひとつがマニュアル翻訳です。日本の企業が製品を輸出する際に添付するマニュアルの日英翻訳を長年にわたり請け負ってきました。

マニュアル翻訳では、英文マニュアルだけでなく、輸出先の国ごとにヨーロッパ言語やアジア言語など、多言語への翻訳を依頼されることが徐々に増えてきました。その都度、ニーズに応じて日伊、日仏など個別に翻訳者を探して対応していた時期もありましたが、現在はスペイン、上海の現地翻訳会社と提携関係を結ぶことにより、ヨーロッパ言語、アジア言語への翻訳もスムーズに行えるようになり、多くの需要に応えています。

また、ここ数年、同社で受注が伸びてきた分野に特許翻訳があります。世の中のグローバル化が進み、海外市場に進出を考えるお客様からの「特許翻訳には対応できないか?」という相談を受けスタートしたわけですが、特殊な分野だけに、情報や知識の蓄積に力を入れてきました。

フィードバック重視で翻訳の質を上げる

同社では以前から、翻訳品質向上のためにお客様からのフィードバックを次の翻訳に生かすことを重視していましたが、特許翻訳ではそうした声を集めやすくするために「評価シート」というより具体的なシステムで行うようにしました。

お客様の声というのは、こちらが聞き出す努力をしないと聞こえてこない場合があります。評価シートを付けることで、“特に間違いではないので言わなくてもいいが、ちょっと気になっている”ようなお客様の細かな要望までもくみ取りやすい状況を作り上げたのです。

また、特許を専門としているコンサルタントを外部スタッフとして起用し、不明点が出てきたときにはその都度確認しています。そうして得られた情報は必要に応じて翻訳者と共有し、より質の高い翻訳を提供できるような体制を整えてきました。

翻訳者に関しては、新たに特許翻訳の経験が豊富な人材を採用する一方で、従来の登録翻訳者の方に特許翻訳の勉強をしてもらい、同社のサポート体制の中で実績を積み上げていただいた、というケースもあります。

もともとマニュアル翻訳の受注が多かった経緯もあり、DTPや印刷といった翻訳に付随するサービスを提供している点も同社の特長です。DTPは最近はパソコンひとつで簡単に行えるようになりましたが、10数年前、まだ写植と呼ばれる技術で印刷のもとになる版下を制作していた時代からこれらの業務を請け負ってきており、やり方が大きく変わった今も、それを担うしくみを継続して持ち続けています。

登録翻訳者となるためのトライアルは、アメリアの「JOBINDEX」、自社HP、各種翻訳雑誌などを通して常時応募を受け付けています。ほぼ毎日のように応募がありますが、一番多いのはアメリア経由で、全体の7、8割を占めています。合格者は100名中1、2名と厳しいものですが、その多くが「誤訳をしているわけではなく、あと一歩」という方だとか。そのあと一歩が結構たいへんなのですが、そのために何をすればよいのか、トライアル担当者の方にお話を伺いましたので、下欄の「スタッフからひとこと」を参考にしてください。

お客様のニーズを間違いなくくみ取るという点では、お客様と接している営業担当者と、翻訳者と接して翻訳物の管理をしているコーディネーターとの連携が重要になってきます。そこで同社では、十年以上前から独自の管理システムを構築し、管理作業の効率化を図っています。

社内LANに構築した受注管理データベースに、まず営業担当者が仕事を受注するごとに制作管理表を作成します。それに沿ってコーディネーターが翻訳スケジュールを組み、DTPなど制作スタッフが制作スケジュールを組みます。また、社内スタッフや登録翻訳者のスケジュール管理もデータベース化されており、現在どの翻訳者が空いているか、すぐに検索できるようになっており、効率よく発注業務も行えるのです。

「日程管理やコスト管理は手間が掛かる仕事ですが、同時に非常に重要な仕事です。これらを支援システムを使って効率化することによって、翻訳の品質管理の仕事にいっそう注力できると考えます。もちろんシステム構築にはかなりのコストがかかっていますが、仕事にはぜひ必要と判断し、投資をしています」(石田氏)

トライアルの採点というのは、翻訳会社にとって結構手間のかかる作業です。応募いただいた方にトライアル用の英文をお送りし、送られてきた訳文を採点者に回して採点してもらい、合否の結果を、弊社の場合はなるべく採点者からのコメントも添えてお返しし、合格者の方とは契約書を交わし、得意分野などをお聞きして今後の方針を決めていくことになります。

手間のかかるプロセスではありますが、登録翻訳者は当社にとって財産ともいえる存在であり、また時代の流れに沿って変わりゆく翻訳業界において、新たに必要な人材を探さなければならないという状況は常にありますので、非常に重要な作業だと考え、ほぼ毎日メールをいただくトライアル希望者の方には、なるべく迅速にお答えするようにしています。

さて、このようにして受けていただくトライアルですが、合格者は100人中1、2人というのが現状です。不合格になった方の中には、「自分の翻訳は絶対に間違えていないはずだ。どうして不合格か」と思われる方がいらっしゃるかもしれませんが、翻訳が正確である、ということを合格の基準にしたとすれば、おそらく7、8割の方を合格にしなければならないでしょう。弊社の設ける合格基準というのは、正確な翻訳であることは当然のこととして、もうひとつ上のレベル、商品価値のある翻訳なのです。

では、商品価値のある翻訳とは何か。私は、例えば和訳なら“読みやすい日本語”“自然な日本語”だと考えます。いただいたトライアルの訳文の中には、確かに間違えてはいないけれど、何度か読み返さなければ内容が理解できないような文章もあります。それでは商品としては失格なのです。

英語と日本語は、違った文化から発祥している言語ですから、語彙にしろ文法にしろかなり違います。例えば、「head」の訳語はいつも「頭」でいいかというと、そうではありません。「head」は首から上すべてを指しますので、必ずしも「頭」とイコールではないのです。翻訳では、そのあたりをわかった上で、文脈に沿った正しい訳語を選んでいかなければなりません。

とはいえ、あともう少しで合格なのに、という方が大勢いらっしゃるのは現実です。ご自身で弱点を見つけて克服し、何度でもチャレンジしていただきたいと思います。弊社のトライアルは実力重視です。経歴書は、合格が決まった後に得意分野を確かめるために見る程度です。これから実務翻訳者として頑張りたいという方のご応募を歓迎しています。