ご利用企業インタビュー

株式会社インジェスター

アジア言語を中心に翻訳通訳サービスを

インジェスターはインジェスターは韓国語、中国語などアジア言語を中心に欧州言語まで幅広く、翻訳通訳業務を展開する会社です。設立は2002年。ちょうど韓流ドラマが流行の兆しを見せ始めた頃で、同社もその流れとともに発展してきました。

業務内容は主に4つ。「通訳・翻訳サービス」では、韓国ドラマの日本語字幕制作を中心とした映像翻訳、英韓中のビジネス翻訳、また近年では外国人旅行者の誘致を図る日本企業を翻訳や通訳のスキルを駆使してサポートするインバウンド支援分野でも実績を上げています。

「ヒューマンリソースサービス」では人材の派遣・紹介を行っていますが、その特徴は派遣スタッフ全員がマルチリンガルであること。例えば国際空港や人気商業施設での販売支援、インフォメーション・サービスや観光地での通訳ガイドなど、日本語の他に英語や韓国語、中国語を流暢に話せるスタッフが活躍しています。

「教育研修サービス」では、法人向けの出張語学研修(英語、韓国語)、韓国語講座や韓国語映像字幕翻訳者の育成講座を行ってきました。

さらに新たなサービスとして、日本を訪れる外国人旅行者の購買動向調査をはじめとする「リサーチ&コンサルティングサービス」や、外国人旅行者に対してホテルなどの手配を行う「旅行サービス」なども今後、強化していく予定です。

今後ますます分野が広がる韓国語映像翻訳

本社勤務の社員は現在15名。そのうち3名とアルバイト1名が翻訳業務を担当しています。社員には韓国語ネイティブや中国語ネイティブも多く、言語だけではなく文化にも精通しているところが同社の特徴です。

主に韓国語の映像翻訳を担当しているイン イェニさんは、韓国の大学で4年間日本語を学んだ後に日本に住んで働くようになり7年になります。「韓流がブームになり始めたばかりの頃は韓国語字幕翻訳者の数が足りず、韓国語翻訳者が訳したセリフを、英日字幕翻訳のプロがルールに則った字幕にリライトすることで対応していました。同時に字幕翻訳講座を開いて韓国語の字幕翻訳者育成を始め、5年を経た今では数多くのプロが誕生しています」(インさん)

韓流は一時のブームは去り、数年前と比べると縮小傾向とはいうものの、CS 放送だけでなく最近では地上波でも放映されるようになりました。幅広い層に定着した感があり、引き続き安定した需要が見込めます。「韓流の最近の傾向は、ドラマだけでなくミュージシャンや女性アイドルの人気が高まっていること。今後はバラエティや音楽番組の字幕・吹替翻訳の需要があると思います。韓国語翻訳者の方には、そちらの分野の知識も身につけて、準備を整えていただければと思います」(インさん)

守備範囲を広げて新たな人材も積極的に採用

登録翻訳者の募集は、同社のHPやアメリアWebサイトより行っています。現在、韓日字幕翻訳の実績をもとに、英日字幕、さらには英日・韓日の吹替翻訳にも守備範囲を広げはじめており、ここ半年間でアメリアを通しての英日翻訳者採用も増えてきています。

「登録翻訳者については、時期は決まっていませんが、だいたい年に1回程度、アメリアを通じて募集しています。また、具体的な案件があって、その分野に強い翻訳者さんを探しているときは『会員プロフィール検索』も利用させていただいています」と同社の英日字幕翻訳の案件を担当する吉田裕子さん。実は吉田さんもアメリアの求人情報を見て応募したひとりです。「オンサイトで働き始めて1年半になります。オンサイトで働きながら経験を積めるのは非常にありがたいです」(吉田さん)

さらに、韓流の次は華流ブームが来るのでは、とそちらの準備も進めているといいます。まだまだ若い会社だけに、さまざまな分野へのチャレンジ精神旺盛。今後の広がりが期待できます。

 翻訳は、言葉の橋渡しをする以上に、文化的な橋渡しをすることが重要であり、それが同社が最重要視し、目指しているところだそうです。

「言語的な壁のみならず、文化的な誤解から生じるストレスを解消し、真の意味での多文化交流をすることが弊社の果たせる役割のひとつだと思っています」(インさん)

違う文化を持つ者同士が相互理解をするためには、ただ単に言葉を置き換えるだけでは十分ではありません。翻訳者が文化の違いをきちんと理解し、それを踏まえた上でサービスを提供できるかどうかが重要です。

例えば、韓国ドラマにはよくワカメスープを飲むシーンが出てきます。韓国では母体に良いという理由で出産後は毎食ごとにワカメスープを飲み、そこから生じて毎年誕生日にも母に飲ませるために作り、従って家族全員が飲む習慣があるのだといいます。

「だから韓国ドラマの中で『今日はワカメスープを飲む日ね』というセリフは、『今日は誕生日ね』という意味を持っています。本当によく出てくるシーンですから、韓流ファンの方ならご存じのはず。でも地上波で幅広い層の方が見る場合は直訳では通じません。その後もワカメスープの話題が続くのでない限り、ワカメスープという単語を出さずに『今日は誕生日ね』と訳すことも時には必要になってきます」(インさん)

隣の国ではありますが、文化の理解という意味では、距離的に遠い英語圏よりも情報が少ないのが現状です。そこを考慮しながら、どううまく翻訳するかが重要なのです。


まず基本的なことですが、納期を守っていただきたい、というのが一番のお願いです。それから、納品後にお送りするフィードバックに敏感になっていただきたいです。

納品後にチェックを行い、その結果いろいろなフィードバックをさせていただく機会が多いのですが、それに対する翻訳者さんの反応は実にさまざまです。毎回、自分のほうからフィードバックをくださいとおっしゃられて、内容をよくチェックして次回に反映させてくださる方もいれば、返した内容を読んでいだいていないのか、次も同じ間違いをしてくる方もいらっしゃいます。

やはり、その後の翻訳力の向上の度合いがまったく違ってきますので、フィードバックを気にする方には、今後もどんどんお仕事をお願いしたいと思いますね。また、裏取りや、納品していただいた後の修正依頼などに丁寧に対応していただける方にも、もっとお仕事をお願いしたいと思います。

最近はメールや電話で事がすんでしまうことが多く、われわれが翻訳者さんと直接会う機会はほとんどありません。翻訳会社とクライアントの関係、あるいはチェッカーさんとの関係でも同じことが言えますが、お互い“仲良くなる”ことができれば仕事上もよりよい関係が築けるようになると思います。接しやすくなり、よい意味でお互いに仕事上の融通が効くようになると思うのです。

翻訳、チェック、コーディネートなどスタッフにはそれぞれの役割がありますが、最終的な目標は、よい翻訳物を作り上げるというところだと思います。それを目指してうまくコミュニケーションを取っていただける方々と、今後もいっしょにお仕事していければと願っています。

お仕事をしていて少し残念に思うのは、受け身の方が多いということです。フリーランスの翻訳者さんも、仕事の依頼を待つだけでなく、もう少し積極的にいわゆる営業活動をしてもよいのではないでしょうか。フリーランス翻訳者は、翻訳者であると同時に個人事業主という経営者でもあります。積極的な方にお会いすると、積極的にお仕事をお願いしたいな、という気持ちになります。