ご利用企業インタビュー

メディア総合研究所

1975年創業の翻訳会社と、企業のソリューション支援を行なうITコンサルティング会社が、縁あって2001年にひとつになり、誕生したのがメディア総合研究所です。現在は、翻訳事業とIT事業を二本柱としつつ、語学教育事業、映像事業、出版・Web・DTP 事業など、多角的なメディア発信企業へと拡大を続けています。

さて、翻訳事業部について詳しくご紹介しましょう。スタッフの数は約50名。営業部と制作部がおよそ半分ずつの構成です。前身の翻訳会社創業時より30年以上の実績があり、官公庁、医薬関係を中心に、金融、機械、電気分野など、実務翻訳を幅広く請け負っています。

登録翻訳者は、語学教育の修了生を登録する一方で、年間を通じてホームページで一般募集をしています。一般応募者は、ホームページに用意されている「応募用紙」をダウンロードしてアンケートに必要事項を記入し、メールに添付して送ります。アンケートには、得意分野、実務経験、自己アピールなどを書き込むようになっています。このアンケートによって書類審査が行われ、登録翻訳者の補充が必要なときにトライアルが行われます。

「語学力、翻訳力と同じくらい、実務経験は重要だと考えています。業界用語を知っている、契約書や財務諸表といった書類を扱ったことがある、といったことは、翻訳の仕事にすぐに役立つことになりますから。むしろ翻訳力に関しては、フォローもできますし、仕事をしながら成長していっていただけるとも思っています」(翻訳事業部担当部長・丹野広氏)

IT事業部がある関係で、最近はIT分野の翻訳の案件が増えており、登録翻訳者のニーズがあるといいます。

「特にITは日進月歩の世界です。ハードウエアなどの最新情報に詳しい方は、そうそういらっしゃるものではありません。IT分野に詳しい翻訳者を常に求めています」

メディア総合研究所では、毎年約60名の翻訳者が新たに登録されています。実際の仕事になると、翻訳者とのコミュニケーションは、ほぼ100%メールや電話でのやり取りになるので、最初の登録時にはなるべく直接顔を合わせての説明会、面談を行うようにしているとのことです。

登録説明会は年に2回行なっています。遠方で来られない方を除いて、4、50名の方が出席します。説明会では、翻訳会社として翻訳者に求めることなど、会社の方針が伝えられ、その後、個々の方と面談を行います。

「我々がみなさんと一度お会いしておきたいということもありますが、翻訳者のみなさんもそのようなご要望をお持ちではないかと思います。やはり、会ったことがあるのとないのとでは、後々のコミュニケーションが違ってくるように感じます」(丹野氏)

現在、登録されている翻訳者の数は約1000名。ただし、実際に稼働しているのは2〜3割程度。スケジュールの都合や得意分野にたまたま依頼する仕事がなかったり、あるいはコミュニケーション不足だったり、理由はさまざまですが、次第に疎遠になる翻訳者がどうしても出てくるからです。

「新しい方を採用するのには時間も労力もかかります。せっかく合格して登録していただいた方がいらっしゃるのだから、できるだけ仕事をお願いしたい。そんな思いから、現在の状況を尋ねるアンケートをお送りするようにしています」

登録から日数が経っていれば、状況が変わっていることも考えられます。アンケートの返事が届いた方に、再び仕事を依頼するようになったケースも少なくないということです。

また、登録翻訳者のなかから、オンサイトで働ける方には社内チェックの仕事をお願いすることもあるそうです。そして、主に社内スタッフを対象に、翻訳に関する勉強会を開いています。例えば、チェックの仕事をうまく進めるための『校閲勉強会』など。ベテラン社員、あるいは社外の講師を招いて講演を行います。

「社員はもちろん、ときには登録翻訳者の方にも声をかけて参加していただいています。日頃はひとりで仕事をしているフリーランスの方に好評でした。今後もさまざまな勉強会を開く予定です。

メディア総合研究所のメディア事業部では、2005年より視聴者参加型のオンライン国際短編映画祭「CON-CANムービー・フェスティバル」を主催しています。今回で第5回目となるこの映画祭では、世界50カ国より集められた550作品の中から厳選した80作品をインターネット上で無料公開。国際審査員による選考でグランプリ1作品、準グランプリ2作品が決定されます。

専門家の審査のほかに、視聴者がウェブサイト上で作品を鑑賞し、視聴者賞を選出するシステムになっているため、配信映像には字幕翻訳がつけられています。これまで当社では映像翻訳の実績がなかったため、ここ数年、新たにフリーランスの字幕翻訳者の募集を行ってきました。

映画祭は今後も毎年開催の予定です。字幕翻訳家の募集はアメリアWebサイトで告知されますので、お見逃しなく。

また、メディア事業部では他に書籍出版も手がけています。翻訳書では『ナニー911:お父さんお母さんのための子育て110 番!ハウス・ルール編』などがあります。出版点数はまだそれほど多くありませんが、今後に注目です。


翻訳事業部担当部長 丹野広さん

翻訳会社として最も重要なことは、やはり品質です。ただし、品質といっても、クライアントによって求めるものはみな違うと思います。

まず重要なのが、つまらないケアレスミスをしないこと。ミススペル、誤字脱字、訳抜けなどは、あってはならないですし、技術文書の場合、数字が散りばめられていることが多く、この数字の換算や桁の間違いなどにも気を付けていただきたいです。

それから、意外と盲点なのが、お客様の会社名。難しい構文や専門用語はきちんと調べているのに、お客様の会社名をうっかり間違えていた、ということは少なからずあります。こうした間違いがないように、品質管理部ではミスがないことを第一に目指しています。

とはいえ、なかには『社名の間違いなんてすぐに気づくから適当でも大丈夫』というお客様もいらっしゃいます。お客様が、翻訳した文書を何に使うのか、どのくらいの品質のものを求めているのかを確認し、その情報を翻訳会社と翻訳者さんとで共有することが重要だと考えます。

仕事はいつも限られた時間内で行うことを要求されますが、人間のやることですから限度があります。効率よく進めるためにも、前段階での打ち合わせが重要になってくると思います。