ご利用企業インタビュー

株式会社翻訳センター

業界最大手の総合翻訳会社

翻訳センターは、1986年に医薬専門の翻訳会社として製薬会社が数多く集まる大阪市北区の地に誕生しました。その後、翻訳分野を医薬のみならず、工業、特許、金融と広げていき、また地域も大阪から出発して、東海地区、関東地区へと拡大していき、現在のような業界最大手の翻訳会社へと成長しました。2009年3月期で、年間売上高45億円(国内1位)、社員数227人、登録翻訳者数約3800人、年間受注件数3万9300件を誇っています。

日英、英日翻訳が全体の8割を占めますが、残りの2割は中国語、ドイツ語、フランス語からウクライナ語やヘブライ語に至るまで、約60カ国の言語に対応しています。2006年にアメリカ・カリフォルニア州、2008年には中国・北京市に子会社を設立して営業を開始。その効果もあってか、英語に次いで最近では中国語の依頼の増加が顕著です。

翻訳分野は、ローカライズを除き、産業翻訳のあらゆる分野を網羅しています。新しいところでは、アメリカの子会社、HC Language Solutions, Inc. を中心に、ゲーム翻訳などメディアコンテンツの翻訳にも力を入れています。

また、2008年には翻訳者や通訳者を派遣する子会社HCランゲージキャリアを設立し、翻訳、通訳に関するあらゆるニーズに応えています。

登録翻訳者には社会経験を重視

社内に数名の翻訳者がいますが、社員の多くはコーディネート業務を行っており、翻訳は外部の登録翻訳者が受け持っています。登録翻訳者の募集は、基本的に年間通してウェブサイトや、またアメリアのJOB INDEX からも行っています。

トライアル応募には“3年以上の経験”の条件があり、まず書類を提出し、書類審査を通過した方がトライアルに進みます。トライアルの合格率は2009年3月期で54%でした。「経験というのは、フリーランスの翻訳者としてではなく、社内翻訳者や、翻訳会社のチェッカー、コーディネータ業務を含めて3年程度ということです。以前は経験問わずで募集していましたが、やはりある程度の社会経験がないと産業翻訳を行うのは難しく、合格する方は経験者の方ばかりだったこともあり、この条件を加えさせていただきました」(経営企画室グループ・マネージャ 相津美樹さん)

「トライアル採点のポイントは3つ。1つめはその分野における基本項目をきちんと抑えられているか、2つめは内容を把握して翻訳しているかどうか。トライアルの課題は短いので、あまり知識がなくても何とか訳せてしまうものです。でも、この2つのポイントは必ずチェックしますので、中途半端な知識や理解では合格はできません。そして3つめは、こなれた文章かどうか、です。ただし、こなれた文章ではなくても、最初の2つのポイントがクリアできていて、将来性が感じられる方であれば合格とする場合もあります。仕事をしながら、ブラッシュアップしていっていただきたいと考えています」(経営企画室グループ・マネージャ 西村健二さん)

なお、登録翻訳者以外で、オンサイトの翻訳者の募集も不定期に行われています。募集はウェブサイトで告知されますので、興味のある方はチェックしてみてください。

翻訳者は専門性を深める努力を

翻訳はこれまであまり景気に左右されることのない業界だといわれていましたが、このところの景況感で昨年はやはり企業からの依頼が減っている、案件が小口化しているという現実があるようです。そうなってくると、翻訳者にも不安が広がるようです。

「フリーランスの翻訳者として10年20年実績のある方からも、『分野を広げた方がいいでしょうか?』などとご相談を受けることがあります。これまで工業分野を専門としてきたのに、どうも医薬の方が安定しているようだから、そちらの勉強をしようか、と悩まれているのです。

そんなとき私は、専門性を広げることが逆にリスクになることもあるので、例えばエネルギー関係を専門とされていた方なら、次世代エネルギーや環境問題を勉強するといったように、むしろ自分の専門分野に磨きをかけたほうがよいのでは、と申し上げるようにしています。」(経営企画室アシスタント・マネージャ 敦巻千里さん)

今まで忙しく仕事に追われていたのに、依頼が減って自由な時間ができ、不安な気持ちは十分に理解できますが、企業側のニーズはなくなったわけではなく、経費節減の折り、すべてを依頼できずに最重要なものから依頼している、というのが現状です。景気が回復すれば、かならず翻訳の依頼も戻ってくるはず。そのとき、一気にエンジンが掛けられるように、今の時期は我慢しながら自分の専門分野の知識を深め、準備をしておくのがよいようです。

わが社のここが自慢!

同社では2003年より全社オンラインの「SOLA」という基幹業務システムを採用しています。

これは、翻訳者の専門分野・実績・スケジュールなどをデータベースで管理するもので、これを活用することでコーディネータはいつでも翻訳案件にマッチした翻訳者を効率よく見つけ出すことができるのです。

「弊社にはコーディネータが約100名います。大人数なので、情報を共有するための仕組みが必要でした。SOLAの運用を始めて丸7年が過ぎ、データベースはますます充実してきています」(敦巻さん)

翻訳者の個人情報にまつわるデータですので、翻訳センター内のみでの活用ですが、翻訳者に了承を得たうえで、グループ会社の案件を紹介することもあるといいます。

スタッフからひとこと 第一関門は注意事項を守ること

「トライアル受験を希望されている方へ、応募の際には弊社ウェブサイトに掲載してある注意事項や、お送りする受験案内をよく読み、遵守したうえで応募していただきたいですね。実際にお仕事をしていただくことになると、クライアントから翻訳時の注意事項や要望が多く届きますが、トライアル受験時の注意事項が守れない人は、そうしたクライアントからの要望も翻訳に反映させてもらえないのでは、そう思ってしまいます。ですから、トライアル受験の段階で注意事項を守っていただけない方は、いくら翻訳の実力をお持ちでも、合格とはならない場合があります。

そんな簡単なこと、と思われる方も多いでしょうが、守っていない方が結構いらっしゃるのが現実です」(西村さん)

翻訳にもサービス精神が必要

「実務翻訳では、どの分野でも常に新しい事柄、用語が出てきますので、既に翻訳の仕事を始められている方でも、勉強を怠らないことが重要だと思います。常々弊社では、行っている業務は、翻訳業ではなく“翻訳サービス業”だと認識しています。正しい翻訳とは何か、という議論がありますが、クライアントの依頼を請けて行う実務翻訳では、お客様が望まれるものが正しい翻訳であると解釈します。例えば、契約書のように比較的変化が少ないと思われる文書でも、「最近はこういう言い方が好まれる」といったことがあります。あるいは、「このお客様に限っては、こちらの表現を好まれる」といったこともあります。そうしたことに柔軟に対応していただける、サービス精神のある翻訳者さんと一緒にお仕事できればと思います。

お客様の好みに合わせるというのは、特に新人翻訳者の方には難しいことだと思いますが、弊社ではコーディネータがそのあたりをサポートするように配慮していますので、翻訳者の方には、「自分の翻訳は間違えていない」と頑なになるのではなく、柔軟性をもって、臨機応変に対応していただければと思います」(相津さん)

左から、経営企画室グループ・マネージャ相津美樹さん、西村健二さん、アシスタント・マネージャ敦巻千里さん