ご利用企業インタビュー

株式会社テンナイン・コミュニケーション

メッセージを心に届ける、それが通訳・翻訳

テンナイン・コミュニケーションの設立は2001年7月のこと。主に通訳のコーディネーション11年の実績を持つ社長の工藤紘実さんが、自身の思いを実現させるために興した会社でした。「言葉は常に進化し続けています。使われなくなる言葉もあれば、新たに生まれる言葉もあります。ですから翻訳者や通訳者がどんなに素晴らしい仕事をしても、いつも『ここはこうすればよかった』『次回はこうしよう』という課題が出てくるのです。言葉を単に訳すのではなく、言葉の裏に隠された意味や背景など、時代を反映させていく、それが翻訳・通訳だと思います。言葉に込められたメッセージを、きちんと相手の心に届けること、そのミッションを遂行するために会社を立ち上げました」(代表取締役工藤紘実さん)。そしてその思いは、同社の掲げる“Helping you communicate better”という英文に込められているのです。

通訳・翻訳・人材派遣の三本柱

会社を始めて1年間は、自身の経験がより多かった通訳サービスを主に行っていましたが、取引先企業から「翻訳もできないか?」と聞かれることが多くなり、2年目から本格的に翻訳サービスも始めました。

通訳と翻訳はスキルは違うけれども、言葉を情報価値に変えるという意味では同じです。真の意味でのコミュニケーションサポートをしていきたいと、通訳・翻訳の両方のサービスを提供するようになり、現在では通訳:翻訳を6:4の割合で受注しています。

もう一つ、同社が展開するサービスとして、人材派遣があります。これは、企業のニーズに応じて、通訳者、翻訳者、あるいは両方できる方を派遣するというもの。「最近は機密保持が厳しくてドキュメントを社外に出せないケースが多くなっており、翻訳者派遣のお問い合わせを多数いただいています」(工藤社長)

現在、社員数は14名。うち翻訳部は5名のコーディネーターで担当しています。登録している外部スタッフの数は、翻訳、通訳あわせて約3400名。うち600名が英語以外の言語だそうです。英語の次に多いのが中国語。その他、フランス語や韓国語など28言語に対応しています。

「翻訳する文書は、契約書やプレゼン資料、就業規則などの社内文書がメインですが、会社案内、企業ホームページ、学術論文などの依頼も少なくありません。近年の特徴として、外資の参入により、日本企業の中にも外国人の取締役が配置されるようになり、そのため社内文書をすべて英訳する必要が出てきた、といったことがあります。また、最近特に力を入れており、ご依頼が増えている分野は治験翻訳です。治験翻訳経験者、経験はないけど、将来医学専門の翻訳者を目指している方はぜひテンナインにご登録ください」(通訳・翻訳部シニア・コーディネーター船越重子さん)

翻訳者から選ばれる翻訳会社であるために

登録翻訳者は同社の会社HP と運営するコミュニティサイト、アメリアのJOB INDEXから募集しています。トライアル受験には特に条件はありません。必須(一般文書)と選択の課題を訳して提出します。在宅翻訳者としてすぐに仕事を依頼できるレベルでの合格者が1割。あと1割程度、ポテンシャルがあり、一般文書やオンサイトの仕事からお願いしたいと思える方がおり、その旨伝えて、同意のうえで登録をしているとのことです。

「翻訳者は真のプロフェッショナルです。ですから、コーディネーションにもプロフェッショナルを求められます。万が一私たちが手を抜いていい加減な調整をすれば、翻訳者にはすぐにわかってしまうでしょう。最高の翻訳ができるように、事前に資料をそろえたり、情報をシェアするのが私たちコーディネーターの仕事です。翻訳者には仕事や翻訳会社を選ぶ上で自分のパフォーマンスを発揮でき、スムーズに仕事ができる会社を選ばれるのがいいのではないでしょうか。私たちは翻訳者に選ばれる会社になるよう、スタッフ一同心がけています」(工藤社長)

わが社のここが自慢! 最高のコーディネーションをするために

心の通じるコーディネーションをモットーとしている同社では、他社に負けない4つのサービスがあるといいます。工藤社長に4つの特長とその真意を伺いました。

1)クイックレスポンス その日のうちに返事、では十分ではありません。30分、1時間以内の対応を心がけています。

2)高い専門性 通訳・翻訳登録者数は約3400名と業界内でもトップクラス。また英語以外の言語を専門とする方が600名と多いのも特長です。あらゆる言語、あらゆる分野をカバーしています。

3)抜群のコーディネーション コーディネーションは無形のもの。私自身、20年ほど従事してきており、登録翻訳者の方が高いパフォーマンスを発揮できるよう、ノウハウを蓄積・改善してきました。

4)長期的パートナー 弊社のお客様はリピート率が高いのが特長です。案件のたびに翻訳者を変えるのではなく、同じクライアントの仕事は数名の決まった翻訳者の中から選ぶようにしていますので、この翻訳者チームの一員になれればコンスタントに仕事をお出しできますし、用語の蓄積ができるなど翻訳者自身のスキルアップにもなると思います。

スタッフからひとこと 翻訳者の能力を最大限引き出すコーディネーションを

登録翻訳者の方は、クライアントから依頼された翻訳というひとつの成果物をいっしょに作り上げていく仲間。だからこそコーディネーター一人ひとりが登録翻訳者との日頃のコミュニケーションをとても大事にしていると工藤社長は言います。

「登録翻訳者の方は、数あるエージェントのなかからテンナインを選び、トライアルを受けてくださったのですから、弊社と仕事をしてハッピーだった、ちょっと面白かった、あるいは苦しかったけれどもスキルアップに繋がったからやってよかった、などと思ってもらいたい。私たちコーディネーターも、仕事にベストマッチした翻訳者さんにお願いすることによって、お客様にも喜んでいただき、ご満足いただく、そんな、相乗効果のある仕事をしたいと願っています。そういうベストマッチングの調整ができれば、コーディネーター冥利に尽きるというもの。これからも全力で翻訳者の皆さんをサポートしていきますので、時には苦しい仕事もあるかもしれませんが、お互い気持ちよく仕事ができるように、よきパートナーとして高めあっていきましょう」(船越さん)

「翻訳者さんは、皆さん得意分野をお持ちで、その分野のお仕事をお願いすることが多いのですが、訳文を拝見して『こっちの分野もいけるのでは?』と思うことがあります。実際に打診すると、それをチャンスと受け止めてお引き受けいただける方も多く、結果上がってきた訳文が素晴らしくて、ご自身の分野拡張に繋がった、というケースもあるのです。ですから翻訳者の皆さんには、分野外だからと尻込みせずに、お願いしたときにはぜひチャレンジしていただきたいと思います」(中岡さん)

最後に通訳・翻訳部シニア・コーディネーターであり同社の取締役でもある渡邉美千代さんから、厳しいながらも温かいアドバイスをもうひとついただきました。

「翻訳は在宅ででき、プライベートと両立できるのが魅力と始める方が多いという事実があります。もちろん、その通りなのですが、ときには自身の時間や都合を犠牲にしても仕事に取り組むことでステップアップできるということがあります。特に新人の頃は、仕事を選ばずに、多少無理をしてでも仕事をすることが経験や自信となり、その後の自分を支えてくれます。厳しいかもしれませんが、それも翻訳者として成長するために必要なことだと思います」

前列中央が工藤社長。ほか翻訳部コーディネーターの皆さん