ご利用企業インタビュー

株式会社産業経済新聞社

株式会社産業経済新聞社毎日配信される記事をオンサイトで翻訳する

産業経済新聞社は皆さんご存じの通り「産経新聞」を発行する新聞社です。その他、新聞では日刊紙「SANKEIEXPRESS」、スポーツ紙「サンケイスポーツ」、夕刊紙「夕刊フジ」、デジタル版の「MSN 産経ニュース」、雑誌では「正論」「月刊Tvnavi」などを発行しています。

アメリア会員が翻訳者として活躍している媒体は、2008年10月に新創刊された総合ビジネス金融紙「フジサンケイビジネスアイ − Fuji Sankei Business i −」です。全48ページのタブロイド版ビジネス紙で、うち8〜10ページを大手情報メディアの米ブルームバーグや、国際分析期間の英オックスフォード・アナリティカから配信される海外ニュースが占めています。1日5,000本超も配信されてくる中からデスクが厳選した記事を、オンサイトで訳して日本語の記事に仕上げるのが翻訳スタッフの仕事です。その記事の内容は、金融・経済を中心に政治や文化(グルメ・スポーツ・ファッション等) にまで及んでいます。

A4、3枚を4時間以内で訳せるスピードを

翻訳スタッフはオンサイト9名、在宅5名の計14名で、このうちオンサイト9名中7名がアメリアの「JOBINDEX」を通して採用されたアメリア会員です。

仕事の流れは次の通りです。

午前中に配信された海外ニュースの中から、編集部の上席スタッフが掲載するものを選びます。翻訳スタッフの得意分野や翻訳スピードなどを考慮して、それらの記事が各翻訳者に割り振られます。翻訳スタッフは毎日午前10時頃出社してスタンバイしており、記事が配られるとすぐに翻訳に取りかかります。

「1 面の記事でだいたい14字詰め100行程度。原文はA4用紙に3枚程度です。これを翻訳者は平均4時間程度、速い人なら2〜3時間で日本語記事に仕上げます。そこから何度か推敲を繰り返し、最終的に紙面に載せる記事に仕上げます。翻訳者の勤務時間は毎日8時間程度です」(東京本社 編集局経済本部 松本良一次長)

トライアル応募は実務経験ゼロでもOK

創刊時にはアメリアの「JOB INDEX」以外にも、インターネット等で翻訳者の募集を行ったそうです。「応募数も応募者のレベルも、アメリアが他のどの媒体よりも上回っていました」(松本さん)。結局いまでは募集はアメリアのみで行っています。最近は欠員が出たときに募集をするので不定期ですが、だいたい半年に1回、1〜2名が採用されています。

アメリア会員 活躍中!
翻訳スピードは1年半で2倍以上 経験を生かしてフリーランスに 辻 仁子さん辻 仁子さん

JOB INDEX でこちらの案件を見つけたのが1年半前。実務翻訳の中でも、ニュースの翻訳は題材がさまざまなので、幅広い知識を養えるのではと考え、この仕事に応募しました。実際にやってみると、新聞記事ということで表記のルールなど覚えることが多くたいへんでした。また金融の専門用語にもなじみがなかったので、最初のうちは苦労しました。

実は、転居を機にオンサイトの仕事は辞めざるを得なくなったのですが、この1年半の間に、金融はじめ多くの知識が得られ、英文を読むスピードも上がりました。翻訳スピードは、初期の2〜3倍にはなったのではないでしょうか。得るものが多い1年半でした。今後も学んだことを生かしてフリーランスの実務翻訳者として仕事を続けていきたいと考えています。

翻訳実務経験ゼロからのスタート あらゆることを吸収したい 兼崎 麻子さん兼崎 麻子さん

私は2010年4月に採用されて仕事を始めたばかりです。以前、金融機関に勤めていたので多少知識はありますが、限られた分野のみの知識でしたので、幅広い金融記事に触れながら金融全般について詳しくなりたいと思っています。 

前職では、翻訳は業務の一つとして時々行っていた程度で、実務の経験はほとんどありませんでしたので、翻訳スピード、日本語表現など、学ばなければならないことばかりです。まだ始めたばかりで、自信を持って訳しているとは言えませんが、どのようなスタイルであれ翻訳者としてずっと長く仕事をしていきたいと思っていますので、今は一つでも多くのことを学びたいと思っています。

スタッフからひとこと 報道翻訳者に必要なのは翻訳力+記事構成力

東京本社 編集局経済本部 松本良一さん英語を読む力は当然必要ですが、新聞の記事翻訳で特に重要になってくるのが日本語を構成する力です。最終的に仕上げていただきたいのは、日本の読者の方に届ける日本語の記事です。ですから英語記事の原文を全訳する必要はありません。記事の構成も変えてかまいません。とにかく伝えなければならない要素をすべて盛り込んで、日本語記事として読みやすく意味のあるものに仕上げていただきたいのです。

そのためには、英語、日本語にかかわらず、ニュースを読む力が必要になってきます。この記事で伝えなければならないことは何か? 重要なキーワードはどれか? それを読み取れる力が必要です。日ごろから日本語と英語の両方の新聞を読むことが一番の勉強になると思います。

私の予測ですが、報道の翻訳は今後も増えていくと思います。本紙の配信元であるブルームバーグでも一部の記事は翻訳版を配信していますし、ウォールストリートジャーナルにも日本版サイトが登場しました。ただ、需要が一気に増えると、質の低下が起こるのも事実です。多くの新聞記事翻訳を目にしていると、まるでテレビのニュースを同時通訳で聞いているような、不自然な日本語に出くわすことがあります。それではいけません。即時性を優先する通訳ではなく、映画の吹替のような練りに練られた日本語を紡ぎ出す必要があるのです。報道翻訳をしてみたいという方がいらっしゃれば、そんな翻訳を目指して勉強し、ぜひトライアルに挑戦していただきたいと思います。

報道翻訳ミニミニ講座

これは実際に掲載された報道記事の一部です。この原文を正しく訳すためには下線部がポイントです。まずは自身で訳してみてから、日本語記事と解説を読んで確認してください。

〈原文〉
 The gamble may end badly for the General Electric Co.-owned network if Leno doesn’t draw significantly more viewers than the average 3.7 million who watch his “Tonight Show” at 11:30 p.m..

〈日本語記事〉
 毎日午後11時半から始まるレノ氏の「トゥナイトショー」の視聴者は平均370万人。レノ氏が(新番組で)これをはるかに上回る視聴者を得られなければ、今回の(番組移動の)試みは、NBC にとって失敗に終わるだろう。

【解説】
 この文を含む、アメリカのテレビ番組についての記事を訳者に依頼して返ってきた翻訳文では下線の部分が「ゼネラルエレクトリック社のテレビ局」になっていました。冠詞にいつも強い注意を払っている人ならば、General Electric Co.-owned network = NBCと結び付けられますが、その事実を知識として持っていた方が簡単に正確に素早く、理解も翻訳もできるようになります。NBCは米3大ネットワークの1つ。あとの2つはABCとCBS。こちらの親会社はそれぞれ、ディズニーとバイアコムです。