ご利用企業インタビュー

株式会社イデア・インスティテュート

株式会社イデア・インスティテュート 毎年1冊、お客様向けに制作している絵本。日本の文化や神話を多言語で紹介しています。翻訳はもちろんデザインまですべて同社のオリジナル製品マニュアルを中心に多言語翻訳を

創業は1973年。株式会社イデア・インスティテュートは今年で39年目を迎える翻訳会社です。従業員は100名弱、契約翻訳者は400名以上、翻訳を中心に、それに付随したデザインやDTP、テクニカルライティングなども行います。

「はじめは翻訳の依頼だけを受注していましたが、クライアントにレイアウトされた完成品を見せていただくと、おかしなところで改行されていたり、読みづらいデザインになっていたりというようなことがあったようです。では、弊社でデザインのチェックをしましょうか、レイアウトもしましょうか、と徐々にお手伝いする範囲を広げていくうちに、今のように翻訳以外のところまで社内で行うようになりました」(翻訳・品質管理課長 天田庸子さん)

翻訳の分野は、製品マニュアルがメインです。パソコンのソフトやハード、家庭用電化製品や自動車から、工作機械、ロボットまで、さまざまな分野のマニュアルを制作しています。クライアントは日本のメーカーが多く、従って翻訳言語は欧州言語、アジア言語など多岐にわたり、多いときはひとつのマニュアルを30 言語に展開することもあるそうです。

「もとのマニュアルは日本語のこともありますが、海外向け製品であれば英語のマニュアルを元に各国語に展開することがほとんどです。また、元のマニュアルはメーカーから支給されることもあれば、弊社所属のテクニカルライターが日本語あるいは英語で新機能を説明する部分の原稿を書き足したりすることもあります」(翻訳・品質管理課 課長代理 嶋中美由紀さん)

稀少言語も一定以上の品質で仕上げる

世界各国語の翻訳に対応しており、どんな言語の依頼を受けても、「私の記憶にある限り、まず断ったことがない」(天田さん)という同社。

「ここ最近は英語以外の言語から日本語への翻訳の依頼が増えているように思います。以前なら英語を介して翻訳していたのですが、英語を介さずに直接翻訳してほしいと言われることが多くなりました」(天田さん)

日本語から各国語への翻訳の場合は、ターゲット言語のネイティブの方に翻訳を依頼するケースが多いそうですが、一方でチェッカーにはあえて日本人を起用する場合が多いのだそうです。

「ネイティブの方にチェックをしてもらうと、母国語へのこだわりのため、間違いではないのに別の表現に直してくる、といったことがあります。その点、日本人だと細かいところまで丁寧に見てほしい、でも修正しすぎは困る、という難しい要望を理解してくれます。その言語を専門とする日本人チェッカーが見つかれば日本人の方にお願いすることが多いです」(天田さん)

製品マニュアル以外にも、契約書、会社案内、CSRレポート、環境報告書、学術論文、各国語会話集、案内表示板の翻訳など、さまざまな仕事を受注しています。

「特に最近力を入れているのが契約書など金融の分野です。役員に証券アナリストの資格を持っている者がおり、2年ほど前に部署を立ち上げました。最近は日英・英日以外のニーズも増えてきました」(嶋中さん)

「会員プロフィール検索」を大いに活用

登録翻訳者は400名以上ですが、このうち実質稼働者は200名弱程度。「翻訳者さんの募集を行うのは、基本的に仕事受注のめどが立ってから。結局、受注できずに依頼がなくなってしまうことがまったくないわけではありませんので、“とりあえず登録者を増やす”といった募集は行いません。だから、比較的稼働率が高いのだと思います」(天田さん)

登録翻訳者で間に合わなくなった場合に、新しい方にトライアルをお願いしますが、その際にアメリアの「会員プロフィール検索」をよく活用していただいているとのこと。

「実際にお願いしたい案件に合った方をキーワード検索で探し出し、トライアル受験をお願いしています。皆さんのプロフィール文は隅から隅まで目を通していますので、内容が詳しいほどありがたいですね」(嶋中さん)

「数行しか書いていない方は、おそらく他社さんのお仕事で忙しいか、まだ学習中で仕事を探していないか、どちらかだろうと判断してお声かけはしません。積極的にお仕事を探していらっしゃる方は、ぜひプロフィールを詳しく書いていただければと思います」(天田さん)

それ以外には、同社宛にメールや郵送で送られてくる履歴書からトライアルをお願いすることもあるといいます。

「履歴書と職務経歴書を送っていただくのが基本ですが、こちらも得意分野や特技・趣味など、なるべく詳しく書いていただきたいです。具体的にお願いできる仕事が想像しやすくなりますので」(天田さん)

わが社のここが自慢!  研究開発部が安定した品質をサポート

「翻訳できない言語はない!」が自慢のひとつという同社。しかし、初めて受注した言語は、翻訳者やチェッカーを探すところから始めるわけで、どうしてもスピードや品質が他の言語よりも劣ってしまうのでは?

「そういうことがないように、日頃から研究を行っている部署があります。研究開発部です」(嶋中さん)

翻訳会社に研究開発部とはあまり聞き慣れませんが、どのようなことをしているのでしょうか。

「見慣れない言語の場合、編集の際に間違った場所で改行してしまったり、フォントが正しく表示されていないのにそれに気づかなかったりしがちです。そのような問題がおこらないように、その言語に特化したチェック機能を持つアプリケーションを開発したり、他の言語と同じフローで仕事ができるように組み込める新しいツールを開発したり、というのがこの部署の仕事です」(編集部 松室美穂さん)

部員は3名。実際に翻訳案件を動かしているスタッフの声を聞き、よりよい仕事をするために必要なツールを開発するなど、現場スタッフの仕事をサポートしています。

スタッフからひとこと!

素早いレスポンスと誠実な対応を

「翻訳の質ももちろん大事ですが、連絡したときにお返事の早い方には結果的にその後もお仕事をお願いすることが多くなります。逆に、翻訳の質は非常に良いが、連絡しても返事が遅い方、質問に対して返事がいただけない方、クライアントからの要望を受け入れていただけない方(自分の翻訳に固執する方)は、なかなかお付き合いが長続きしない気がします。弊社は創業38年ですが、会社始まって以来お付き合いのある方もいらっしゃいます。1人でも多くの翻訳者の方と、そのようなお付き合いができればと思っています」(天田さん) 

「それから、翻訳者の方には自分が翻訳できる範囲を知っていてほしいと思います。この分野は対応できるが、この分野は苦手だ。あるいはこの分量なら何日間でできる、締め切りを1日延ばしてもらえれば対応可能だ、など、ご自身の力量を把握した上で締め切り日などご相談いただければ、こちらもそれに合わせて可能な限り調整します。きちんと把握できている方は信頼が置けますから」(松室さん)

「いちばん困るのは、自分の力量(内容、日程等)以上の仕事なのに引き受ける方。無理して上げた仕事は、中身を見れば必ずそれとわかります」(翻訳室 室長代理 生駒博紀さん)

最終原稿までチームとして一緒に作り上げたい

「翻訳会社さんの中には、翻訳者さんから原稿を受け取ったら後は社内で直しを入れてクライアントに納品する、というやり方のところもあるでしょうが、弊社では翻訳案件は最後まで翻訳者さんと一緒に作り上げたいと考えています。納品原稿はチェックをして、疑問点が出てきたら翻訳者さんに“質問出し”をします。それに対してコメントをいただき、原稿に反映させていく、といった具合です。翻訳者さんの側からも仕事の流れなどご要望があればどんどん発言してください。チームとして改善していければ、より仕事がしやすくなると思います」(天田さん)

「翻訳者もチェッカーも人間。結局は人間相手に仕事をしているので、打てば響く人であれば回を重ねるごとにチームとして良い仕事が出来るようになると思います。1度や2度の失敗はかまいません。そのフィードバックに対してきちんと応えてくれる方であれば、次回から同じ間違いは決してしないはず。それが品質向上につながります」(嶋中さん)

後列左から嶋中さん、生駒さん、前列左から天田さん、松室さん

後列左から嶋中さん、生駒さん、前列左から天田さん、松室さん