ご利用企業インタビュー

ヨンカーズ トランスレーション アンド エンジニアリング株式会社

ヨンカーズ トランスレーション アンド エンジニアリング株式会社ベルギーに本社を置くMLVの日本支社

ヨンカーズ トランスレーション アンド エンジニアリング(Jonckers Translation and Engineering: 以下ヨンカーズ)はワールドワイドに展開するマルチランゲージベンダー(MLV)です。ヨーロッパ、アジア、北米に12の拠点を持ち、100言語以上の言語サポートをしています。本社は1994年にベルギーのブリュッセルで設立されました。創設者で現CEOのマーク・ヨンカーズ氏はもともとフリーの翻訳者で、同じく翻訳者だった夫人とともにこの事業をスタートさせ、その後チェコを皮切りに海外進出を始めました。その日本支社であるヨンカーズ トランスレーション アンド エンジニアリング株式会社は、2005年の設立以来、数多くの海外企業の日本語化や国内企業の多言語化のサポートを行い、IT、コンシューマー製品、医療、ゲームなど幅広い業界へのサービスを展開しています。

MLVとは、ソフトウェアやオンラインヘルプなどのローカリゼーションを、同時に複数の言語に展開する会社のことです。ベルギーはEUの中心であり、公用語のオランダ語、フランス語、ドイツ語はもちろん、その他の言語を使用する人も多く、伝統的にMLVが育ちやすい環境にあったそうです。

現在、日本支社の社員数は15名。直接的に業務にかかわるプロジェクトマネージャー、リンギスト、エンジニアのほか、間接的に業務をサポートするソリューション アーキテクトやベンダー マネージャーなどで構成されています。また、業務を効果的かつ柔軟に進めるため、日々の海外拠点との連携も欠かせません。海外拠点を有効に活用することはMLVの特長ですが、ヨンカーズでは特に海外拠点との情報共有を密に行い、よりスムーズなコミュニケーションと業務分担の実現を心がけているそうです。

ローカライズのあらゆるニーズに柔軟に対応

同社が最も得意としているのはIT系のローカライズで、全体の約7割を占めています。次に多いのがコンシューマー系、例えばプリンターやテレビ、デジタルカメラなどの製品に付随するマニュアルやソフトウエアなどのローカライズです。

「お客様が日本企業の場合は、弊社がお客様窓口としてプロジェクト管理を行い、日本語から英語への翻訳を担当します。さらに海外拠点との連携で25言語、あるいは40言語へと展開する、ということになります」(カントリーマネージャー小澤賢治さん)

日英と英日の需要は概ね半々とのことですが、最近は日本企業からの受注が増え、日英のニーズが増加してきているそうです。また、MLVは本来、英語を軸に多言語化を行いますが、日本企業からの案件では中国語や韓国語などアジア言語と日本語間の翻訳案件も発生しているといいます。

「お客様がコンテンツ管理の拠点をコスト削減の観点から販社がある中国企業に置く場合などは、英語を介さずに中国語を軸に展開することになり、中国語から他のアジア言語への翻訳といった問い合わせが発生します。弊社としては、従来の枠にとらわれず、お客様のニーズに柔軟に対応していくことが、今後の発展に欠かせないと考えています」(小澤さん)

顧客ニーズとして、複数の国で特許を申請するので、申請書類を多言語にローカライズしてほしいという依頼もあるのだとか。特許翻訳も広い意味でローカライズととらえ、そうしたニーズにも応える姿勢を大事にしたいと考えているそうです。

チャレンジ精神旺盛な方とともに成長したい

日本国内で登録されている協力会社は約20社、翻訳者は約80名。特に予算的に協力会社にお願いできない中規模のプロジェクトが始動した場合には翻訳者は不足気味で、年間を通して同社サイトやツイッター(@Jonckers_JP_VM)、アメリアWebサイトの「JOB」より登録翻訳者を募集しています。

「トライアルを受けていただく条件は実務経験3年以上とさせていただいています。実務経験以外に重視しているのが、応募の際のメールや経歴書の書き方です。これまでの経験上、メールや経歴書に不備がある方はトライアルの成績も良くない、という傾向が見られるからです。どちらも心構えに共通する部分があるのでしょう。また、応募者の得意分野などを見逃さないように、経歴書は一人一人丁寧に目を通してお返事をするようにしているため、多少時間がかかることもあるかもしれませんが、今後もアメリアを通して多数の方の応募をお待ちしています」(APAC ベンダー マネージャー 上田有佳子さん)

また、顧客のニーズに合わせて、新しい分野にどんどんチャレンジするのが同社の姿勢。登録翻訳者にもそうしたチャレンジ精神を期待しているといいます。

「弊社はお客様からのどのような依頼にも柔軟にお応えしたいと考えていますので、新しいツールやプロセスに積極的にチャレンジしていただいている翻訳者の方々に、日々助けられています。今後も、弊社と一緒にチャレンジしたいという方の登録をお待ちしています。」(オペレーション マネージャー田辺朋子さん)

わが社のここが自慢!  顧客ニーズを引き出しながら柔軟に対応する

MLVの特長のひとつとして、ワールドワイドのネットワークを使って効率性を高めるということがあります。そんなMLVのなかでも同社の特長として小澤さんがまず挙げたのは“柔軟性”です。ローカライズのプロセスは、基本的には各社共通の部分があり、効率化を求めるあまりサービスをパッケージ化してしまいがちですが、同社は顧客ニーズに合わせて柔軟に対応していくことを信条としています。その一つとして、使用するツールは、自社オリジナルなどは特に持たず、幅広い選択肢の中から個別のプロジェクトに合ったツールを柔軟に選択し、サービスを組み立てていくようにしているのだそうです。

「コスト削減、品質の保証など、お客様のニーズをよく理解して、コンサルティングをしながら最善の道を模索し、リソースを提供していくように心がけています。その点では、翻訳者さんには使用したことのない翻訳支援ツールの習得をお願いすることもありますが、これを面倒だとか難しいとは考えずに、経験を積めるよい機会と受け取っていただければと思います」(小澤さん)

また、基本的に仕事は楽しくするもの、という企業方針を全社で共有し、実践しているといいます。

「社長夫婦が2人から始め、会社を大きくする際にもM&Aは極力行わずに地道に進めてきたので、違う社風が混じることなく、翻訳者であった社長の精神が損なわれずに引き継がれているのです。会社は人が大事。その精神で、コミュニケーションを大切に仕事を進めていきたいと考えます」(小澤さん)

スタッフからひとこと!

翻訳者のポテンシャルに期待し、顧客ニーズに応えるという重要課題を達成するために、翻訳者とともに成長していきたいと考える同社。よりよい仕事をするために翻訳者に期待することは何か、伺いました。

「仕事は人がすべてだと思っています。どのようなツールを使って作業を自動化しても、最終的に人が携わっていることには変わりはない。翻訳者の方にもそこは意識していただきたいところで、弊社の担当であるプロジェクトマネージャー、そしてその先にはお客様がいることを想像し、柔軟に、臨機応変に対応していただければと思います。それから、最近ますますお客様の要求が高くなってきていることを感じています。例えば、開発と並行しながら翻訳を進めていくケースでは頻繁にアップデートが発生し、明日までに対応してほしいなど無理な要求をされることも少なくありません。そんな状況を理解して、なかには徹夜をして間に合わせてくれる翻訳者もいらっしゃって非常に助かります。そうした翻訳者さんには、弊社でもまた別の形でお返しができればと考えます」(小澤さん)

「仕事をお願いしたいと思う翻訳者さんは、誤訳がなく正しい日本語を書く方はもちろんですが、それに加えて質問すべきこととそうでないことを判断できる方、という条件もあります。例えば、一般的な用語の適語などは調べればわかることなので聞くのではなく調査してほしい。一方で発注元の会社に特有の事項はどんなに調べても答えは出ないので速やかに問い合わせていただきたい、というようなことです。そういうセンスも磨いていただければ、よりスムーズによい仕事ができると期待しています」(上田さん)

左から、田辺さん、小澤さん、上田さん