ご利用企業インタビュー

伝株式会社

伝株式会社ドキュメント制作のエキスパート集団

伝株式会社は1995年に大阪で設立された翻訳会社です。創業メンバーの3名は同じ翻訳会社に勤めていた同僚で、自分たちの理想により近い翻訳会社を作りたいとの思いで会社の設立に踏み切りました。少々変わった社名「伝」にはさまざまな思いが込められています。

「以心“伝”心、情報を“伝”えるお手伝いをする、“伝”わるドキュメントを作る、そして“DEN”とアルファベットにしてみたら、そこからDocument Experts Networkという正にわれわれの目指すべきところが浮き上がってきたのです。他にもいくつか検討しましたが、結局この社名に決定しました」(品質管理担当 近藤哲史さん)

業務内容としては、全体の約6割が翻訳ですが、ほかにもイラストレーションからDTP、印刷まで、マニュアル制作にかかわるすべてのサービスを揃えています。例えば製品マニュアルの場合、日本語でマニュアルを書き起こし、それを多言語に翻訳し、デザインをして印刷をする、と全工程を請けおうこともあれば、そのうちの一部のみを担当することもあるそうです。既に出来上がっている英語のマニュアルを日本語にローカライズすることや、マニュアルの書き起こしを日本語ではなく英語で行うこともあるといいます。

プロ向けマニュアル制作をメインに

メーカーの本社が多い大阪という土地柄、同社では医用機器、IT、オーディオ、工作機械などのマニュアル制作を数多く手がけてきました。

「マニュアルの中でも、オーディオなど一部はエンドユーザー向けですが、その他大半はプロフェッショナル向けが多いのが弊社の特徴です。例えば、ソフトウエアのマニュアル翻訳を例にとると、皆さんがPCにインストールして使うワープロや表計算ソフトではなく、会社の中でプログラマーやネットワーク管理者が使用するソフトウエアをローカライズするイメージです」(近藤さん)

より専門的な知識が必要とされるため、顧客数をどんどん増やすのではなく、既存のお客様を大切にし、長い付き合いで信頼関係を築き、知識を蓄積しながら仕事を進めてきたといいます。

現在、社内のスタッフは16名。プロジェクト・マネージャーのほかに、翻訳者、チェッカー、また文書のレイアウトを社内で行えるようDTP オペレーターも常駐しています。登録翻訳者は約160名。同社では、通年の登録翻訳者募集ではなく、翻訳案件が発生する見込みがあるときに、プロジェクト単位で翻訳者募集をかける方法を採っています。

翻訳者募集はプロジェクト単位で

つきあいの長い既存のお客様を大切にしながら、最近は新しい案件も増えてきているそうです。

「昨今の景気の動向により、既存のお客様だけに頼るわけにはいかなくなっていますから。新規案件にはタイプの違うものもあるので、それに合った翻訳者をアメリアを通して募集しています」(近藤さん)

翻訳者募集は基本的にプロジェクト単位で行うため、条件の違う募集を同時期に行うこともあります。

「先日も、私の担当するプロジェクトと別の担当者のプロジェクトと、2本の募集を相次いで出しました。私のトライアルでは合格ラインに達しなかったけれども、もう一方のプロジェクトではぜひお願いしたいという方には、そのようにお声かけさせていただいています。希望とは多少違うかもしれませんが、少しでも仕事の機会を提供できれば、という思いからです。また、以前は専門知識を持った方は数少ないという思いから「会員プロフィール検索」を使ってピンポイントで探していましたが、今回のトライアル合格者にも専門知識をお持ちの方が予想以上に多く、今後は別の案件でもお仕事をお願いしたいと思っています」(近藤さん)

わが社のここが自慢!  長い付き合いで知り合うことが翻訳の質の向上につながる

同社では設立当初より、お客様と長く深く付き合うことで、よりよいサービスが提供できる、という信条のもと業務を展開してきました。

「早いもので設立から16年が経ちましたが、この考え方に間違いはなかったと今では確信しています。リピートのお客様には専任のプロジェクトマネージャーを置くことで、お客様企業に対する理解や、製品や技術に対する知識も深まり、お客様の求めるものに限りなく近いサービスを提供できます。さらに付き合いが長くなると、お客様に対して弊社の側から新しいやり方を提案するなど、一歩進んだサービスも提供できるようになりました」(代表取締役 吉田元雄さん)

同社のこの考え方は、お客様に対してだけでなく、外部スタッフである在宅翻訳者に対しても同じだといいます。

「在宅翻訳者の方もやはり社内コーディネーター同様で、数を増やすというよりは、長く深くお付き合いをしてきました。同じ案件を長く担当してもらうとドキュメントの内容の理解、専門知識の蓄積、お客様が何を求めているのか、文体の好みは、などさまざまなことがわかってきて、翻訳の品質も上がってきますから」(吉田さん)

また、そうした翻訳者は社内データベースに登録して社員全員がスケジュール状況などを把握できるようにしているのだそうです。

「中心となって活躍してくださっている翻訳者さんは逃したくありませんからね。安定した収入を得られるようにという配慮が翻訳会社側にも必要だと思いますから、途切れずに常に仕事を出し続けるように気をつけています」(吉田さん)

人材を大切に、よりよい関係を築いて、よい翻訳につなげようという思いから、年に2回、バーベキュー大会を開いて、翻訳者の方との親交を深めているそうです。

「仕事では電話やメールが多いですが、言葉だけのやり取りでは誤解が生じることもあります。実際、顔を合わせて話をした後はコミュニケーションがスムーズになった、ということもよくありますので、直に会って話をすることはとても大事だと思っています」(吉田さん)

伝株式会社
スタッフからひとこと! 書き手の意図をくみとる翻訳を

同社でトライアルによる採用を担当されているプロジェクト・マネージャーの井上文さんに翻訳者に向けてのメッセージをいただきました。

「ここ1年くらい、アメリアを通じて多くの翻訳者の方を採用させていただきました。その際、主にメールでやりとりをするのですが、アメリア会員の皆さんのくださる、要領よくまとめられた、しかも人間味溢れる温かいメールには、いつも感心させられています。メールの文面など翻訳には関係ないと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、私はこういうことがとても大事だと思います。翻訳とは、原文の書き手が何を言いたいかを思いやることです。メールにおいて、送る相手のことを思いやって的確な文面が書ける人は、翻訳においても的確な訳文が書けるのではないでしょうか」

同じくトライアルを担当する近藤さんも、翻訳者には柔軟性、ドキュメントの目的を見極める力を期待しているといいます。

「例えば、ユーザー向けのカタログの翻訳、専門家向けのマニュアルの翻訳、動画コンテンツの字幕翻訳など、目的の違いを理解して、それぞれに合った訳し分けができる翻訳者の方は、社内で取り合いになりますね。そういう人に頼めば、後工程もスムーズだということがわかっていますから。そんな頼りにされる翻訳者を目指していただければと思います」