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エグゼトラスト株式会社

エグゼトラスト株式会社設立12年目、金融に特化したサービスを展開

エグゼトラスト株式会社は2000年4月に設立された、金融および資産運用ビジネスにかかわる人材紹介、コンサルティング、翻訳を行う会社です。創業社長の川田重信さんは証券業界の出身。大学卒業後、19年間証券会社に勤務、うち10年間は米国・香港・シンガポールなど米国留学と海外駐在を経験し、日本投資家向けに外国株式のセールスを担当したそうです。転職し、外資系の証券会社にしばらく在籍した後に、かねてより考えていた独立に踏み切り、投資顧問会社を設立しました。しかし、時代はITバブル崩壊のまっただ中。事業は軌道に乗らず、方向転換を余儀なくされました。自身のキャリアを生かしてできることは何か? さまざまな方面にリサーチし、模索した結果、まず始めたのが人材紹介でした。

「証券会社や運用会社にアナリストやトレーダーなどのキャリアを持つ人材を紹介する仕事です。業界の知人と話をしていると『アナリストを知らないか?』などと尋ねられることがあり、そこから人材紹介なら私にもできそうだと思い、これをビジネスにしました」(川田社長)

現在は同社の主要業務のひとつである金融翻訳も、これと同様の経緯で業務に加わったと言います。

「翻訳についても、『投資レポートを翻訳できる者を知らないか?』『川田さんならできるのでは?』などと尋ねられることが増え、ああ金融翻訳をアウトソーシングするニーズがあるのだ、と気づきました」(川田社長)

投資に関するレポートや記事を主に翻訳

クライアントは、証券会社・運用会社・PR会社などで、内容は証券リサーチレポート、運用報告書、開示資料など金融に関するものがメインです。

「翻訳を受注し始めた当初は、私の知人やその紹介などで証券会社出身の翻訳者、元アナリストで現在は翻訳をしている人などにお願いしていましたが、その後、翻訳依頼が順調に増え、知り合いのツテだけでは翻訳者が足りなくなったので、アメリアを通して広く翻訳者を募集するようになりました」(川田社長)

翻訳に関して、上記以外にもうひとつ、同社の柱となる事業があります。それはダウ・ジョーンズ社が発行する米国の投資週刊誌"BARRON'S" の記事から抜粋して日本語に翻訳、日本人投資家や証券業従事者に向けて出版している『バロンズ拾い読み』という金融情報誌の制作です。

「実はBARRON'Sの要約は十数年前に私が自身の顧客への無料サービスとして始めました。これが関係者の間で知られるようになり、2006年より弊社が翻訳・編集など制作を担当し、時事通信社に販売を委託するようになりました」(川田社長)

毎週土曜日に川田社長が抜粋記事を決定し、同日午後2時ごろ翻訳者に翻訳を依頼。約10時間で翻訳し、その後、チェック・編集を担当するスタッフの手を経て、日曜日の昼頃には完成します。

翻訳者には専門知識とビジネススキルが必須

社員10名のうち、翻訳業務に携わっているのは社長以下6名。元証券会社勤務、元アナリストなど、金融に詳しいスタッフが揃っています。登録翻訳者の募集は、今は主にアメリアWebサイト「JOB」を通して行っています。

「アメリアを通して常時募集を行っており、応募書類を拝見して、私の経験からこれはと思う方にトライアルを受けていただいています。月に10件前後の応募があり、トライアルをお願いするのは5〜10人に1人くらい、合格者は年に1〜3名程度、というところでしょうか」(川田社長)

トライアルの課題は、BARRON'Sの記事「経済スケジュール」から出題されます。コラムの部分で英文解釈力を、経済指標では、どれだけ経済知識があるか、また調査力があるかを見るとのことです。

「専門用語が多く出てきますが、その日本語訳は金融翻訳を目指す方であれば、できれば知識として知っておいていただきたいところ。もし知らなくても、調べればわかりますから、これは間違えてはいけないところです」(川田社長)

トライアル合格後は社長自ら面接あるいは電話でのインタビューを行います。

「インタビューではビジネスマンとしての能力を見ていますが、これは非常に重要です。コミュニケーションを取るのが苦手な翻訳者は、独りよがりに解釈して、それが誤訳につながってしまうことがあります。直接話すことで人間性を知りたい、そして弊社のビジネスパートナーとしてうまくやっていけるかどうかを判断したいと考えています」(川田社長)

わが社のここが自慢! 多彩な人材を有し、365日対応する

証券レポートなどは、正確さに加え、タイミングも非常に重視されます。例えば、ある外資系証券会社から夜に5000ワードの翻訳の依頼が来るとします。1人の翻訳者がすると、通常は2、3日かかる分量ですが、それを20時間ほどで上げなければならない、ということがあるそうです。

「数人の翻訳者にお願いするケースもありますが、ひとつながりのレポートを分担すると、後の調整で余計に時間がかかってしまうことがあります。その場合は、超特急で翻訳できる1人の翻訳者に依頼します。証券アナリストよりも深い知識を持っているような翻訳者なら、調べる時間はほとんど必要ないので、それが可能なんです。そういう人材を抱えていることが弊社の強みのひとつです」(川田社長)

外資系のクライアントも多く、“365日対応可能”というのが同社の基本的な姿勢であり、クライアントからの支持を得ています。

「翻訳者さんには、突然夜中に電話して、今から翻訳してください、ということではなく、昼間に『夜中に原文が届くので朝までにお願いします』とご連絡をして、スタンバイしてもらいます。翻訳者さんもさまざまで、得意分野や翻訳スピードはもちろん、早朝に仕事をする人、夜中に起きて翻訳するほうがはかどる人などさまざまです。個々の特性を把握して、それに合わせてお願いするようにしています」(川田社長)

スタッフからひとこと!

金融翻訳を目指す皆さんへ

「金融業界での経験は、あるに越したことはありませんが、必須ではありません。元アナリストであっても、その経歴にあぐらをかいて努力を怠っている人には、いい翻訳はできません。業界での経験がなくても、書籍などで金融の基礎を勉強し、日ごろから日経新聞などを読むことで知識を蓄えることはできますから。ただ、実社会でのビジネス経験は必須だと考えます。業界は金融でなくても、何でもかまいません。つまり、お客様・読者の立場を理解し、そちらの方を向いて仕事ができること、さらにビジネスの厳しさをわかっていることが重要だと考えています」(川田社長)

また、同社の翻訳者として活躍している方は、40代を中心とした層が多いのだとか。

「20代で活躍できる人は、私のこれまでの経験からいうと、ほとんどいません。それは先に述べたビジネス経験と関わってくると思います。どんなに英語が堪能でも、翻訳という仕事をするには、それだけでは十分ではなく、必ずビジネス経験が生かされるからです。20代の方で弊社のトライアルに応募してくださる方ももちろんいます。将来性も考慮して受けていただき、合格する方もいますが、私としては、まずは実社会を体験しておいた方がいいですよ、とアドバイスしたいですね。40代の方が活躍しているというのは、金融に関する知識、ビジネス経験はさることながら、雑学も含めた裾野の広い正確な知識をもっていて、それが仕事に生きているのだと思いますので、若いうちはそうした知識を蓄積できる環境にいることが大事だと思います」(川田社長)

では、金融業界での経験がない人が金融について学ぶには、どうすればよいでしょうか。

「知識を得るには、独学でかまいませんが、『経済原論』『証券理論』など教科書的なもので基礎を固めておくことが重要だと思います。そのうえで、日本経済新聞などを読めば理解が深まるでしょう」(川田社長)