ご利用企業インタビュー

Welocalize Japan株式会社

Welocalize Japan株式会社米国に本社を置く ローカリゼーションサービス会社

Welocalize は 1997年にアメリカのメリーランド州フレ デリックで設立されたローカリゼーションサービス会社です。 ドイツ、アイルランド、オランダ、中国など世界11カ所に 拠点を構えており、その日本法人である Welocalize Japan 株式会社は2007年に設立されました。

「アメリカにはイーストコーストにある本社以外にも、ウェ ストコーストのシアトル、ポートランド、サンフランシスコにオフィスがあります。そのため、クライアントはアメリカ 系のIT関連企業が半数以上を占めています。また、支社以外にもパートナーシップを組む翻訳会社が世界中にあり、およそ100言語へのローカライズを行っています」(代表取締役 儀武真二さん)

クライアントの多くはIT関連企業とのことですが、翻訳案 件としては以前のローカライズの主流であったマニュアル翻訳から、マーケティングコンテンツ、ウェブコンテンツ、営業マンのためのトレーニング資料、e-ラーニングなどへとますます幅が広がってきており、翻訳者にも幅広い案件に対応 できる知識や表現力が求められるようになってきています。

日本オフィスのスタッフの数は33名。そのうち外部の翻 訳者と主に関わるスタッフとしては、プロジェクトマネージャ(以下PM) グループ11名、翻訳グループ18名です。

TMSで仕事の効率化アッフ

「IT翻訳業界では、可能なところはシステムを組むなどしてPMや翻訳者の雑務を軽減し、なるべく多くの時間を本業に 割けるように工夫をしてきています。弊社ももちろんその方向で、仕事の流れを再構築しているところです」と儀武社長。同社をはじめIT翻訳業界で採用されているトランスレーション・マネージメント ・ システム(以下TMS)を使えば、クライアントから届いたファイルをファイル管理システムに取り込むと、自動的に翻訳者に渡す最適なファイルセットに組み直してくれて、PMはそれを確認して簡単な操作をするだけで、自動的に翻訳者に翻訳の依頼ができるようになっているのだそうです。

「以前はPMが手作業で2時間かけて行っていたことを、TMSを使って数分でできれば、その早まった2時間は翻訳者が翻訳する時間に充てられるのです」(儀武社長)

他にも、スペルミスや誤字脱字の検出は翻訳支援ツールに任せることで、単純なミスがなくなり品質アップにつながりますし、チェッカーがチェックする時間の短縮にもなります。

「翻訳者さんにとっては、翻訳の依頼を毎回メールで受け取 ったり、仕事が終わったら請求書を書いたり、といった作業がプラットフォーム経由で簡単にできるようになり、翻訳以外のことをする時間を減らせることにもなります」(儀武社長)

登録翻訳者という人財をもっと活用したい

同社の登録翻訳者の数は約400名。しかし、残念ながら実力があるにもかかわらず、まだ仕事を依頼したことのない方も多く、その発掘にも力を入れていきたいと儀武社長は言います。

「初めて発注する場合は、トライアルに合格しているとはいえ、その翻訳者さんの力量にまだ不明な点が多いので、納品された翻訳物を細かくレビューする必要があります。ですので、仕事量が増えてきており、PMに時間的な余裕がない現在は、新しい方に発注することが減り、信頼関係が築かれている既存の翻訳者さんに依頼することが多くなってしまっています。現在、改善している社内のシステムがそろそろ落ち着き、PMにも余裕が出てきますので、今後は新規採用と同様に、既に登録されている翻訳者データベースを見直して、登録以来まだ仕事をお願いしたことのない方にもどんどん発注していきたいと思っています」(儀武社長)

登録翻訳者の新規募集は、同社のHPやアメリアWebサイトの「JOB」などを通して常時行っています。

「社員募集の場合は履歴書、経歴書を重視しますが、フリーランサーの場合はトライアルの結果を優先させていますので、実績が少なくても翻訳力に自信のある方はぜひチャレンジしてください」(儀武社長)

わが社のここが自慢!

同社が効率化を図るために使用しているTMSですが、これを自社で活用すると同時に、オープンソースとしてGlobalSight(www.globalsight.com)にて公開しているのだそうです。

「TMSやコンテンツ ・ マネージメント ・ システム(CMS)といった概念はIT翻訳業界では一般的になってきましたが、TMSを独自で持っている翻訳会社はまだそれほど多くはありません。弊社ではTMSを自社で持ち、活用していますが、それはまだ完成されたものではなく、使う側のニーズに合わせて、より使いやすいツールに進化させていかなければならないものだと考えています。そこで弊社ではTMSをパッケージ にして販売するのではなく、オープンツールとして公開し、GlobalSight上にあるコミュニティの中で、利用者の皆さんにアイデアを出していただいたり、使用後のフィードバックをいただいて、もっとユーザーフレンドリーなツールに高めていきたいと考えています。現在、30ほどのクライアントが使用し、コミュニティに意見を寄せてくださっています」(儀武社長)

世界中の支社や提携翻訳会社をTMSで結び、同一のプラットフォーム上で効率よくプロジェクトを進行させることが目下の目標。その実現によって、より多くの仕事を短期間で、品質を維持したままこなしていけるようになることが同社の目指すところです。

スタッフからひとこと!

マニュアル翻訳のように大量でスピードと正確さが求められるものから、マーケティングコンテンツのように短いけれどもコピーライティング的な要素も含まれるものまで、ニーズがますます広がり、業務の流れや翻訳者に求められることも過渡期にあるというIT翻訳。現場で日々新しいコンテンツに向き合っているスタッフのみなさんに、翻訳者に向けてメッセージをいただきました。

「クライアントのHPの一番目に付くところのコピーライティングの翻訳などは、納期だけでなく品質についても厳しいですし、ITの知識はもちろんマーケティングの知識も必要で大変だとは思います。ですが、視野を広げて対応してくだされば、翻訳者さんの仕事の幅も広がると思いますので、チャンスと捉えて取り組んでいただければと思います」(ランゲージ グループ マネージャ 山本優子さん)

「翻訳者さんにとっては私ども翻訳会社がお客様ということになると思いますが、実際には私たちの先にいるクライアント、そしてさらに先にいるエンドユーザーを見て仕事をすることが大事だと思います。例えば、翻訳者さんの納品が10分遅れる、あるいは1日遅れるとします。その遅れは、次の工程を担当する弊社のスタッフがかぶるのか、あるいはクライアントにまで影響が及ぶのか......。とにかく、そこまで想像できれば、遅れることは簡単にはできないと思うんです」(PMグループ マネージャ 清水智子さん)

「申し送りの書き方にも同じように、先の工程を見ているかどうかが現れます。新しい言葉が出てきた。調べたがわからなかった。そのとき、『わかりませんでした』ではなく、 『ここまで調べて、こんな訳があったが、どれが適当かわからなかった』と書いていただければ、その後の工程の者が判断する際に参考になります。かといって申し送りの内容 が多すぎるのも、どこが大事かわからなくて困ります。読む人のことを考えて、伝えるべきことをきちんとまとめていただきたいです」(リード トランスレーター サブマネージャ 冨田周一さん)

「以前、翻訳者さんからの納品の際に、件名に『納品』と書かれたメールに納品ファイルが添付され、本文なしということがありました。これではコミュニケーションが取れ ません。このような方は稀ですが、メールの書き方が言葉足らずだったり、もう少し書き方があるんじゃないかな、 と思う方は時々いらっしゃいます。顔を合わせてのコミュ ニケーションと違い、メールでのコミュニケーションの難 しいところでしょうが、仕事をスムーズに進めるために円滑なコミュニケーションは必要なことだと思いますので、気をつけていただければと思います」(シニア プロジェクト マネージャ 柴山康太さん)

左から、柴山さん、清水さん、 儀武社長、山本さん、冨田さん

左から、柴山さん、清水さん、 儀武社長、山本さん、冨田さん