ご利用企業インタビュー

株式会社エイアンドピープル

株式会社エイアンドピープル日系企業のIR資料をわかりやすい英語で制作

エイアンドピープルは今から15年前の1998年に創業した翻訳会社です。代表取締役の浅井満知子さんは大手翻訳会社の営業として実績を積んでいましたが、仕事を深く知るにつれ、もっとスピーディにきめ細かなサービスを提供できる翻訳会社を作りたいと考えるようになり、独立・起業に至ったのだといいます。最初は社長1人で始めた会社も、現在は社員12名に。翻訳はもちろん、DTPなどのデザイン制作や、通訳業務も請け負う会社に成長しました。

会社設立当初は、IT系外資系企業の依頼を受け、マニュアル翻訳などを数多く手掛けていたそうです。実績を重ねるうちに日本の大手企業からも多く依頼を受けるようになり、また翻訳文書の内容も、マーケティング資料やプレスリリース、仕様書や契約書など、ますます幅広くなっていきました。

そして、5年ほど前から特に力を入れているのが日系企業が欧米向けに発信するIR資料の日英翻訳です。アニュアルレポート、株主通信、決算短信、CSR報告書など、英訳からデザイン、印刷にいたるまで、一括して請け負っています。

「最も多いのがIR関係の日英翻訳で全体の7割程度です。最近は中国語への翻訳依頼も増えてきました。英日翻訳では、マニュアル、マーケティング、契約書などがあります。その中では、最近はゲームに関する契約書の翻訳依頼が増えてきています」(取締役 品質管理部 部長 橘川真澄さん)

翻訳者、チェッカーとのチームワークを大切に

登録翻訳者は欧米と日本に約700名。日英翻訳の場合は、基本的にネイティブスピーカーが英訳し、そのあと日本人のバイリンガルチェッカーがチェックをします。

「弊社では、チェックの段階で1つでも直しが入った場合は、必ず翻訳者に戻し、翻訳者とチェッカーに徹底的にディスカッションをしてもらって、より読みやすい自然な英文に仕上げてもらうようにしています」(橘川さん)

またデザインなどの制作業務に関しては、読み手にとって違和感のない制作物に仕上げるために、海外のデザイナーと提携し、海外テイストのデザインを提案しているそうです。

「お客様によっては、IR資料の日本語・英語の同時開示をご希望されるケースも増え、よりスピーディで正確な翻訳が求められるようになったのが最近の傾向です」(グローバルコミュニケーション部チームリーダー プロジェクトマネージャー中川すぐりさん)

決算の数字はもちろん、会社名や役職名など、情報の正確性が重要な文書だけに、このような業務に精通したチェッカーの育成にも力を入れています。

「チェッカー向けの勉強会を年に2度ほど行っています。チェッカーさんとはコミュニケーションを密に取れる関係を築いておくことが大切ですので、顔を合わせての勉強会で日頃聞けないような細かい点も質問していただいたり、情報交換を行うようにしています」(橘川さん)

反省点を共有してよりよい仕事につなげる

同社では、ひとつのプロジェクトが終わったら、関わった外部スタッフにも必ずフィードバックを行うといいます。

「こちらのフィードバックにきちんと対応してくださる方は、高く評価しています。納品したから自分の仕事は終わり、という考え方ではビジネスパートナーとしては不安ですね。ご自身は完璧な仕事をしたと思われているのかもしれませんが、最終的にその文書をご覧になる方がいいと思ってくださらなければ、仕事としては完璧と言い難いです」(中川さん)

翻訳者とチェッカーの募集は、通年で同社のHPより行っています。

「まず応募書類で経歴などを拝見し、その中から弊社の仕事がお願いできそうな方にトライアルを受けていただきます。一応、『翻訳経験3年以上』が条件ですが、バックグラウンドによってはこの限りではありませんので、個々に問い合わせてアピールしていただければと思います」(橘川さん)

同社では翻訳者のインターン制度があります。1〜6カ月程度のオンサイト業務でプロジェクト全体の流れを見ながら翻訳やチェックの業務をこなし、その経験をもとに在宅翻訳者として活躍してもらおうという狙いです。

「これまでは登録翻訳者さんの中から、これぞと思う方にお声かけしていましたが、今年初めて、アメリアを通してインターン生の募集を実施しました。今後もアメリアを通しての採用を検討していきたいと思っています」(橘川さん)

わが社のここが自慢!プレイン・イングリッシュの普及を目指す

プレイン・イングリッシュとは、アメリカ大統領の演説に代表されるような、明確、簡潔、わかりやすい英語表現のこと。米国証券取引委員会でも15年前から推奨されています。

「IR資料は、投資家をミスリードしないように、正確性かつ信頼性が重要とされます。従って弊社ではプレイン・イングリッシュを採用し、欧米読者にとって自然で、説得力のあるライティングを提供しています。しかし、このプレイン・イングリッシュは日本ではまだ馴染みが薄いので、簡潔な英文は稚拙なのではないかと誤解されることもあります。クライアント企業のご担当者の方に向けて、あるいは翻訳者やチェッカー向けの勉強会などでもプレイン・イングリッシュのセミナーを行い、ご理解を得ると同時に、さらなる普及を図っています」(中川さん)

実際にセミナーをご担当されている橘川さんに、どのような内容か伺いました。

「セミナーは弊社顧問で日英バイリンガルのアメリカ人、エリックとともに行っています。プレイン・イングリッシュとはどういうものかを説明した後に、実際に英文を書いていただく実践的なセミナーになります」(橘川さん)

同社HPにて、自分の書いた英文の読みやすさを測るツールを公開しています。一度、自分の書いた英文をチェックしてみてはいかがですか。
http://www.a-people.com/readability/

スタッフからひとこと!

仕事の流れを理解して取り組む姿勢を

在宅の翻訳者もチェッカーも同じプロジェクトを進めていく同士。コミュニケーションを取りながら、一緒によりよい成果物を作り上げていきたいと同社では考えています。

「どんな仕事でもそうですが、日々、雑務と呼ばれる作業が発生します。最終的にお客様に満足していただける成果物に仕上げるためには、その一見無駄とも思える仕事も、決して無駄ではないのですが、翻訳者さんの中には、自分は翻訳だけをすればよいと考えている方もいらっしゃるようです。仕事のプロセスを理解しようと努め、協力する気持ちを持ってくださる方と、ぜひ一緒にプロジェクトを進めていきたいと思います。
 その重要性を理解していただくには、社会人経験や翻訳会社でのオンサイト経験が役立つのではないかと思います。オンサイトで仕事をすると、全体の流れがよく見えますし、仕事のスピード感も体感できるのではないかと思います。弊社でもインターン制度を持っておりますが、在宅でのお仕事を希望の方でも、機会があれば一度オンサイトをのぞいてみることで、オフサイトでお仕事をされるようになった時に企業から高く評価されるポイントになると思います」(中川さん)

また、翻訳力を磨くことは大前提として、それ以外の知識やスキルも翻訳者・チェッカー採用の際には重視しているといいます。

「例えば弊社の場合ですと、財務諸表が読めるとか、会計の知識があるといった方がいれば、翻訳経験があまりなくても、トライアルを受けていただきたいと思います。チェッカーの方なら、翻訳のチェックのみならず、DTP後のデザインも含めたチェックをお願いすることもあるので、DTPや欧文組版について興味を持って、独学でも勉強されたことがあれば、採用の際のポイントになります」(中川さん)

「それから基本的なことですが、レスポンスが早い方はありがたいですね。いつ連絡を取っても、速やかにお返事がいただけるというのは大きな安心材料ですので、翻訳やチェックをお願いする際にはプラスの要素になります」(プロジェクトマネージャー三島のどかさん)

グローバルコミュニケーション部のチームリーダー中川さん(右)と
プロジェクトマネージャー三島さん(左)