ご利用企業インタビュー

株式会社ティーピーエス

株式会社ティーピーエス設計会社の技術情報サービス係がルーツ

株式会社ティーピーエスは、技術翻訳とエンジニアの派遣サービスの2つを業務の柱として2002年に設立された会社です。株式会社としての歴史は今年で12年目ですが、実際には情報通信会社の通信機器輸出に係わる技術文書作成支援部門として1961年に発足しており、50 年以上という長い実績を有しています。そのときの名称“Technical Publications Service”の略称TPS がそのまま現在の会社名となっています。

そもそもは技術情報サービス部門として、主として通信機器を輸出する際に必要な書類やマニュアルなどを日本語から英語に翻訳することが主な業務でした。その後、時代の流れと共にコンピュータ、通信ネットワーク、情報制御システムなど、IT全般に広がり、株式会社として独立後は、Eコマース、電子マネーシステム、医療機器、携帯電話など、さらに翻訳分野が広がっていきました。

「翻訳の内容としては、最先端技術に関するもの、エンジニアが読むような技術書、ユーザー向けの製品説明書やマニュアルなどが比較的多いです」(翻訳事業部ディレクタ 小嶋淳さん)

日英翻訳からスタートしたこともあり、現在も英日よりも日英のほうが圧倒的に多いそうです。また、中南米向け輸出も多かったためスペイン語翻訳の実績も豊富で、他にも中国語、韓国語、ロシア語などの翻訳も手がけています。

ベテランのスタッフが豊富に揃う

翻訳業務には、約30 名の社内スタッフが携わっています。プロジェクトマネージャー、チェッカー、エディターはもちろん、翻訳者も社内に常駐しています。

「翻訳の品質を保つためには、社内に熟練のスタッフが揃っていること、ネイティブのスタッフも常駐していること、翻訳はすべて社外翻訳者に任せるのではなく社内でもできる体制が整っていることが大事です。社内、社外にかかわらず新人スタッフの翻訳はシニアスタッフがチェックし、フィードバックして、育てていかなければなりません。社内にシニアスタッフが揃っていれば、それも可能です」(小嶋さん)

同社では日本語から英語への翻訳が8 割以上を占めていますが、翻訳者は日本人、英語ネイティブともに活躍しているそうです。

「その翻訳者の得意分野に合った仕事を依頼することを優先的に考えており、基本的に日本人翻訳者と英語ネイティブ翻訳者を分けて考えてはいません。ただ、例えば日本語で書かれた元のドキュメントに日本人特有の癖があるような場合には、日本人翻訳者のほうが適しているであろう、と判断することもありますし、もちろん、その逆のケースもあります」(小嶋さん)

英語力の高い即戦力となる翻訳者を常時募集

登録翻訳者は、同社のホームページにて常時募集しています。

「合否はトライアルの成績で判断し、経歴などは補足情報として拝見します。実績のない方でもご応募は可能ですが、ただ、現在は即戦力となる翻訳者さんのみを採用しておりますので、残念ながら合格率はそれほど高いとはいえません」(小嶋さん)

技術翻訳ということで、元エンジニアの方が採用されるようなケースも多いのでしょうか。

「応募はありますが、採用になるケースが多いかというと、そうとは限りません。仕事は翻訳ですので、まず英語のスキル、なかでも英文を書くというスキルを重視します。例えば、長年エンジニアをされていて海外出張などの経験も豊富、会話もスムーズにできるという人でも、英文を書くとなるとまた違いますから」(小嶋さん)

日英翻訳のスキルアップには、経験豊富な日本人翻訳者やネイティブエディタのチェックを受けるのが近道だとおっしゃる小嶋さん。同社で社内翻訳者の募集はあるのでしょうか。

「社員翻訳者の募集は必要に応じて弊社のHP から行っています。また、登録翻訳者の方の中から、これはと思う方に直接お声かけして、オンサイトで経験を積んでいただくこともあります」(小嶋さん)

わが社のここが自慢! 長年にわたり信頼を得てきた高品質の日英翻訳

同社がモットーとしているのは、品質第一(Quality First)と顧客満足度の向上(Customer Satisfaction)です。この2つは多くの翻訳会社が目指しているところだと思いますが、同社には半世紀以上にわたる実績に裏付けられた品質管理体制が確立されており、お客様から信頼を得ているといいます。

「わが社の“自慢”というわけではなく“基本スタンス”ですが、納品する翻訳は、お客様が手を加えずにそのまま使えるレベルを目指しており、実際にそのような評価を多くいただいております」(小嶋さん)

高品質を実現している理由は、2つあるといいます。1つは、経験豊富なベテランスタッフが揃っていること。

「会社として50年以上の歴史があり、プロジェクトマネージャー、翻訳者、チェッカーともに勤続年数の長いスタッフが揃っています。私が入社当時、一人前の翻訳者になるには10年の経験が必要と言われたものですが、弊社の翻訳は経験豊富でノウハウを持ったスタッフが担当するので品質の揺れが少なく、また毎回同じ担当者が受け持つためお客様の要望もくみ取りやすいのではないかと思います」(小嶋さん)

もう1つは長年にわたり作り上げてきた品質管理体制が継続されており、各工程に適材適所配備された人員が目的達成のために組織的に機能しているからだといいます。

「この工程に沿ってベテランスタッフが取り組めば、自ずと品質は安定すると確信しています。外部の翻訳者さんに依頼した場合は、必ずしもベテランでない場合もありますが、社内にも翻訳者がいますので、そのあたりのサポートも万全です」(小嶋さん)

スタッフからひとこと!

英文テクニカルライティングの基礎が大切

翻訳者としての経験があり、現在は技術翻訳部門のディレクタとしてプロジェクトの品質管理に力を尽くしている小嶋さんに、同社のトライアルについてお話を伺いました。

「これまでのトライアルの結果を見ていると、TOEIC高得点や実用英検の資格は実務翻訳のレベルには直結しないのだなと実感しています。もちろん英語スキルが高くて資格を取得している方も多いので参考にはしますが、トライアルの合否に影響はありません。工業英検などを取得されている方がいれば、そちらのほうが目を引きますね」(小嶋さん)

トライアルではどのようなところを特に重視して判定しているのでしょうか。

「トライアルでは、仕事を依頼できるだけの翻訳スキルがあるかどうかを見ます。特に基礎的なことができているかどうかをまず見ます。長年フリーランス翻訳者として実績がある方でも、冠詞や単複などを軽んじていらっしゃるような方もときどきいらっしゃいます。トライアルの課題は短いので、合格されても、実際には仕事を依頼するようになってから継続してお願いできそうかどうか判断することになります。弊社では必ずフィードバックをしますが、それを見て復習し、指摘を積極的に受け入れ翻訳に進歩が見られる方には、継続して仕事をお願いしたいと思います」(小嶋さん)

最後に小嶋さんから英文のテクニカルライティングを学ぶのに有用なテキストを教えていただきました。

「“The Elements of Style, 4th”“The Chicago Manual of Style, 16th”“Microsoft Manual of Style, 4th”をお薦めします。プロもよく使うすぐれたテキストです」(小嶋さん)

翻訳事業部ディレクタ小嶋淳さん