ご利用企業インタビュー

WDBココ株式会社(旧 WDBアイシーオー株式会社)

WDBアイシーオー株式会社医薬・医療に特化した翻訳サービスを提供

WDB アイシーオー株式会社は、医薬に関するデータの管理・分析およびドキュメント作成のサポートを行う医薬品開発支援企業です。1986年に前身である株式会社アイ・シー・オーが設立され、2012年にWDBメディカル株式会社と合併し現在の体制になりました。理学系研究職に特化した人材サービスを展開するWDB グループの一員として、主に医薬翻訳やメディカルライティング、安全性情報管理に関する仕事を行っています。

同社の業務内容の中でも最も大きな位置を占めるのが、医薬・医療・ライフサイエンス系翻訳のサービスです。医薬品の開発から申請、製造、販売に至るまでの各段階で必要とされる、あらゆる文書を訳す医薬翻訳をメインに、医療機器、バイオ、食品、農薬、化学など幅広い分野に対応しています。

「翻訳の内容としては、最先端技術に関するもの、エンジニアが読むような技術書、ユーザー向けの製品説明書やマニュアルなどが比較的多いです」(翻訳事業部ディレクタ 小嶋淳さん)

「英語を中心に、ドイツ語、フランス語、韓国語、中国語など、さまざまな言語に対応しています。日英・英日翻訳の比率は平均すると半々ですが、大きなプロジェクトが入って一時的に英訳のニーズが増えるなど波はあります。メディカル翻訳は専門性が非常に高く、特にこの分野の英訳者の方は慢性的に不足気味ですので、即戦力となっていただける方は常に募集中です。ぜひトライアルに応募していただければと思います」(翻訳部 青木侑子さん)

派遣による社内翻訳の需要も

同社では、翻訳部以外でも翻訳に関する仕事が発生するケースがあるといいます。

「製薬企業に翻訳者を派遣して、社内で発生する医薬翻訳を行うオンサイト受託も行っております。社内翻訳になりますので、翻訳者の方の働き方はフリーランスではなく弊社の正社員あるいは契約社員となります。プロジェクト単位で期間を区切り、製薬企業に出向いて翻訳していただく形態になります」(企画開発部 平井沙希さん)

翻訳する内容は申請資料などの和訳・英訳で、翻訳部からフリーランス翻訳者に依頼する医薬翻訳と同じ種類のものだそうです。

「在宅フリーランスの場合は、かなりの部分を自分で判断できる知識と経験が必要ですが、派遣スタッフの場合はある程度サポートを受けながら仕事をすることができますので、翻訳経験が浅い方でも英語力や医薬に関する知識がある程度あれば始められると思います」(平井さん)

また、医薬品はその安全性を確保するために、治験中あるいは市販後でも有害事象を公的機関に報告する義務があります。国際医学団体協議会が定めた「CIOMS フォーム」と呼ばれる報告書があり、安全性情報管理業務ではこの翻訳も和訳・英訳ともに定常的に発生するそうです。

需要は安定、特に日英翻訳者が不足気味

同社の登録翻訳者は現在200 〜250 人。募集は同社サイトおよびアメリアWeb サイトの「JOB」より行っています。

「アメリアWeb サイトでは、特に不足している日英翻訳者を募集しています。基本的に医薬翻訳の経験が3年以上あることが条件ですが、<日英>のクラウン会員資格がある方であればトライアルを受けていただけます」(平井さん)

文系出身の翻訳者も数多く活躍している医薬翻訳の分野ですが、実際に仕事を得られるようになるためには医薬に関する経験や知識はどのくらい必要なのでしょうか。

「専門性はジャンルによって大きく違ってきます。製造や非臨床となると、製薬業界での経験がなければ対応するのが難しいでしょう。しかし臨床であれば、文系の方でも語学力をベースに医薬に関する基礎知識を身につければ活躍できるチャンスがあると思います」(青木さん)

最後に、医薬翻訳の需要について伺いました。

「製薬企業や医療機器メーカーの翻訳ニーズは非常に高く、安定しています。景気の影響をあまり受けない分野ですので、今後も安定が続くと期待しています。経験豊富な方は在宅翻訳者の即戦力として、経験を積みたい方はオンサイトの翻訳者として、ご自身の実力やライフスタイルに合わせて働き方を選んでいただきたいと思います」(平井さん)

わが社のここが自慢! 翻訳者育成制度が充実

製薬企業での経験や医薬に関する知識が重視されるメディカル翻訳の業界ですが、専門性の高い分野だけにフリーランスの翻訳者が独自に経験を積むことは簡単ではありません。しかしながら翻訳ニーズは安定的に高く、優秀な翻訳者は不足気味。そこで同社では、即戦力の人材を採用するだけではなく、ポテンシャルのある人材に対して専門知識習得の場を与えたり、正社員や契約社員として企業に出向いて翻訳をしているスタッフに対しては、定期的に研修を行うなどして、積極的に人材育成を行っています。

「職種によって異なりますが、正社員や契約社員の方には、まず入社時に研修を行い、その後も年に4 回程度、定期的に研修を行っています。研修内容としては、薬事法について、医薬品開発から申請の流れ、癌や糖尿病など特定の病気についてなど、メディカル翻訳に必要な医薬の知識を身につけていただくことを目的としたものになっています」(平井さん)

また、英日に比べるとその数が少ない日英翻訳者ですが、英訳のニーズは常に高いといいます。同社では、今後は英訳講座を企画するなどして、さらに積極的に翻訳者育成を図っていく予定です。

スタッフからひとこと!

安定した需要が見込め、今後も登録翻訳者の募集を継続的に続けていくという同社に、この分野で必要とされている翻訳者とはどういう人か尋ねました。

「基本的なことではありますが、情報リテラシーが高いこと、用語の選択が正確であること、訳文全体を通して一貫性があり、かつ品質が一定であることが重要です。トライアルに合格した方でも、実際に仕事をお願いしてみると、これらのことが十分ではなく、その後の継続的なお仕事の依頼につながらないことがあります。トライアルでもこのあたりを見極めようとしていますが、文章量が少ないため正確な判断ができないこともあります。ですから、仕事が始まってからも、特に最初のうちはトライアルの延長と考え、私ども、ひいてはクライアントの求めている翻訳はどういうものか、よく考えながら仕上げていただくことが大事だと思います」(青木さん)

継続的に仕事をお願いしたくなる翻訳者の方というのは、どのような特徴があるでしょうか。

「そうですね、先に挙げた基本的なことが守られているのは当然のこととして、納品の際に適切なコメントを付けてくださる方が多いように思います。疑問点を自分でよく調べ、吟味したうえで書かれたコメントは適切で、要点をついているので非常に助かります。それから、活躍している翻訳者さんは、忙しいと思うのですが勉強熱心で、自分の対応可能領域をどんどん広げていますね。そうすることで、仕事を依頼する機会がますます増えていくという結果になります」(青木さん)

最後に、医薬翻訳者を目指して学習中の方に向けてメッセージをいただきました。

「医薬翻訳は、求められるレベルも高く、内容的にも難しいため情報リテラシーが重要となりますが、弊社はきっちりと丁寧に仕事をこなしてくださる方に対しては、どんどん仕事をお願いしたいというスタンスですので、ぜひ力を付けて、活躍していただきたいと思います」(青木さん)

左が翻訳部の青木侑子さん、右が企画開発部の平井沙希さん