ご利用企業インタビュー

YAMAGATA INTECH株式会社

YAMAGATA INTECH株式会社顧客ニーズに応じてドキュメント制作を開始

印刷業を主体にYAMAGATA 株式会社(当時は山縣印刷所)が創業したのは、今から100年以上前の1906年のこと。そしてYAMAGATA INTECH株式会社は、そのYAMAGATA株式会社のドキュメント制作部門が独立するかたちで1983年に発足しました。

「YAMAGATA株式会社の仕事のひとつに自動車や電化製品の取扱説明書の印刷がありましたが、今から30年ほど前、お客様から印刷だけではなく制作もできないかと相談を受けたそうです。ドキュメント制作にかける労力を軽減し、開発に専念したいというわけです。そこで弊社が、お客様の開発情報を入手しながら、開発と並行して取扱説明書等を書き起こしていく制作体制を社内に整えたのです。後にこの制作部隊が別会社化したのがYAMAGATA INTECHです」(翻訳ビジネス部シニアプロジェクトマネージャー大滝浩子さん)

顧客の製品は世界中へ輸出されていたため、取扱説明書は多言語に展開する必要がありました。そのため、日本語で書き起こしたものを英語に翻訳して、あるいは日本語と同時に英語でも書き起こして、英語から多言語へ翻訳という方法が取られるようになりました。

「日英・英日よりも、英語から多言語への翻訳が多く、全体の8割近くを占めています。英語以外の言語は、約50言語ほどに対応しています」(大滝さん)

企画から印刷までドキュメント制作を一手に引き受ける

顧客の開発部門と密に連絡を取り、ときには席を並べて情報を吸い上げながら、ドキュメント制作の企画・提案から印刷までのすべての工程をワンストップで引き受けるのが同社の強みです。

「例えば、自動車関連のドキュメントなら、整備士の免許を持った人間など、専門知識を持つものがライティングをします。単に翻訳の部分だけを切り離して受けているわけではなく、翻訳も制作の流れの一部ととらえ、深く内容に踏み込んだ翻訳をしているのが特徴と言えます」(大滝さん)

実機確認や取材にお客様企業に出かける必要がありますし、発売前の製品はときには重要機密で社外に一切持ち出し禁止の場合もあります。そのため、制作部はお客様の開発部門の近くに拠点を構える必要があり、お客様が海外進出した場合は、現地まで出向いて対応することもあるそうです。その結果、同社の事業所は世界11カ国に19拠点、日本国内に7拠点の合計26拠点に広がりました。社員数はYAMAGATAINTECH として336名、グループ会社には印刷業務を受け持つYAMAGATA JAPAN株式会社もあり、グループ全体では社員数は約2000名にのぼります。

「最近の傾向としては、タブレットやユーザー・インターフェイスなどデジタル媒体で使用するものが増えてきています。紙媒体だけでなく、多種多様なメディアに対応できるように幅を広げていきたいと思っています」(大滝さん)

勉強熱心で向上心のある翻訳者と共に

フリーランスの登録翻訳者は100名以上ですが、主に仕事を依頼しているのはそのうちの約20名ほどだそうです。登録翻訳者は同社のHPで常時募集しているほか、大型案件の予定があり、特定の分野で登録翻訳者を増やしたい場合などは、アメリアの「JOB」で募集することもあるといいます。

「先に経歴書を送っていただき、即戦力の翻訳者の場合は経験3年以上を基準としてトライアルを受けていただいていますが、その前にメールのやりとりがスムーズにいかない方などは実際の仕事になっても非常に困りますので、その時点でお断りすることがあります」(大滝さん)

自動車や電気など技術的な知識はトライアルを受ける時点でどのくらい必要なのでしょうか。

「技術書類の翻訳になると、それぞれの分野に特化した専門知識が必要になりますが、会社案内や契約書など他にもさまざまな案件があり、専門知識がなくても興味を持ってきちんと調べれば翻訳できるものも多数あります。また、経験3年以上がひとつの基準ですが、トライアルの訳文を拝見して、学びながら伸びていっていただけそうな方には、経験を積むという目標を持って違う分野の翻訳に取り組んでいただくためにも、実際のお仕事をお願いする機会を増やしていきたいと考えています。勉強熱心な方は仕事を通して何でも吸収して対応していただけるので、非常に助かります。分野は違うけれど翻訳に情熱があり、チャレンジしてみようという方にも、ぜひトライアルを受けていただきたいです」(大滝さん)

わが社のここが自慢! システムに強い点を生かして業界をリードしたい

社内にソリューション部というシステムを組むチームがあるほか、ヨーロッパの事業所には翻訳に特化したシステムをつくるスタッフも常駐する同社では、例えば『QA Distiller』といった翻訳の品質保証をするツールを自社開発しています。このツールは、訳抜けはないか、数字は半角か、余計なスペースがないかなど、翻訳ファイルの書式エラーを自動的に検出するソフトウエアです。他にも、コンテンツ・マネージメント・システムや、データベースから情報を引き出して自動デザインするシステムなど、効率よくスピーディに仕事を進めるためのツールも開発し、活用しています。

「最近は機械翻訳の導入に向けて社内でも力を注いでいます。コスト削減はもとより、納期短縮の面からもお客様は機械翻訳にたいへん興味を持っています。業界として機械翻訳が増加するのは避けられないことだと思いますので、今のうちから対応していこうというわけです。機械翻訳といっても単に機械に任せればいいというわけではありません。用語集などの過去の言語資産をどう取り込むか、プリエディットと呼ばれる事前に機械が読み取りやすいように原文を編集する作業や、ポストエディットと呼ばれる翻訳後の人の手による編集作業など、ノウハウがなければうまくいかない部分も数多くあります。現在は、従来通りの翻訳と機械翻訳とで、日程はどう変わるか、仕上がり精度はどう違うか、試行錯誤をしながらノウハウを蓄えているところです。時代の流れに遅れないよう、むしろ市場ニーズをくみ取って業界をリードしていきたいと考えています」(大滝さん)

機械翻訳になると、翻訳者の仕事にはどのような影響があるのか、気になるところです。

「これまで人の手によって行っていた翻訳の一部が機械翻訳に移行することになると思いますが、今までコストがかかるから、急ぎだからできないとあきらめていた文書も、より安く早い機械翻訳ならできるということで、翻訳案件の全体量は増える可能性もあります。その場合、ポストエディットという仕事が増えてきます。翻訳者さんにはぜひ注目していただきたいのですが、従来の翻訳と同じではありません。むしろ、翻訳で培ったスキルが邪魔をしてしまうかもしれません。表現の一つ一つにこだわっていては追いつかない、時間と翻訳精度との兼ね合いが難しいところです。今は社内の翻訳者が試行錯誤で行っていますが、翻訳者の方でポストエディットの仕事に興味がある方がいらっしゃれば、ぜひ一緒に挑戦していただければと思います」(大滝さん)

スタッフからひとこと!

トライアル応募書類には自身の思いを込めてほしい

翻訳者とコミュニケーションを取ることを常に心がけているというシニアプロジェクトマネージャーの大滝さんに、お話を伺いました。

「トライアルの応募書類の書き方が気になることがあります。例えば翻訳実績の書き方ですが、単につらつらと翻訳したドキュメント等のタイトルが羅列されていると、『この人は何ができるのか? 何をしたいのか?』が見えてこないのです。これが、ボリューム、期間、内容などの情報も加えて、どのような仕事だったのかがわかるようにまとまっていると、『専門性、経験があるから短期間でも頑張ってもらえそうだ』とか、『この分野が多いから得意なのだろう』『この分野に力を入れていきたいのだろう』などと読み取れます。そのような翻訳者さんの意図が伝わってくると、『この人ならうまくまとめてくれそうだ』『こんな文書ならお願いできるかも』『ボリュームが多いけどこの人なら大丈夫そう』と想像ができ、実際にお願いしてみようという気持ちになります。翻訳は、翻訳者と翻訳会社が一緒になって仕上げるもの。お互い理解し合いながら、一緒に高まっていければと思っています」(大滝さん)

翻訳ビジネス部は全部で16名。
そのスタッフを代表して、左からルイスさん、大滝さん、ショーンさん、大嶋さん