ご利用企業インタビュー

Textappeal

Textappeal世界の市場で一貫したマーケティングを行うために

Textappeal社は1998年にフランス・パリにて設立されたクロスカルチュラル・コンサルティング・エージェンシーです。2002年に拠点をロンドンに移しました。では、クロスカルチュラル・コンサルティングとは、具体的にどのような業務を行っているのでしょうか。

同社では、グローバルに展開するブランドの、マーケティング・コミュニケーションを効率化させるためのコンサルティングと、クリエイティブな翻訳〈トランスクリエーション〉を手がけています。

まずコンサルティングのほうですが、世界151カ国に約200名の登録コンサルタントがいて、顧客が保有している翻訳された既存のマーケティング資料を、正確さや文法だけでなく、各言語で一貫したブランドのスタイル・トーンが保たれているか、各市場での効果はどうか、といった視点から分析し、改善策を提案するのが仕事です。また、各言語でブランドの一貫性を保つための、コピーライティング・翻訳用スタイルガイドを作成したり、実際にグローバルに展開する広告キャンペーンの予定がある場合は、コンセプトおよびコピーが各国の市場向けに適切に翻訳することが可能か、そしてビジュアルの要素も含めて狙いどおりの効果を得ることができるか、事前にチェックを行ったりするのだそうです。

原文のニュアンスを伝えるトランスクリエーション

コンサルティングと並び、もうひとつの業務の柱となるのが、トランスクリエーションです。

トランスクリエーションとは、広告のヘッドラインなどに必要な、クリエイティブな翻訳を指した造語だそうです。正確さが重視される従来のトランスレーションとは対照的に、原文のコピーが持つニュアンスやインパクト、トーン、モチベーションなどを、どの言語に展開した際にも維持することを第一の目標として行います。主に、出版広告、屋外広告、TVコマーシャル、ラジオ、ビデオ、店内プロモーション、パッケージ、ウェブサイト、出版物などにおいてトランスクリエーションは必要とされるのだそうです。

同社のスタッフは全部で15名。国籍は、ロシア、中国、ドイツ、フランス、イタリア、エジプト、ギリシャ、ベラルーシ、ポーランド、南アフリカと多彩で、日本人スタッフは2名います。コピーライターおよび翻訳者の方々の居住国も150カ国以上にわたります。トランスクリエーションは、必ずターゲットとなる市場に住み、ローカル事情をよく理解している方が行います。例えば日本を市場とする広告の場合、日本のマーケティングのトレンドに敏感な方のほうが、より効果的なコピーを提案することができるためです。特にグローバルキャンペーンの場合は、英語のコンセプトが必ずしも日本市場に当てはまるとは限らないので、コンサルティング的な要素も要求されることとなります。

広告・マーケティングに対する熱意と柔軟な思考が必要

登録翻訳者は、全言語でおよそ1270名。そのうち英日翻訳者の数は30名ほどです。

翻訳者の募集は、同社ウェブサイトより履歴書を送るほか、アメリアWebサイトの「JOB」から応募することもできます。また会員プロフィール検索を利用して、直接声を掛けることもあるそうです。いずれの場合も、登録前にトライアルを受ける必要があります。

日本人翻訳者に求められるスキルとしては、日本語力・英語力の高さはもちろん、いかに日本市場を理解しているかが重視されます。また、積極的にリサーチを行う姿勢が必要であり、そのような翻訳者が提案したコピーには説得力があるといいます。広告・マーケティングに対して熱意があること、そして柔軟な思考を持っていること、すぐれたコピーを作るという目的のもと意見を交わし合うことも重要で、そのような中でお互いに学びあうことも多く、仕事をしていてよい刺激にもなるといいます。

アメリアを通して2年ほど前に同社から登録翻訳者の求人募集がありました。

「135名の応募があり、数名の方が登録に至りました。その中の1人の翻訳者の方は、弊社の求めているトランスクリエーションをよく理解してくださり、コンサルティングとトランスクリエーションの両方の分野で、現在まで定期的にお仕事をお願いしています」(採用担当スタッフ)

わが社のここが自慢! 共に学び、理解を深めながら仕事に取り組む

同社では、フリーランスの翻訳者・コンサルタントの方々をチームの一員として捉えて、学ぶ機会やスタッフと交流する機会を積極的に設けています。

「オンラインセミナーを行ったり、ロンドンでのワークショップに招待するなど、クロスカルチャー・コミュニケーションについて学ぶ機会を作るようにしています。効果的なコピーを生み出すためには、言語だけでなく、その背景となる文化を理解することが大切です。その理解を深めるため、弊社では積極的にブログでさまざまな国の文化におけるトレンドを発信しています。例えば、最近では、中国の消費ブームの一大セグメントである『新・貴族階級』とは具体的にどのような人たちなのか、ということを記事にしました。実際に翻訳者の方から届く各国の広告・マーケティングに関するニュースをブログ記事にすることも多く、そうしたトレンドに敏感な翻訳者の方々と共に働けるのは、とても刺激的な環境です。コピーのターゲット層となる人々は、常に変化していきます。こうした情報を各国の翻訳者の方々と共有していくことは、クロスカルチャー・コミュニケーション理解の助けにもなりますし、常に自分の国の事情を客観的に見ることは、グローバルに展開する広告を手がける上で非常に大切なことだと信じています」(日本人スタッフ)

スタッフからひとこと!

大事なのはメッセージを届けること

同社が行うトランスクリエーションとはどういうものか、翻訳とはどこが違うのか、お話を伺いました。

「トランスクリエーションとは、ある言語を別の言語に置き換える翻訳でもなく、かといってまったく別のオリジナルコピーを一から制作するのでもない、トランスレーションとクリエーションの中間に位置するものです。トランスレーションにおいては、原文の言葉の意味を維持することが重視されますが、広告・マーケティングに必要とされるトランスクリエーションにおいては、原文のコンセプト(原文のコピーの意図、スタイル、コンテクストを含みます)を維持することが重視されます。つまり、うまくトランスクリエーションされたコピーは、読んだ人に原文コピーと限りなく近い感情・連想を引き起こし、国境、文化の壁を越えて、グローバルキャンペーンが一貫したメッセージを届けることを可能にするのです」

トライアルには日本からもたくさんの応募があるそうですが、合格率は高いとは言えないそうです。

「グローバル・キャンペーンを日本で展開するにあたって必要な、翻訳のプラスアルファの部分があと一歩という場合が多く見受けられます。弊社のブログで扱っているような広告・マーケティングに関わるトレンドに常に目を配りながら、それをコピーに柔軟に反映させられるような方を随時募集しています。広告・マーケティングでの実際の経験が少なくても、関心のある方には、この点を考慮して、どんどんトライアルに挑戦していただきたいと思います」

さまざまな国籍のスタッフの皆さん