ご利用企業インタビュー

ライオンブリッジ ジャパン株式会社

ライオンブリッジ ジャパン株式会社

ローカリゼーション業務に携わるスタッフの皆さん

ローカリゼーション プロバイダーの最大手

ライオンブリッジ ジャパン株式会社は、アメリカ マサチューセッツ州に本社を置くローカリゼーション プロバイダーLionbridge Technologies, Inc.の日本法人です。アメリカ本社は1996年に、日本法人は2年後の1998年に設立されました。その後も世界中に拠点を増やし、現在は26カ国46拠点と業界ナンバーワンの規模を誇る会社に成長しました。

「社員は全世界で4600名ほどです。世界中のブランド企業をお客様として、翻訳、オンライン マーケティング、グローバル コンテンツ管理、テスティング、エンジニアリングなどのソリューションを総合的に提供しています」(代表取締役サイトリーダー 稲垣美貴さん)

世界中のお客様に対し、グローバルな組織として各拠点が連携を取りながらソリューションを提供する同社。日本オフィスでは、英日翻訳、欧米や日本のお客様からの多言語展開を担っています。

「ローカリゼーションの制作を行う部門には、プロジェクトマネージメント、ランゲージ、エンジニアの3つのグループがあります。プロジェクト マネージメント グループが全体の取りまとめやお客様とのやり取りを、ランゲージ グループが翻訳者の選定や翻訳品質管理を、エンジニア グループはテスティングや技術的なサポートを行います。その他、営業やIT管理などのサポート スタッフが若干名います」(稲垣さん)

新たな媒体にローカライズのニーズが拡大

翻訳分野としては、もともとローカライズのニーズが高かったIT系を中心に、最近はメディカルや金融など他の業種でも需要が高まってきているといいます。

「ソフト・ハードウェア製品などのIT系や、カメラやコピー機などの光学・OA 機器はローカライズが浸透している業種ですので相変わらず高いニーズがあります。医療機器や治験関連などのライフサイエンス分野、ゲーム・マルチメディア分野、契約書や市場動向レポートなどの金融分野のローカライズ需要の高まりは、近年皆さんの知るところとだと思います。今後ますますニーズの拡大が期待できそうなのは、ネット通販や旅行予約サイトなどのコンシューマ向けサービス業ですね。いろいろなビジネスがインターネットを通じて行われるようになってきていますので、新しいビジネスの概念に興味を持ち、その分野の新しい専門用語を学ぶ姿勢が翻訳者さんにも必要だと思います。それからソーシャル メディア系の急速な発展も見逃せません。クライアントとなる企業様が顧客に向けてブログやFacebook などを通して情報を発信するケースが増えているのです。かなりスピーディな翻訳対応が求められますので、媒体の特性を理解したうえで、それに適した翻訳を迅速に行ってくれる翻訳者さんの確保が急務となっています」(ランゲージ グループ マネージャ今川佳子さん)

毎回の仕事の評価が次の仕事につながる

同社では、契約翻訳者の管理は日本オフィス単独で行うのではなく、ベンダー マネージメントという組織がグローバルに行っています。

「日本語翻訳の案件は、日本だけで発生しているわけではなく、世界中の拠点で動いています。ですから、どの拠点からでも依頼しやすいように、翻訳者の情報を一元管理する必要があるのです。現在、弊社で翻訳可能な言語は250以上ですが、翻訳者は個人と会社など団体も含めて全言語トータルで22,000名以上の登録があります」(今川さん)

翻訳者の登録については、従来の"トライアル"での選考というプロセスを採用していません。翻訳者用のサイトから翻訳者の皆さんに、得意分野や実績、希望単価を入れていただき、それらの情報審査をクリアすれば登録される仕組みです。実際のお仕事にて評価し、その後継続的に登録いただけるかを慎重にモニターしています。

「数百ワードの翻訳だけでは翻訳者の実力は測れないと思っています。実際のプロジェクトにて、特に最初の数回は細かく品質確認を行い、翻訳品質、納期遵守、申し送りなどのコミュニケーション力などを総合的に評価することでトライアルの代わりとしています。評価は、翻訳者さんにフィードバックすると同時に全社で情報を共有して、以降の翻訳者選定の参考にさせていただきます」(今川さん)

わが社のここが自慢! グローバル管理で全言語の品質統括を

ライオンブリッジは世界26カ国に46の拠点を持っていますが、最も特徴的だといえるのは、それらの拠点が単にネットワークとしてつながっているのではなく、あらゆる情報をグローバルに管理することで一貫性のあるサービスを提供できるようにしている点です。例えば、日本に本社を置く企業から多言語展開の依頼があった場合、タイムゾーンが同じ日本オフィス内にグローバルプロジェクト マネージャを置き、関連言語を扱う各拠点にローカル プロジェクト マネージャを立てて一つのチームを作ります。

「ただ仕事を分担するだけでは品質レベルや全体の一貫性が保てませんので、グローバル プロジェクト マネージャがプロジェクト全体を統括し、グローバル ランゲージ リードが全言語の品質統括を行います。もちろん、海外のオフィスが中心となり、私たちは日本語チームとしてプロジェクトに参加するケースもあります」(稲垣さん)

「世界中にオフィスがありますので、各国のサービス手法が均一であること、また『日本オフィスは和訳には強いが、仏語の翻訳は手配できない』といったサービス分野に偏りが出ないように、制作プロセス、言語品質管理、翻訳者の評価など、あらゆる基準をグローバルに定めています」(今川さん)

これは、仕事のパートナーである翻訳者にもメリットのあるシステムだといいます。

「翻訳者は全オフィス共通のデータベースでグローバルに管理されていますので、英日翻訳の案件が発生すればどのオフィスのスタッフでも要件に合わせて検索して、その案件に合った日本人翻訳者を見つけることができます。ですからライオンブリッジの翻訳者として登録されるとインドのオフィスから、あるいはワルシャワのオフィスから直接翻訳を依頼されることもあり、仕事のチャンスが広がると思います」(今川さん)

スタッフからひとこと!

お客様ニーズをくみ取る努力を

翻訳の品質管理に深くかかわるランゲージ グループのマネージャ今川佳子さんに、共に仕事を進めるパートナーである翻訳者にお願いしたいことを伺いました。

「お客様から求められることが多岐に及んできています。翻訳だけではなく、例えば、昨今では周知されるようになった機械翻訳のポスト エディットや顧客のマーケティングのための各種調査作業など、多種多様のご要望が増えています。翻訳者の方には柔軟な発想とチャレンジ精神で、さまざまなものに応じていただく姿勢を持っていただくことが、お客様のニーズやトレンドを知るいい機会になることもあります」(今川さん)

特に翻訳の実務経験の少ない若手翻訳者は、純粋な翻訳とは異なる周辺業務を経験して実績を積み上げることで、翻訳の仕事の受注につなげていくことも可能です。

「経験の少ない方の場合、翻訳周辺業務やオンサイト業務などを通して、翻訳会社とのつながりを作る、という方法は有効ではないかと思います」(今川さん)

また機械翻訳、新しいサービスやテクノロジーは確実に浸透してきていますが、それを敵対視する翻訳者も少なくないと言います。

「在宅翻訳者の方々が、お客様の最新事情を知りうるのはなかなか難しいことだとは思いますが、貪欲にお客様の望むことを理解しようとする努力は必要です。弊社でも勉強会やミーティングなどで情報提供を行っておりますので、積極的に参加していただいて、お客様の声に耳を傾けていただきたいと思います」( 今川さん)

右が代表取締役の稲垣さん、左がランゲージ グループの今川さん