ご利用企業インタビュー

株式会社アットグローバル

株式会社アットグローバル英語はもちろんアジア言語を手がける翻訳会社に

アットグローバルは今年で設立12年目の翻訳会社です。社長の小田島さんはもともと大手コンピュータ会社の社内翻訳者でした。韓国語が堪能で、韓国人や中国人の友人も多かった小田島さんは、英語だけではなくアジア言語も手がけ、日本とアジアをつなぐビジネスの手助けをしたいという思いから、独立して翻訳会社を設立することを考えたそうです。

ご自身の専門分野であるITマニュアルの英日翻訳から始め、電気や機械、金融、医療の日英・英日翻訳へと守備範囲を広げていきました。

また、会社設立の理念どおり、当初より韓国語・中国語の翻訳にも力を入れ、ソウルに駐在事務所を置き、中国の翻訳会社とパートナーシップを締結するなど、着々と現地での翻訳体勢の構築を進めました。

そして、2013年4月には中国に現地法人としてアットグローバル上海を、同12 月にアットグローバル香港を設立し、ますますアジア地域の強化を図っています。

「上海では主に中国語、韓国語などアジア言語の管理を行っています。香港は東南アジアの玄関口ですので、中国はじめタイ、インドネシア、ベトナムなどアジア方面の営業拠点として位置づけています」(代表取締役 小田島耕治さん)

海外拠点とも連携をとりますます対応分野を広める

現在、日本オフィスの社員は、プロジェクトマネージャー8名、レビュアー2名、リソースマネージャー2名、営業・総務・経理が各1名の合計15名です。上海には中国語、韓国語に対応できるスタッフも含めて合計7名、香港には営業スタッフが2名います。

「それぞれ別会社ではありますが、協力体制を取っており、連携して業務に当たっています。プロジェクトマネージャーは日本と上海に計13名いて、英語チームとアジア言語チームに分かれて対応しています」(小田島さん)

IT、技術、金融、医療に加えて、最近、依頼が増えているもののひとつに、観光に関する翻訳があるそうです。

「外国人観光客を誘致するために、日本の情報を発信し、日本を好きになってもらい、日本を訪れてもらう、という活動をさまざまな省庁が推し進めています。弊社では日本政府観光局の外国人向けホームページの9 言語への翻訳を担当しています。東京オリンピックに向けて観光産業は民間も含めてますます活発になると思いますので、英語だけではなくアジア言語、ヨーロッパ言語にも力を入れてやっていきたいと考えています」(小田島さん)

翻訳会社にとって命となる人材発掘に積極的

登録翻訳者はすべての対応言語あわせて現在約1000人。常に優秀な人材の発掘を行っています。

「翻訳会社にとって翻訳者やチェッカーといった人材は最も重要です。弊社では人材発掘のために専門スタッフを2 名配置して、複数の方法で優秀な翻訳者やチェッカーの発掘に力を入れています」(小田島さん)

発掘方法の1つは、すでに仕事を依頼している登録翻訳者からの紹介。戦力となる翻訳者を紹介した人にはコミッションを支払うシステムを導入しており、うまく機能しているそうです。

もう1つはアメリアのような翻訳者ネットワークを活用する方法。日本人翻訳者発掘には主にアメリアを利用し、アジア言語、欧米言語などのネイティブ翻訳者等を探す目的で海外の翻訳者データベースにも当たっているそうです。

「英・中・韓に加え、東南アジア3言語(タイ、ベトナム、インドネシア)のトライアル課題の準備が整いました。応募者の方にはトライアルを受けていただき、合格者には少しずつお仕事をお願いします。その仕事の結果が良ければ社内で“reliable”な翻訳者として登録し、レギュラーでお仕事をお願いする、というシステムを取っています」(小田島さん)

わが社のここが自慢!信頼関係の上に成り立つサテライトオフィス

10年前より、一部自宅で仕事を行うサテライトオフィスのシステムを取っているという同社。どのようなメリットがあるのか伺いました。

「大きなメリットとしては2つあると思います。1つは広い事務所が必要ないこと。事務所費用は売上げに関係なく毎月かかる固定費です。翻訳会社としては、コストは建物ではなく人に掛けたいので、極力抑えたいと考えています。もう1つは、時差がある海外のお客様に対応しやすくなるということです。基本的には、平日の9〜19時くらいを就業時間としていますが、各自の担当案件に応じて、土日や深夜に稼働した方が都合がいい場合は、日中の忙しくない時間帯をプライベートタイムに当て、土日や深夜に稼働するなど臨機応変に対応してもらっています。会社にも社員にも、両者にとってメリットが大きいと感じています」(小田島さん)

もちろんメリットだけではなくデメリットもあります。最も懸念されるのは、自宅で仕事をするということで社員の横の繋がりが希薄になりがちだという点だそうです。

「そこは、会社としてどうフォローしていくかが大事。週に最低2日は出勤日を設け、仕事のやり方など蓄積したノウハウを共有するようにしています。また、営業と共にお客様を訪問する機会をつくったり、一緒に食事をしてコミュニケーションを取るようにもしています。自宅での仕事は自己管理力が必要とされ、その点も自分との戦いという厳しい部分だと思います。密に連絡を取ることでモチベーションを上げることも重要だと考えています」(小田島さん)

サテライトオフィスを成功させるキーとなるのは、働く者同士の信頼関係。会社と社員、社員同士が信頼しあっているからこそうまく機能するのですね。

「このスタイルですでに10年やってきました。デメリットを解消しつつ、メリットを生かして今後もやっていけるのではないかと手応えを感じています」(小田島さん)

スタッフからひとこと!

アウトプット言語の強化と向学心を

人材の発掘や育成に力を注いでいる同社。まずは翻訳者に求めることを伺いました。

「基本的なことですが、やはりベースとなる言語力が重要だと思っています。ソース言語の理解力ももちろん大切ですが、結果的に翻訳はアウトプットが大事なので、英日翻訳なら日本語力の強化に力を入れていただきたいですね。英文解釈による直訳ではなく、英語を理解したうえで、翻訳の域を超えないように日本語として自然に訳す。当たり前のことではありますが、それを実践することは実は難しいことです」(小田島さん)

さらに今後、需要増が見込まれるアジア言語について、日英・英日翻訳者とは違った視点が必要だと指摘します。

「英語の翻訳者は、仕事の全体量が多いので分野を絞ることができますが、アジア言語の翻訳者の方は、ある程度ジェネラリストになることが求められると思います。幅広い分野の知識を持つこと、あるいは未知の分野に対する向学心を持つことが必要なのではないかと。自分の専門分野にとどまらず、積極的に学んでいこうという意識の高い翻訳者の方と出会うとうれしくなります。よく調査をし、どんな仕事をお願いしても基本的な専門知識をすぐに学んでくれる、そんな方は非常に信頼がおけますし、一緒に仕事をしていても楽しいですね」(小田島さん)