ご利用企業インタビュー

Mitaka thebigword株式会社

Mitaka thebigword株式会社世界13拠点のネットワークで言語サービスを提供

thebigwordは英国に本社を置く言語サービスプロバイダです。翻訳・通訳など言語関連サービスを提供しています。1980年に設立され、現在では世界に13拠点を構え、約600名の従業員を擁します。
「翻訳サービスでは、欧州、アジア、米国と世界中にオフィスがあることで、時差を利用して、よりスピーディにお客様のご要望に応えることができます。お客様の近くに営業拠点を置くことで、必要な際いつでもお客様の言語でコンタクトを取っていただけるよう、オフィスを増やしてきました」(翻訳者・通訳者 採用担当 インツ・リンダさん)

日本の拠点であるMitaka thebigword は2008年に開設されました。
「日本の拠点を開く以前より日本には日系企業、外資系企業の日本支社など多くのお客様がいらっしゃいました。業種は自動車や機械が多く、日本語や英語のマニュアルを欧州やアジアの複数の言語へローカライズする案件を主に受けていました。お客様のそばに営業拠点が必要との考えで日本オフィスを開設して以来、新たなお客様も増え、翻訳分野もますます広がっています」(アカウントマネージャー道下裕美さん)

英日翻訳の案件増加にともない翻訳者の募集を強化

日本オフィスのスタッフは常時10名ほど。プロジェクトマネージャーが4名、社内翻訳者は4〜5名います。
「設立当初に多かった自動車、機械分野のマニュアル類の翻訳依頼に加え、最近は、分野では金融、IT、法律、化学、そして内容ではマーケティング文書やe ラーニングのテキストといった翻訳依頼も増えてきました。それにあわせて社内翻訳者も増やし、金融やマーケティングを専門とする方に常駐していただいています」(道下さん)

「英国や米国では、電話での医療通訳など通訳案件が増加傾向ですが、日本では翻訳案件が比較的多いですね。弊社では原則的にターゲット言語を母国語とする翻訳者に依頼します。現在は日本のお客様が増え、英日翻訳の案件が非常に増えてきています」(インツさん)

全オフィスでは英語の次にフランス、イタリア、スペイン、ドイツ、ポルトガルの5言語が多く、その他にも、東欧言語、北欧言語、アジア言語など、250種類以上の言語を扱っています。ただ、日本語への翻訳となると通常は英語を介すため、日本オフィスではやはり英日翻訳が圧倒的に多いそうです。
「英日翻訳の依頼増加にともない、ここ最近は特に登録翻訳者の募集に力を入れています。そのなかでアメリア・ネットワークの存在を知り、昨年登録してアメリアのJOBを活用させていただくようになりました」(インツさん)

金融、法律、化学、工業など幅広い分野で募集

thebigwordでは言葉に関するプロである翻訳者・通訳者・チェッカーらをリンギストと呼んでいます。現在、同社に登録しているリンギストは、翻訳・通訳あわせて世界73カ国に約1万2000人。そのうち日本人は約350人です。インツさんは翻訳・通訳を行うリンギストであると同時に、翻訳者の採用担当もしています。昨年に引き続き、今年も日本人翻訳者の強化を図る予定だそうです。

「採用の条件としては、フリーランス翻訳者として2年以上の経験があること、そして得意分野があること。大学での専攻や、いずれかの業界での勤務経験があればなおいいですね。最近、依頼案件が増えて強化している分野は、金融、法律、化学、工業などです」(インツさん)

現在もクライアントが増えている状況で、今後さらに別の分野での募集を行う可能性もあるといいます。
「欧州で募集する場合は、応用翻訳学の修士号を持っていることが判断基準のひとつですが、日本ではそのような翻訳の修士号はありませんので、翻訳学校等で学んだ経験などを参考にしています。履歴書から判断し、条件に合った方にトライアル翻訳に進んでいただきます」(インツさん)

登録翻訳者には、品質の維持・向上のためにトレーニングの機会も提供。イギリスのリーズメトロポリタン大学の協力を得て、新しいツールの使用方法などをeラーニングで学べるようにしているそうです。

わが社のここが自慢! テクノロジーに投資して翻訳の質を上げる

thebigword では、昨年秋から自社で独自に開発した翻訳管理システム(Translation ManagementSystem、以下TMS)の運用を開始しました。
「機械にできることは機械に任せて、仕事の効率化を図る。それにより捻出した時間で人間同士のコミュニケーションを深め、仕事の質を高めていく。そのような考えのもと、弊社ではテクノロジーへの投資を積極的に行っています」(道下さん)

TMSはウェブベースのシステムで、コーディネーターはもちろん、お客様も翻訳者もそれぞれのアクセス権でログインして利用します。例えば、お客様が翻訳を依頼したい文書をアップロードすると、すぐにその文書の自動解析がなされ、見積額が提示されます。前回と同じタイプのファイルであれば、翻訳プロセスも自動的に組み立てられ、いつもチームとして働いている翻訳者に自動的に送られスケジュール確認がなされる、といったことも可能です。
「このシステムがうまく機能するようになると、世界中のスタッフから最も適した人材を集めて、コスト・納期・品質などあらゆる面で最高のパフォーマンスができるバーチャルチームを組めるようになるでしょう。人為的なミスやロスを減らして翻訳そのものに掛ける時間を増やせるようになり、急なプロジェクトにも対応しやすくなります」(道下さん)

TMSには翻訳メモリも内蔵されています。翻訳者が自身で翻訳メモリのライセンスを購入する必要はなく、常に最新バージョンの翻訳メモリを無償で使用することができるのです。
「これまでプロジェクトマネージャーが一つ一つ手を掛けていたプロセスを、すべてつなげて自動化したのがTMS です。このツールを作るにあたっては、英国本社で働くプロジェクトマネージャー、社内翻訳者、そして弊社と10年以上のお付き合いがあるフリーランス翻訳者らが多く参加してテストを重ね、どのような機能が必要か、使い勝手を改善するにはどうすればよいか、時間をかけて検証しながら開発を進めました。昨年9月にリリースされ、日本では12月から運用が始まったばかりですが、翻訳者さんにとっても使いやすいインターフェースと機能になることを願っています」(道下さん)

スタッフからひとこと!

情報を共有しながら、よりよい仕事を

新たな登録翻訳者を数多く迎えている同社に、共に働く翻訳者に向けてのメッセージをいただきました。
「わが社は全社的にコミュニケーションを大切にしています。テクノロジーの導入もそのためで、翻訳者さんとのやり取りを増やすことで、もっと働きやすい環境にするにはどうすればよいか、といったことを考えています。翻訳者さんのほうも、わからないことや、あるいは改善してほしいことなど率直に伝えていただければ、さらによい関係が築けるのではないかと期待しています」(道下さん)

納品後にお客様からいただくフィードバックについても、品質向上のために翻訳者と共有していきたいといいます。
「お客様からのフィードバックは、クレームも、お客様の好みも、すべてフィードバックセンターに蓄積するようにしています。さらに、フィードバックの内容は独自のQA フォームによって別の翻訳者さんが客観的に分析し、お客様の好みの問題であればお客様専用の用語集に反映させたり、また翻訳者さんが気をつけるべき内容であれば個々に伝えたりするようにしています。翻訳者さんの中にはフィードバックをクレームと受け取って落ち込んだりする方もいらっしゃるのですが、落ち込むのではなく、次の仕事をよりよいものにするために活用していこうという姿勢で受け取っていただければと思っています」(道下さん)