ご利用企業インタビュー

株式会社トップスタジオ

株式会社トップスタジオIT系書籍翻訳をメイン業務に会社を設立

株式会社トップスタジオは、IT系の書籍翻訳を請け負う会社として1997年に設立されました。設立メンバーは、もともとIT系開発会社のドキュメント部門翻訳チームに所属していた方々で、メインフレームのマニュアル等の翻訳を主な業務にしていましたが、出版系翻訳の分野により積極的に取り組みたいと考え、会社を設立するに至ったそうです。

「会社設立当時はIT系書籍の出版社さんが翻訳出版に力を入れていた時代で、1000ページを超える分厚いものも数多くありました。弊社では、翻訳だけではなく、編集やデザイン、DTP作業も一括して行い、原書の画像が英語表記であれば日本語表記の画像をキャプチャーして画像を差し替えたり、日本の文化に合っていない記述は表現を変更したり、といった日本語読者向けのいわゆるローカライズも含めて請け負っていました」(専務取締役 佐藤立子さん)

会社設立から5年くらいは、書籍翻訳をメインに順調に推移していましたが、IT系の分厚い本が日本の読者から敬遠されるようになると、しだいに出版社は版権取得に手間の掛かる翻訳書から撤退するようになっていきました。 「弊社では以前から翻訳だけではなく書籍編集全般で実績がありましたので、2000年頃からは翻訳書にこだわらず、IT系の日本語書籍の編集を手がけるようにシフトしていきました」(佐藤さん)

書籍に加えてソフトウエア関連の翻訳も受注

時代がさらに進むと、翻訳書、和書にかかわらずIT系書籍そのものの出版が減ってきました。そこで次に同社が手がけたのがIT系ローカライズでした。 「2003年くらいから、何か新しいことを始めなければと、ITと翻訳の知識を生かして行えるソフトウエアのマニュアル、オンラインヘルプ、Webのヘルプページ、会社紹介ページなどの翻訳を積極的に受けるようになりました」(佐藤さん)

次に訪れた変化は2008年頃です。
 「依頼元の外資系大手MLV(マルチ・ランゲージ・ベンダー)の中には規模縮小、日本オフィスを撤退する会社も出てきて、2008年頃からは海外オフィスから直接依頼がくるようになり、英語でやり取りをすることが増えました」(佐藤さん)

ここ20年のIT業界の目まぐるしい移り変わりとともに、メイン業務が変化してきたトップスタジオですが、ITという軸足はぶれることなく、自分たちの培った知識や経験でその時々にできることを追求し、柔軟に対応してきたのです。
 「現在の業務の中心は英日のローカライズですが、さらに他の可能性も追求しようと日英のローカライズの受注を増やす努力もしています。日本企業のお客さまから日中の問い合わせを受けることも多いので、今度は弊社がMLVとして日本語から他言語へのローカライズをお引き受けできるようにしたいと強化を図っています」(佐藤さん)

知識や調査に裏打ちされた確かな翻訳を

アメリアの協力会社として登録したのは、ローカライズの仕事が増え始めてフリーランス翻訳者が必要となった2007年のことです。

「書籍翻訳をメインに行っていた頃は翻訳者の数はそれほど必要ではなく、いつも決まった数名の登録翻訳者さんにお願いしていました。ローカライズを始めてから、それでは追いつかなくなり、アメリアに登録して翻訳者募集を始めました」(HR事業部 事業部長 畑明恵さん)

現在、登録翻訳者数は約30名。募集は主に、自社のホームページとアメリアの「JOB」で行っています。
 「書類選考では、まずメールのやり取りなどビジネスマナーがきちんとしているかを見ています。トライアルではIT関連の課題を出していますが、技術的なポイントをきちんと調べて、過不足なく翻訳しているかを特に注意して見ています。弊社では一次翻訳の品質を重視しているため、トライアル合格率は低めになっています」(畑さん)

「翻訳者に求めているのは、ITの技術的な知識があること、技術的な裏付けのもと、きちんとした日本語が書けることですね。開発経験があって、読解のセンスや文章を書くセンスのある方がいれば、翻訳経験が浅くても積極的に採用したいと思います」(佐藤さん)

自分に枠をはめずに知識と専門性を拡げていく

現在、社員は32名。その内訳を尋ねてみると「主に翻訳業務に係わるスタッフが6名ほど、デザイナー2名、DTPオペレーター7名、編集10名ほど、営業1名、管理部門数名です」(畑さん)とのこと。

「実は弊社では役職が細分化されていないんです。プロジェクトマネージャー(PM)だけをする、レビュアーだけをする、DTPオペレーターだけをする、という者はほとんどいません。メリット・デメリットどちらもありますが、弊社の特長のひとつだと思います」(佐藤さん)

プロジェクトが立ち上がると、少なくとも1人、その業務の最初から最後まで、細部にわたり把握する担当者(PM)を置きます。例えば、ファイルのエンジニアリング、つまり特殊なタイプのファイルを翻訳できるように前処理したり、後処理で元のファイル形式に戻したり、といったことがありますが、専門のエンジニア任せではなく、PMもある程度の知識を持っていて、簡単なものならPM自らが行うこともあると言います。

「ですから翻訳者さんからどんな質問をされても、だいたいPMが答えられますね。翻訳者さんとしては、すぐに答えてもらえるから気軽に尋ねられるというのもあるでしょうし、コミュニケーションがとりやすくなり、信頼にもつながるのではないかと思います」(佐藤さん)

このような会社風土は、変化するIT業界の中で、翻訳だけでなく編集もする、ローカライズもするなど、できることは何でもしようという精神で取り組んできたことによって生まれたものだと言います。

「若手の社員は、最初は何かひとつ、翻訳やDTPなど自分の専門分野からスタートしますが、仕事をしながら徐々に携われる仕事を増やしていくようにしています。弊社がこういう風土ですから、翻訳者の方にも広い視野を持っていただきたいと考えています。中には狭い意味での『翻訳業務しかしません』という方もいますが、周辺業務もやっていただける、やったことはないけれどチャレンジしてみる、とそんな姿勢の方には仕事を頼みやすいですし、信頼感がアップしますね。スペシャリストであり、ジェネラリストでもあるという人を社内に育てたいですし、社外にも求めています」(佐藤さん)

スタッフからひとこと!

まめな連絡でスムーズな仕事を

多言語ローカライズ会社として体制を強化しつつある同社に、ともに仕事をする翻訳者に求めることを伺いました。

「翻訳力があることは大前提ですが、それと同時に重視しているのがレスポンスの速さです。以前は『2万ワードを2週間以内に納品』といったタームの仕事が多かったのですが、最近増えているのが『千ワードを今日中に』とか『2千ワードを明日の夕方までに』といった納期の短い案件です。短時間のうちに翻訳者の手配をしなければならないので、打診した翻訳者さんからすぐにお返事をいただけると大変助かります。そのためどうしても、レスポンスの速い方に依頼が集中していく傾向にあります」(翻訳部 翻訳課 課長 雨宮愛さん)

「メールを携帯に転送するなど、すぐに連絡がつくよう工夫している翻訳者さんも増えてきており、助かっています」(畑さん)

また、実際の翻訳案件では必ず指示書がついており、その指示に確実に従った翻訳を上げてきてもらえるかどうかも重要だと言います。

「指示書を読んで、わかりにくい点、解釈が二通りに取れる点などが出てきたら、すぐに質問していただきたいと思います。実際にあったことですが、翻訳者さん独自の解釈で仕事を進めてしまい、納品後に指示に合っていなかったことが判明して大幅に直しが必要になったことがありました。最初に確認していただくだけで防げることですので、何でも尋ねていただきたいと思います」(雨宮さん)