ご利用企業インタビュー

トライベクトル株式会社

トライベクトル株式会社翻訳を基点にあらゆるコミュニケーションのお手伝いを

翻訳会社の営業担当として経験を積み、業界の良いところも悪いところも見てきた代表の矢柳祐介さんが、自分の目指す翻訳会社を作りたいと2005年に設立したのがトライベクトル株式会社です。設立当初はIT系の翻訳を主に請け負っていましたが、創業10年を経て11年目に突入した今では、さらに業務の幅を拡げ、翻訳をベースにしつつ、通訳、Web制作・管理、DTP、印刷、動画制作といった業務にも対応しているそうです。

「翻訳分野でいえば、ITに加えて特許、金融、アート、環境・エネルギーなどを手掛けています。内容も、マニュアル、一般的なビジネス文書から、契約書、学術論文、マーケティング文書までさまざまです。最近増えてきているものの一つに字幕翻訳があります。企業の会社案内や商品紹介ビデオに字幕をつけるもので、この仕事から派生して、映像そのものの制作も請け負うようになりました。翻訳を受注していると『サイトは作れないの?』『印刷もできる?』など、お客様からご相談を受けることが多々あります。その度に弊社では柔軟に対応し、お客様のご要望にお応えしております。今では“お客様のコミュニケーションのお手伝い”をモットーに、翻訳を軸に、その他のサービスも幅広く行っています」(代表取締役 矢柳祐介さん)

英語の次は中国語・韓国語と、言語の幅もますます広がる

例えば、同社で主に手がける分野として、アートに関するものがあります。はじめは美術館が発行するカタログに載せる作品リストの翻訳や関連する学術論文の翻訳の依頼だったそうです。その仕事が認められると、次は美術品展示の解説文、外国人観光客向けのパンフレットの翻訳と仕事が広がり、最近では多くの方に期待を持って来館してもらえるよう、Webサイトで訴求力のある情報発信を行うといったマーケティング戦略まで、翻訳の枠にとどまらないサービスを提供しています。

業務の幅を広げていくにつれ、翻訳を依頼される言語の種類にも変化がありました。最初は英語が9 割以上でしたが、今は中国語や韓国語のニーズが増加し、英語以外の言語の比率が3割近くになっているそうです。

「先に例を挙げた美術館でも、作品リスト、パンフレットなど一連のツールの日英翻訳が終わると、次は日中翻訳をお願いしたいという依頼が来たりします。アート以外の分野でも同様で、英語以外の比率が増えてきています」(制作部 グローバル ランゲージ スーパーバイザー 遠山学さん)

「日本を訪れる外国人観光客の数は順調に伸びており、今後はインバウンドの翻訳ニーズが見込まれます。中国語、韓国語はもとより、タイ語など多言語翻訳にも力を入れていきたいと考えています」(矢柳さん)

翻訳者採用は実績よりもトライアル結果を重視

現在、スタッフは4名。コーディネーター2名と営業2名です。翻訳はすべて登録翻訳者に依頼しており、登録者数は約300名。同社のサイトとアメリアの「JOB」で主に募集しています。

「常時募集は行わず、例えば、アート、特許、エネルギーなど、分野別に期間を区切って募集しています。特に実務経験の有無などの応募条件は設けていません。あくまでもトライアルの結果で合否を判断しています」(遠山さん)

それでは、そのトライアルではどこに注目しているのでしょうか。

「私は英日翻訳を担当していますが、特に重視しているのは、納期を守っているか、指定のスタイルに沿っているか、読みやすく訳されているか、の3 点です」(制作部 マネージャーコーディネーター 真鍋美香さん)

「日英も基本的に同じです。スタイルについては、指定があればそれを守るのはもちろんですが、たとえ指定がなくても、例えば略字の表記法、大文字と小文字の使い方など、同一の文書の中で統一されているかどうかもチェックします。英訳をされる方は『Chicago Manual of Style』など信頼度の高いスタイルガイドを一冊マスターしておくと、句読点の使い方や引用符の使い方などが身について訳文の質が一段上がるのではないかと思います」(遠山さん)

わが社のここが自慢!バランスの取れたサービスでお客様の信頼を得る

お客様の満足度を高めるために、創立10周年を迎えた昨年、同社ではお客様アンケートを実施しました。その中で、「たくさんある翻訳会社の中から、なぜ弊社を選んでくれるのか?」そう率直に問いかけたそうです。

「その答えは想像とは少し違っていたのですが、『高い専門性、料金の妥当性、スケジュール厳守、担当窓口の柔軟な対応と、高いレベルで4つのバランスが取れているから』との声をいただきました。弊社ではそれまで、専門性が高いことをアピールポイントとしてうたっていましたが、そこだけではなく、むしろ全体のバランスが取れている点を評価していただいていることがわかったのです。以来、『バランスの取れたコミュニケーションサービスを提供します』とアピールするようになりました」(矢柳さん)

アンケート結果から自社の強みを見つけ、アピールの方法も見直した同社。翻訳者とのお付き合いに関しては、どのようなポリシーをお持ちなのでしょうか。

「翻訳市場の一部でもコモディティ化が見られ、とにかく安い料金で翻訳を受注する業者も多くなりました。企業努力だけでなく、そこまで安いのには何か理由や原因があると思います。そのしわ寄せは誰に向かっているのでしょうか。弊社としては、適正な価格で受注し、翻訳者さんに適正な翻訳料をお支払いして、適正な品質のものに仕上げ、納期までに収める、というサイクルをきちんと地道に作り上げていくことが何よりも大切です。そうしなければ、これから翻訳者を目指そうという人もいなくなり、業界自体も衰退してしまいかねません。競合他社と価格で競うのではなく、それぞれの特長を活かしながら業界全体が繁栄していくことを目指したい、そのために微力ながら出来ることをしていきたいと思っています」(矢柳さん)

業界の未来に少しでも役に立てればと、同社で昨年から始めたことがあるそうです。

「昨年10月より、Podcastで『プロフェッショナル翻訳者への道』というプログラムの無料配信を始めました。翻訳者を目指している方に向けて1回5〜10分程度で業界のさまざまな情報、翻訳者になるための勉強法などをお話ししています。月1回の配信を目指して今後も続けていく予定ですので、興味のある方はぜひ聞いてみてください」(矢柳さん)

スタッフからひとこと!

趣味を極めて積極的にアピールを

IT、論文、特許など専門性の高い分野に実績のある同社ですが、最近はアートの分野にも力を入れています。

「アート分野の翻訳では、調査力と教養が重要です。例えば、美術作品の目録を翻訳する際、世界で通用している英語呼称は何かを調査しなければならなかったり、新たに考案しなければならなかったりすることがあります。大学などで学んだわけではなくても、興味があって趣味で勉強したり、美術館を巡ったりして情報を収集している方は、この分野の翻訳者として素質があると思います。美術全般に詳しい方はそういらっしゃいませんが、西洋美術、古代出土品など、何かの分野に造詣が深い方は他の分野にも応用が効きますので、ぜひご自身の興味を深めていただきたいと思います」(遠山さん)

「日頃、IT系をお願いしている英日翻訳者さんで、弊社が芸術・アートの専門サイトを開いたことを知り、英日の仕事があればぜひやりたいと名乗りを上げた方がいました。しばらくしてアート系の英日の仕事が発生したのでお願いしたところ、期待通りの翻訳をしてくださいました。われわれからも仕事以外の趣味の話などを聞き出すよう心がけていますが、翻訳者さんからのアピールも歓迎です」(真鍋さん)

後列左から時計回りに、矢柳さん、遠山さん、
真鍋さん、そして営業担当の桑南さん