ご利用企業インタビュー

株式会社東洋経済新報社

株式会社東洋経済新報社

スペシャルコンテストから生まれた本。
これまでに10冊以上が発行されました。

経済専門出版社として120年以上の歴史

 東洋経済新報社は1895年(明治28年)に経済誌『東洋経済新報』の創刊とともに創設されました。イギリスの『エコノミスト』のような一流経済誌が日本にも必要だとの理念のもと創刊されたこの経済誌は、1919年には週刊となり、後に『週刊東洋経済』と改題されて現在に至っています。日本最多の通巻号数を誇る長寿雑誌であり、昔も今も多くのビジネスパーソンから支持を得ています。

 現在、同社の事業は、この雑誌事業に加えて、1936年創刊の『会社四季報』に代表されるデータ事業、経済・ビジネス関連の書籍を発行する書籍事業、ビジネス誌系サイトNo.1の人気を誇る「東洋経済オンライン」や電子書籍を展開するデジタルメディア事業、企業の事業発展をサポートするビジネスプロモーション事業の全5事業に広がっています。

 そのうちの書籍事業では、経済・経営、ビジネス、国際情勢などの分野を中心に年間約150点の書籍を編集・発行。その中の20冊前後は翻訳書です。

 経済学を学ぶ人なら必ず手に取るであろう『スティグリッツ入門経済学』などの世界3大経済学テキストをはじめ、第一線の経済・経営学者や実務家が執筆した世界で売れている旬な経済書、ビジネス書を数多く翻訳出版し、現在はほぼすべてのタイトルで電子版の同時発売も行っています。

翻訳委員会が窓口となって原書情報を一括管理

 翻訳書に関しては、出版局内に2012年秋に発足した「翻訳委員会」が窓口となってエージェントから紹介される原書等の検討を行っています。

 「原書情報の窓口をひとつにすることで情報の取りこぼしを防ぎ、弊社の専門性に合ったビジョナリーな原書を確実に見つけ出して読者の皆様にお届けしよう、ということで翻訳委員会が設置されました。入手した原書情報は、まず翻訳委員会が目を通し、すぐに版権取得に動くか、あるいはリーディングを依頼してシノプシスを作成してもらい検討するか、といったことを決めます。翻訳委員会の仕事は版権取得から実際の編集作業、プロモーションへの関与まで、多岐にわたります」(出版局翻訳委員会委員長佐藤朋保さん)

 リーディングに出した本のうち、実際に同社から出版されるのは3〜4割程度だそうです。

 「こちらが選んでリーディングを頼んだということで、何とか良いところを見つけだそうとしてくれるリーダーさんが多い印象ですが、良いところだけでなく悪いところもきちんと書いてくれるとありがたいですね。それから、その分野の情報収集をして、類書にはどういうものがあるか、そのなかでこの本の位置づけはどのあたりか、といったことも書いていただけると助かります」(出版局翻訳委員会副委員長矢作知子さん)

スペシャルコンテストを積極的に開催

 アメリアを以前からご利用いただいていた同社ですが、翻訳委員会設置後は、さらに活発にご利用いただいています。

 「翻訳者を選ぶとき、付き合いのある翻訳者さんや類書を翻訳している翻訳者さんに声を掛け、スケジュールの都合が合わなかったらまた別の方に当たる、というのが以前の方法でした。自分の担当する分野だけなら、それも難しくはないのですが、情報の窓口となって、経済、ビジネス、自己啓発などさまざまな分野の翻訳者さんの選定にも関わるようになり、一点一点の書籍に対して、それぞれ最適な方を、より多くの候補者の中から選びたい、という思いからアメリアを利用してみることにしました」(佐藤さん)

 主にご利用いただいているのはスペシャルコンテストです。応募者の訳文とプロフィールを同時に見比べて検討し、その原書に合った翻訳者を選べるこのシステムは便利とのこと。

 「初めて利用したとき、期待した以上の人数の参加があり、また最終選考に残った方の訳文は、いずれも合格レベルでした。その中から依頼する原書にいちばん適した文体の方にお願いできるので、このシステムを利用すれば個別にお願いするよりも良いマッチングが実現する可能性が高いと感じ、継続して利用しています。弊社にとっても大いにメリットがありますので、今後も利用させていただく予定です」(佐藤さん)

わが社のここが自慢! 歴史に支えられ、常に新たなチャレンジを

 経済を専門分野に120年にわたり出版事業を続けてきた同社。経済の専門家からビジネスマンまで、経済や政治、国際情勢に対する意識の高い読者に向けて、本格派の経済書やビジネス書を数多くラインナップしています。

 「弊社の出版する翻訳書は、単価が高いものも少なくありません。内容の濃さと文字量の多さを反映してのことです。ですが、意識の高い読者の方々は、時代に合った質の高い本を出せば必ず評価(=購入)してくださいます。そんな読者の皆さんに支えられて、弊社は今後もどんどん新しいチャレンジをしていきたいと思っています」(佐藤さん)

 翻訳委員会の設置も、同社のチャレンジする姿勢のひとつの表れです。

 「翻訳委員会は、幅広い分野から鮮度の高いものを選んで読者に届ける、ベテランに限らず新人であっても原書のテーマや文体に合った方を起用して翻訳書としての完成度を上げる、といったことに取り組んでいます」(佐藤さん)

 また、翻訳者による持込企画も受け付けています。しかし版権が空いている良い本を見つけるのは至難の業。

 「要点を押さえた原書選びが重要です。弊社の場合、“米国で売れている”“出版から1年以上経っても翻訳出版されていない”“日本の市場にマッチしている”の3つの条件を満たしていれば検討の余地は大いにあります」(佐藤さん)

スタッフからひとこと!

ともに本づくりに挑む意欲的な方を

 スペシャルコンテストを積極的に利用されている同社に、応募する翻訳者の皆さんに向けメッセージをいただきました。

 「応募する方には、自分が専門にしていこうと思う分野の本をたくさん読んでいただきたいですね。課題の中には『これを間違えたら絶対にだめ』という基本的な専門用語が含まれていることがあります。日頃から関連する雑誌や書籍を読むなどしていれば正しく訳せるはず。それが審査の際の基準のひとつになります」(矢作さん)

 翻訳実績の少ない方であっても活躍のチャンスはあります。

 「スペシャルコンテストに応募してくださる方は、何といっても意欲に溢れています。そのエネルギーは強大なもので、多少の訳のつたなさなどは問題になりません。自分の関心のある分野の翻訳に挑もうとする訳者さんは、そうでない場合に比べて、モチベーションが違います。訳者としては経験が少なくとも、本当にその本を気に入ってくださった訳者の方に翻訳してもらったほうが、良い本に仕上がる可能性が高いと思います」(佐藤さん)

 合格者はもちろん、次点の方にもチャンスがあるのがスペシャルコンテストの特長のひとつです。

 「『合格』だけではなく『登録』があるのもありがたいですね。登録の方は、その方の経歴に合う別の本のリーディングや翻訳が発生したらお願いしています。ですからプロフィールはぜひ細かく書いてくださいね」(矢作さん)