ご利用企業インタビュー

株式会社JVCケンウッド・ビデオテック

株式会社JVCケンウッド・ビデオテック

吹替用のアフレコを録音する社内のスタジオ

映像制作会社として35年前に創業

 株式会社JVCケンウッド・ビデオテックの前身である株式会社ビデオテックは、1981年に日本ビクターの子会社として誕生しました。もともと日本ビクターの宣伝用映像、デモ用映像などの制作・編集を行っていました。その後、映画の買い付け配給を担当していた部署から日本語字幕版・吹替版の制作も請け負うようになりました。現在の社名には2014年に変更しました。

 「ビデオ、DVDの時代を経て、今はBS・CS放送用、ネット配信用の需要が増えてきています。特に最近はネット配信用の伸びが顕著で、この3年ほどで受注案件の半数以上がネット配信用になってきました。業界ではパッケージと呼ぶDVDやBlu-ray用が3割程度、あとはBS・CS放送用です。ただ、配信用に制作したものが放送にも使われたり、放送用のものが後にパッケージになったりと実際には複合的です。そのなかでも、まず配信用に制作するものが増えてきているのが最近の傾向です」(クリエイティブ部字幕・吹替版制作課課長小林恵美子さん)

 ジャンルの中で得意としているのは、映画、ドラマ、ドキュメンタリーなどのエンターテインメント系です。

 「最近の動きとしては、即時性が重要なため短納期で依頼されることが多い、ニュース的な要素が入った情報バラエティ番組が増えてきています。それから英語以外の言語では、スペイン語のドラマなどの需要もあります」(小林さん)

配信用は今後も増加の見込み

 配信用が伸びてきたということですが、どの程度増えているのでしょうか。

 「正確に数を出したわけではありませんが、本数として2倍近く増えている印象です」(小林さん)

 配信用が多くなり、一度に依頼を受ける分量にも変化があったと言います。

 「放送用だと週に1、2本ずつ半年間、パッケージだとシーズン1の全20話中、半分の10話分を一度に、というくらいの分量でしたが、配信は例えばシーズン1〜3まで全60話を同時配信するので、一度に60話を制作してほしいと言われるようなこともあります」(小林さん)

 それによって翻訳者への依頼の仕方も変わったそうです。

 「これだけの量を同時進行となると、複数の翻訳者さんに分担してお願いすることになります。翻訳者さんは、自身の担当の部分をきちんと訳すだけでなく、他の翻訳者さんが担当する回もチェックして、用語や表現の統一、ストーリーの一貫性などに気を配らなければならず、以前よりも負担が増えていると思います」(小林さん)

 配信用は今後も増えていくのでしょうか。

 「昨年、大手の配信会社から大量の受注があり、今年は徐々に落ち着いていくのではとの読みもありましたが、実際には今年も伸びが続いています。どうやらしばらく続きそうだという感触を得ています」(小林さん)

受注案件増加で、翻訳者は常時募集中

 現在、仕事の受注量に対して翻訳者不足の状況が続いているという同社。では、新しい翻訳者は、どのようなかたちで採用・登録しているのでしょうか。

 「もっとも信頼できるルートは、既にご活躍いただいている翻訳者さんからのご紹介です。翻訳学校の講師をされている方には、翻訳力や得意分野を把握されている教え子の方をご紹介いただけるので、安心してお願いできます」(小林さん)

 また、アメリアの「JOB」でも翻訳者やオンサイトスタッフの募集をしています。

 「応募書類、翻訳実績を見せていただいて、お願いできそうな案件があればすぐにお願いすることもあります。翻訳実績がない方には、まずトライアルを受けていただきます。合格率はだいたい3割程度だと思いますが、トライアルの時点で合格にならなくても、ジャンルの違う案件が浮上してきたときに過去のトライアル結果を見直してお仕事をお願いするケールもあり、それも合わせると結果的に4〜5割くらいの方にご登録いただいていると思います」(小林さん)

 トライアルではどのような点を重点的にチェックしているのでしょうか。

 「第一に、翻訳の正確さです。次に、日本語として読みやすいかどうか。それから翻訳以外では、お互いにストレスなくやりとりができるかどうかも重視していますので、メールや電話でのやりとりを判断材料にしています」(小林さん)

わが社のここが自慢! 層の厚い人材が、さまざまなスタイルで活躍する

  エンターテインメント系を中心に幅広いジャンルの日本語版制作を行う同社。社内に吹替のアフレコを行う録音スタジオや編集作業を行う編集室なども完備されており、専門のスタッフがチームを組んで、字幕・吹替はもちろん、放送用・パッケージ・配信用など、お客様のあらゆる依頼にワンストップで応えています。

 「翻訳の部分だけでなく制作工程すべてを請け負う事が多いので、オンサイトで仕事をすると日本語版制作の全行程をみわたすことになります。その経験を生かして、弊社のスタッフは事情があって退社した場合も、外部スタッフとして何らかのかたちで映像制作の仕事に携わる方が多いです。内部を知っているからこそ連携も取りやすく、それが良い作品づくりにもつながっていると感じています」(小林さん)

 小林さん自身、映画の字幕制作の仕事に興味があったものの、どのような仕事があるのかわからず、まず翻訳学校の字幕翻訳講座で学ばれたそうです。それから徐々に業界のことを知るようになり、同社に入社したそうです。

 「私は翻訳よりも制作の仕事のほうが自分に合っていると思い、現在の仕事を続けています。スタッフの中には、やはり翻訳者になりたいとフリーランスになる者もいますし、制作やチェッカーの仕事をフリーランスで続ける者もいます」(小林さん)

 オンサイトでは、最初はアシスタントとして仕事を覚え、だいたい3年くらいで独り立ちしてチーフとして作品を担当するようになるそうです。

 「最終的にどの仕事を目指すにしても、制作の流れのすべてを体験できるオンサイトの仕事は必ず役に立つと思います。やる気のある方は挑戦してみてはいかがでしょう」(小林さん)

スタッフからひとこと!

ジャンルを広げてオールラウンドの翻訳者に

 現在、需要拡大中で、今後も新たな翻訳者をどんどん採用していく予定だという同社。どのような翻訳者を求めているのか、小林さんに伺いました。

 「ジャンルを絞らずに、オールラウンドで対応していただける方ですね。『ドラマがやりたい』『ドキュメンタリーが得意』など、好きなジャンル、専門とするジャンルのある方が多いと思いますが、ご自身の自覚していないところに適性をお持ちの方もけっこういらっしゃいます。実際に専門以外のジャンルをお願いしてみると、とても上手だったということがあるんです。チャレンジ精神を持ってジャンルを広げていただけると、翻訳者さんにとっては仕事の幅が広がることになるでしょうし、私どもとしてもいろいろお願いできるので助かります。ぜひ挑戦してみていただきたいです」(小林さん)

 また、映像翻訳者を志して学習中の方にとって、ネット配信が急激に増えている今は大きなチャンスです。この好機をどうとらえるべきか、アドバイスをいただきました。

 「中には、まだ実力が付いていないから『もうちょっと勉強してから』というお考えの方もいらっしゃると思いますが、今は大きなチャンスのときですので、多少の不安があっても、まずはトライアルに挑戦してみるべきだと思います。その結果、ある一定のレベルに達しているという判断を得られれば、仕事をしながらさらに力を伸ばしていけばいいでしょう。不合格であれば、さらに勉強を続けるか、あるいは制作会社にいったん入ってみるのも、ひとつの方法だと思います。ジャンルも広がってきており、翻訳者さんのさまざまなスキルを生かせる場が増えてきていますので、自分の力を試すつもりで、一歩前へ進んでみてください」(小林さん)