ご利用企業インタビュー

TVTジャパン株式会社

※情報誌『Amelia』2017年のインタビューです。

TVTジャパン株式会社

ゼネラルマネージャーの勝呂有子さん

スタッフの皆さん、後列左から石井さん、藤本さん、前列左から松丸さん、高橋さん

社内にある録音スタジオ。こちらでボイスオーバーの収録を行います

BBCのニュース番組をメインに設立12年目

 TVTは放送事業者等に向けてメディア管理やコンテンツ制作・編集等のサポートを行う会社として1994年にイギリスで設立されました。現在、ロンドンをはじめ世界各国のオフィスに150人以上のスタッフが所属しています。その日本オフィスであるTVTジャパン株式会社は2006年6月に業務を開始しました。

 TVTジャパンのメインの業務は、イギリスの公共放送局であるBBCが放映する番組の日本語版制作サポートです。

 「2001年よりTVT本社で時差通訳による日本語放送をスタートさせました。1日18時間分の日本語版を制作していますが、その業務を分担することを主な目的として弊社が立ち上がりました。現在は、例えば平日なら日本時間の6時から21時30分までは東京オフィスが、それ以外の時間帯はロンドンオフィスが制作を担当しています」(シニアブロードキャストコーディネーター大平美由紀さん)

 拠点を2カ所設けることで、自然災害や機材の故障など、不測の出来事に対応できるという意味もあるそうです。

 「日本オフィスができ、日本語版制作スタッフの充実も図れたところで、時差通訳だけでなく同時通訳の放送もはじめました。また一部の放送では字幕版を制作しています。字幕版は英語学習目的の視聴者の方から要望が多く、今後は字幕版の本数を増やしていければと考えています」(大平さん)

メインはドキュメンタリー番組 限られた日程で正確な字幕翻訳を

 日本語字幕版を制作しているのは、週末に放送される30分のドキュメンタリー番組がメインです。

 「BBCの記者が世界中で取材をしたレポート番組です。紛争地の貧困問題、ストリートチルドレン、女性蔑視や少女誘拐など、さまざまなテーマを取り上げています」(大平さん)

 ニュース性の高い内容のため、BBCの制作サイドがぎりぎりまで取材をすることが多く、日本語版制作の日程もかなり限られたものになるのだそうです。

 「土曜放送の30分番組の場合、翻訳納品後にチェックをしてセットをかける(日本語版として放送に乗せる技術的な準備をする)ためには、金曜の朝9時が翻訳者からの納品期限です。通常は素材が火曜日頃に届いて翻訳者には約3日間で翻訳してもらいますが、素材の到着が遅れると翻訳する期間がそれだけ短くなります」(大平さん)

 翻訳期間が短いのであれば、2人の翻訳者が分担して訳す方法も考えられます。ただ、その場合は両者の翻訳に不統一がないようにチェック工程をより強化する必要も出てきます。

 「字幕版の本数をもっと増やしたいという思いもあります。現状は翻訳者10名、チェッカー5名ですが、さらに増員して体制を強化していきたいと考えています」(大平さん)

翻訳者は随時募集、オンサイトも歓迎

 BBCのニュース番組がメインの仕事ですが、最近は別のプロジェクトも進行しているそうです。

 「日本での業務開始から10年以上が経ち、少しずつ会社の規模も大きくなってきて、新たなクライアントからも仕事を受注するようになりました。現在、進行しているのは、リアリティーショーの字幕翻訳です。50分番組を字幕制作ソフトのSSTを使って1週間で訳していただきます」(大平さん)

 翻訳者の募集は主にアメリアの「JOB」で行っているそうです。字幕の案件が多いので字幕制作ソフトを使いこなせるかどうかがひとつのポイントのようです。

 「読みやすい日本語であることに加えて、字幕のインやアウト(セリフの始点と終点)の決め方などガイドラインを守って訳していただくことが重要です。トライアルでは、そのあたりを見ています」(チェッカー高橋純子さん)

 またオンサイトの字幕翻訳者も随時募集しています。

 「放送だけでなく日本語版公式Webサイトの動画に字幕を付ける仕事もあります。弊社またはBBCジャパンのオフィスでの仕事になります。こちらは、字幕制作の経験はないがニュース翻訳には慣れているという方も大勢活躍されています。字幕制作ソフトの講習を実施していますので、社内で翻訳をしながら実践的に覚えていっていただけます。スクリプトの書き起こしがあるので、リスニングが得意な方は歓迎です」(大平さん)

わが社のここが自慢! 英語のスキルを伸ばしつつ、長いお付き合いを

 同社のオフィスには収録ブースが完備されており、BBCワールドニュースの同時通訳や時差通訳を行っています。また、ニュース動画に付ける日本語のボイスオーバーを収録するスタジオもあります。

 「現在、お願いしている通訳者は約25人です。ベテランの方にもご登録いただいていますが、本社からの『他局と同じ声が聞こえるのはよくない』という要望もあり、若手も多く登用しています。また、ボイスオーバーは、基本的にその原稿を翻訳した翻訳者の声で収録を行っています。このように、英語というスキルを武器に活躍できる幅広い仕事があることが弊社の自慢のひとつです。外資系ということもあり、翻訳者は翻訳のみ、といった枠はありません。翻訳者から通訳者へという希望は多くはないかもしれませんが、挑戦したいと思う気持ちがあれば、門戸は常に広く開けてあります。1つのスキルを磨き続ける方にも、マルチタスクを目指す方にも、弊社でぜひ活躍していただきたいです」(大平さん)

 フリーランスの通訳者、翻訳者は登録制で、仕事があるときのみお願いすることになりますが、社員と同じようにできる限り長く付き合い、より良い関係を築いていきたい、そういう考え方で、誠実な対応を心がけているそうです。

 「現状では不定期に仕事を依頼することになるので、他社のお仕事との兼ね合いでご対応が難しいケースもあると思います。しかし定期的に仕事を受注しているクライアントの優先順位が高くなるのは当然のこと。弊社の優先順位を上げてもらうためにも、今後は定期的にお仕事を出せる環境を整えたいと考えています。弊社のトライアルは少々厳しめかもしれませんが、長くお付き合いできる方を見極めたいという思いで実施しています。ご自身の能力をさらに伸ばしていきたいと考える皆さん、ご応募をお待ちしております」(大平さん)

スタッフからひとこと!

世界のニュースを伝えるやり甲斐のある仕事

 同社で活躍する翻訳者とチェッカーの方々にお話を伺いました。

 「今年の3月から社内翻訳者としてBBCニュース・ジャパンのサイトに掲載するニュースビデオの字幕翻訳を担当しています。日本のメディアでは取り上げられない世界の重要なニュースを伝える仕事にやり甲斐を感じます。ジャーナリスティックな表現の選択が難しく、日頃から新聞やテレビのニュースなどで使われる言葉をチェックするようにしています」(翻訳者 藤本修平さん)

 「ニュースビデオの翻訳に携わって2年になります。以前はフリーランスとして自宅で仕事をしていましたが、オンサイトには仲間と共に仕事をする楽しさや相談できる安心感があります。お互いの翻訳をチェックし合う機会が多く、自分1人では気づけなかったことに気づいたり、いろいろと勉強になりますね」(翻訳者 松丸さとみさん)

チェッカーのお二人には翻訳者への要望を伺いました。

 「今は主にリアリティショーの字幕をチェックしています。字数制限は大変だと思いますが、自然な表現を心がけてください。たとえ字数内に収まっていても、日本語の流れが悪いと字幕を読んで理解できません。スッと頭に入る表現を心がけていただきたいですね」(チェッカー 石井哲史さん)

 「そうですね。1つの字幕もそうですし、作品全体の流れも意識してほしいです。それからカット変わりの処理など、細かい点でガイドラインに従っていない方がけっこういらっしゃいます。細部にまで気を配っていただきたいです」(チェッカー 高橋さん)

最後にゼネラルマネージャーの勝呂有子さんから。

 「TVTでは独自のシステムやソフトウェアを駆使して効率を高めたり、時差を利用して海外在住の翻訳者にも活躍していただくことで納期を短縮したりと、さまざまな工夫をしています。でも一番大切なのは、やはり優秀な翻訳者をいかに確保するかという点につきます。やる気のある方、勉強好きな方がTVTを目指して来てくださることを願っています」(勝呂さん)