ご利用企業インタビュー

有限会社フロッグネーション

有限会社フロッグネーション

東京オフィスJoeさん、渡辺社長、小高さん

会社創業時、出発点は音楽レーベルの運営

 1997年創業の有限会社フロッグネーションは、設立当初は音楽レーベルを運営する会社でした。楽曲の制作、音楽出版という楽曲の管理事業、コンサート等の音楽イベントの企画・運営、アーティストのマネージメントなどを行っていたといいます。代表取締役の渡辺健吾さんに会社設立の経緯を伺いました。

 「私は以前、編集者として大手出版社に勤めていましたが、趣味で活動していた音楽関連の仕事が予想外に忙しくなりまして。会社勤めのかたわらの活動では収まらなくなり、勤めを辞めて私を含め 3 名のメンバーで音楽レーベルを中心とした会社を立ち上げることにしました」(渡辺さん)

 音楽に関する事業を幅広く展開していくなかで、海外とのやりとりが増え、通訳や翻訳のニーズが高まっていったそうです。

 「例えば、日本のミュージシャンをロンドンに呼びたいというオファーが来ると、書類の翻訳や現地での通訳の仕事等も発生します。設立メンバーの1人が現在は弊社の UK 事務所の代表をしているイギリス人女性だったこともあり、翻訳・通訳も積極的に引き受けました。音楽に限らずアニメやゲーム、アート、ファッションなどの企画宣伝や海外とのやりとりも請け負うようになり、業務の中で翻訳・通訳の比重が徐々に大きくなっていきました」(渡辺さん)

翻訳業務が徐々に増え、10年前から翻訳が主軸に

会社設立から10年ほどして転機が訪れたといいます。

 「企画・制作から海外向けの宣伝活動までワンストップで行う会社を目指していましたが、次第に企画・制作より翻訳など海外とのコミュニケーションの仕事が増えていきました。その結果、設立メンバーの1人、制作を主に担当していた者が別会社を作って業務を分け、弊社は翻訳をメインにするようになりました」(渡辺さん)

 その頃から、積極的に増やしていった仕事のひとつが、ゲームのローカライズだそうです。

「日英、英日、どちらも行いますが、特に多いのは日本のゲームメーカーの依頼で日本語のゲームを英語にローカライズする案件です。20年前、創業した頃は、まだゲームのローカライズをする会社がほとんどなく、興味があるならやってみないかと声を掛けていただき、試行錯誤しながら実績を積み上げてきました」(渡辺さん)

 ゲームのローカライズ以外には、雑誌記事の翻訳、元々得意な音楽関連の翻訳、開発用管理ツールのローカライズとサポート業務などを請け負っているそうです。

 「開発用管理ツールというのは、ゲームなどを開発する際に進行状況等を管理するソフトウエアです。元は英語で、日本語版と中国語版へのローカライズと日・中・韓語のメールによるユーザーサポートを行っています」(渡辺さん)

ニッチな分野の翻訳者も見つかるアメリアに期待

 オフィスは日本とイギリスにあり、常勤のスタッフはあわせて8人です。

 「スタッフは主にコーディネーター業務を行っていますが、翻訳やチェック、ときには営業もします。うちは少数精鋭をモットーとしていますので、型にはまった働き方ではなく、臨機応変にいろいろな仕事をこなしています」(渡辺さん)

 登録翻訳者は各言語あわせて現在300人ほど。アメリアの協力会社には2017年4月にご登録いただきました。

 「弊社が定期的に担当している雑誌の記事翻訳をお願いできる人を探していて、アメリアを利用したいと思い登録しました。雑誌といっても特殊なもので、アメリカで出版されているCG専門誌です。読者は業界関係者かCGアニメーターを目指す学生、一部のコアなファンなど。CGの技術書のような内容なので、翻訳するにもかなりの知識が必要です。アメリアで募集をしたところ、20人以上の方が応募してくださいました。合格ラインの方が5、6人いましたが、誰にお願いしようか悩むほど合格者がいるという状況は他媒体で募集したときにはなかったので、とてもありがたかったです。アメリアには、さまざまなバックグラウンドや技能を持った方がいらっしゃいますね。弊社ではニッチな分野の案件も多数手がけていますので、今後も翻訳者採用の際の選択肢としてアメリアの活用を常に考えたいと思っています」(渡辺さん)

ここが自慢!

どんな無理な要求も創造力を駆使して応えたい

 スタッフは全部で8人と多くはありませんが、速く丁寧に仕事をこなすこと、常に創造性のある仕事、付加価値の高い仕事をすることを心がけているといいます。

 「ゲームのローカライズではチームを組んで対応します。日英の場合、メインの翻訳者は英語ネイティブですが、原文を読み間違えることも多いので、日本人翻訳者が必ずチェックを行います。ゲームの場合、わざと含みのある言い方をしていたりして、日本人でも簡単には意味が取れないことがけっこうありますから。そして、最後にターゲットとなるマーケットを熟知しているエディターが入り、作品としてより魅力的になるように編集をして完成となります」(渡辺さん)

 クライアントからの要望は毎回さまざまです。

 「あるゲームでは『ファンタジー作品なので古い英語にしたい』といった要望がありました。そんなときは近代英語に詳しいイギリス人翻訳者にラテン語の要素を入れながら翻訳してもらいました。それから『さまざまな国の訛りを入れたい』といった要望もありました。ロシア語訛りの英語、ドイツ語訛りの英語など、要望に応じてそれができる翻訳者をアテンドし、お客様のニーズに幅広く応えています」(渡辺さん)

 要望に応えるだけでなく、クライアントが求めるものに対して、それ以上の提案をすることも常に心がけているといいます。

 「日本人が作ったゲームの中に、日本の時事ネタや芸能、スポーツ、文化や笑いの要素が入っていることがあります。そのままでは外国人にわからないと判断した場合は、どうアレンジすればいいか考えて、ご提案することが多いです」(渡辺さん)

 そのようにローカライズに深く関わって作品を仕上げた結果、同社が担当したゲーム『DARK SOULS III』がイギリスで35年の歴史をもつ世界最大のゲーム賞である「ゴールデンジョイスティックアワード」の2016年ゲームオブザイヤーに輝きました。

 「クライアントからの『こんなことできますか?』という、いわゆる無茶振りにも数え切れないほど応えてきました。エンターテインメントとして良いものを作り上げるための要求であれば、それはむしろぜひとも挑戦したいというのがわが社のスタンス。一緒に仕事をする翻訳者の方も、そういう考えの方であればいいと思っています」(渡辺さん)

スタッフからひとこと!

翻訳プラスアルファの皆さんの感性に期待します

 翻訳という枠に捕らわれず、クライアントの要望を汲み取り、言語はもちろん文化的にもローカライズすることをモットーとしているという同社。ともに仕事をする翻訳者に求めることを伺いました。

 「求めることと言っても、プロジェクトによっても違ってくるので一概には言えませんが、ゲームのローカライズなどエンターテインメント性の高い案件の場合は、正確性は当然のこととして、プラスアルファの部分を期待しています。原文を正確に伝えるというよりも、それを読む人、そのゲームにお金を払って遊ぶ人がどれだけ楽しめるかが重要。訳文に正解はないので難しいところではありますが、英日翻訳であれば、日本語として美しい文章やわかりやすい文章、もしくは詩的なセンス、そういった感性の部分を翻訳に生かしていただきたいと思っています。とはいえ、弊社でもエンタメ翻訳だけではなく正確性が重要な案件もありますので、非常に正確な翻訳ができる方、短期間で相当な分量を訳してくださる方も歓迎します。翻訳者の皆さん、それぞれの個性を生かしていただいて、一緒によいものを作り上げていければと思っています」(渡辺さん)