結果発表

◆最優秀企画賞‥‥‥ 松本三佳さん
                 書籍タイトル Unlikely Friendship

                   残念ながら、版権取得済及び、第一次審査中の2013年9月に
                       飛鳥新社より刊行済


◆文溪堂 審査員賞‥‥‥‥‥‥ 松永りえさん、大塚道子さん、米山裕子さん
◆こだまともこ審査員賞‥‥‥  相場妙さん

講評

こだまともこ氏
おめでとう、そして残念!
 松本三佳さん、おめでとうございます……と、いいたいところなのですが、他社から刊行済みとのこと、本当に残念でした。でも、他社から出版されたということは、松本さんが確かな本選びの目を持っているということですから、これからもどうぞ自信を持って、面白い本を探してください。

絵本探しは難しい
 松本三佳さんが選んだ“Unlikely Friendship”は写真絵本ですが、じつは絵本のシノプシスを書いて出版社に持ちこんでも、採用されるチャンスはきわめて少ないと、わたしは思っています。絵本の良さは8割がた絵で決まりますから、編集者はボローニャ、フランクフルト、ロンドンで開かれる本の見本市で良い絵本を見つけたら、その場で版権を取得するか検討に入ることが多いと聞きます。ですから、アマゾンや日本の書店で気に入った絵本を見つけても、松本さんが選んだ絵本のように、その時点でどこかの社が版権を取得していて、すでに翻訳も済んでいるかもしれません。それでも、ぜひ絵本を……と思っていらっしゃるなら、まだ邦訳されていない、古い絵本の中から、現代の子どもに喜ばれるものを探すことをおすすめします。
 以上は、あくまでも英語圏の児童書の話で、英語ほど翻訳者が多くない言語の場合は別です。「こだまともこ審査員賞」の相場妙さんが選んだ絵本はロシアのものです。ロシアがまだソ連と呼ばれていたころには、優れた児童文学作品や絵本が沢山翻訳されていましたが、今はあまり読むことができません。つい最近も、児童文学関係者の集まりで、今のロシアでは、どんな児童書が出版されているのか知りたいという声を聞きました。胸を打つほど素晴らしい絵に魅了されながら相場さんのシノプシスを読んで、ぜひ邦訳されたものを手に取ってみたいと思った次第です。

好きな本は、シノプシスが上手く書ける……はず
 「審査員賞」に選ばれた松永りえさん、大塚道子さん、米山裕子さんのシノプシスはどれも、そういう本だったら読んでみたいと思わせるものでした。みなさんがそれぞれ、とても気に入っている本を選んでいるということが、よくわかりました。フェロー・アカデミーのわたしのクラスでも、シノプシスを書く勉強をしていますが、どの受講生も自分が大好きな本の場合は、とても面白いものを書いてきます。良い本だと思うし面白いけれど、シノプシスが上手く書けないというときは、シノプシス自体の書き方を考えるより先に、もう一度その本を「深く」読んでみることだと思います。

「うちの子も、気に入ってます!」は禁句
 この台詞と共に持ちこまれる絵本や読み物の原稿に、編集者がどんなに悩まされていることか! 今回のシノプシスのなかにも、けっこう同じような台詞が書かれているのを見つけて、ちょっとびっくりしました。大人の本のシノプシスを書くときは、まさか「うちの夫も、気に入っています!」とは書きませんよね。老婆心ながら、最後にひとこと申し上げておきます。


文溪堂 図書出版部 国頭昭子氏
 多数のご応募、ありがとうございました。まず最初に、当初の結果発表予定よりも大幅に時間がかかってしまったことをお詫びいたします。申し訳ありませんでした。

 応募作品は、楽しい読み物あり、心にしみいるような絵本あり、すばらしい写真満載のノンフィクションあり…とさまざまな企画がそろい、楽しく審査させていただいた反面、各賞を決めるのは、至難の業でした。
 お恥ずかしい話ですが、自分達のお粗末な語学力では、原書だけでは、その作品の素晴らしさを感じ取ることがなかなかできません。その際に、頼りになるのが、リーディングをしてくださった方のシノプシスです。受賞歴や本国での評判等、その作品及び作者についての周辺情報ももちろん重要ですが、やはり、リーディング担当者が、第一読者として如何にその作品に惚れ込んだか…ご自分の言葉で熱く語ってくださったその内容が出版するしないの決め手になります。弊社の場合、編集者が社内に向けて出版したい作品を部のメンバー、更には、トップに向けて企画提案をしますが、その際、肯定的な意見ばかりでなく、否定的な意見、もしくは疑問点もあれこれ出されることもあります。それをはねのけるだけの熱意をもって、企画を通そうとするわけですが、その際、編集者の背をしっかり支えてくださるのが同じく熱意のあるシノプシスです。
 今回も、ご応募いただいたシノプシスを弊社内部で回覧し、それぞれこれぞと思うものがあれば、社内プレゼンを…と試みました。その結果、編集担当、営業担当問わず、「是非に」と思ったのが、今回の最優秀企画賞作品でしたが、残念ながら、既に版権取得済でした。
 それ以外の、3作品もそれぞれ魅力のあるものでしたが、内容から想定される読者のグレードと全体のページ数とが少し乖離しているように思えたり、絵本に盛り込まれた寓意性が魅力的な反面、果たして幼い読者にどれだけ理解されるかいささか心許ない部分があったり、抽象的な数学の概念を楽しい読み物にした意欲作ですが、出版するとなると、読者を選びそう…と、どれも今一歩、押し切れないものでした。
 このように、今回は残念な結果に終わりましたが、前述しましたように、海外の出版物の発掘には、みなさまのお力添えが必須です。是非、これからもいろいろな本との出会いを重ね、これぞ…というものがありましたら、次回もまたご応募・ご紹介いただけますよう、お願いいたします。

審査

出版翻訳家 こだまともこ氏
アメリア「出版持込コンテスト」運営委員会
株式会社 文溪堂

最優秀企画賞 1名

出版社にて企画の採用、企画料として30,000円(税抜)が支払われます。
書籍として刊行する目的で企画を採用いたしますが、状況によっては刊行をお約束できない可能性もある旨をご理解ください。また、できる限り企画者を翻訳者として採用する予定ですが採用の保証は致しかねる旨もどうぞご理解ください。

審査員賞 3名

出版持込ステーション「企画書リスト」に「優秀企画」である旨を表示のうえ掲載されます。
※選考プロセスの中で別賞を設ける可能性もあります。

協賛企業からの言葉

小社は、これまで子どもの本を中心に、出版活動を続けてきました。子どもたちの読書離れ、読書力の低下が言われ、出版不況の中、本が売れないと言われる昨今ですが、そんな時だからこそ、「本って楽しいな」「本っていいな」と子ども達に思ってもらえるような素敵な作品を是非、この機会に皆さんのお力をお借りして出版できたら…と思っています。
「楽しい」「いい」という言葉には、いろいろあります。読みながら、思いっきり笑える本、感動して泣ける本、心がじんわりと温かくなる本、頭をフル回転させて、あれこれ考えさせられる本等等。どのような方向でも構いませんが、まずは、原書をお読みになりながら、応募者ご自身の心が揺さぶられた作品、心から楽しめた本を探してきてください。多数のご応募をお待ちしております。

募集要項

応募資格:
アメリア会員であること
応募料:
無し
企画書提出期間:
2013年6月1日〜2013年6月30日18時必着

募集分野:

採用しやすいジャンル

①絵本 ②子ども向けフィクション ③子ども向けノンフィクション ④子ども向け科学本

採用しにくいジャンル

①YA本 ②イラスト集や写真集 ③コミックス ④専門書

採用できないジャンル

①宗教や思想が非常に偏ったもの ②完全に大人向けに書かれたもの

企画書提出方法

以下の手順に従ってご応募ください。

1.日本での出版状況の確認

企画書を作成する前に、国会図書館のHPアマゾン ジャパン等のオンライン書店で、持ち込む書籍が日本で出版済みでないかどうかを確認してください。
※版権の空き状況を個人で調べるのは難しいため、ここでは日本での出版状況の確認にとどめています。

2.企画書作成

テンプレートに従って企画書を作成ください。

3.企画書送付

企画書を添付したメールを送信してください。メール文面には必ず会員番号とお名前をお書き添えのうえ、件名は「出版持込コンテスト応募」としてください。

提出先:
bookstation@amelia.co.jp

※原書の郵送は必要ありません。
審査の過程で原書が必要になる可能性があります。
事務局まで郵送いただく必要が出てきましたら個別にご連絡いたします。

ご応募にあたっての注意点

  • ① 提出した企画書の差し替えや再提出は認められません。
  • ② 過去に出版社の依頼でリーディングした本を提出したい場合には、事前に必ず依頼元の出版社に問い合わせ、その出版社の方針に従ってください。
  • ③ 応募方法が守られていない場合、失格になることがあります。
  • ④ 受信後一週間以内に受信のお知らせを送信いたします。その期間を過ぎても受信のお知らせが届かない場合には、事務局までお問い合わせください。
  • ⑤ 審査内容や審査結果についてのお問い合わせにはお答えできません。
  • ⑥ ご応募いただいた企画書へのコメントや評価はお返しいたしません。
  • ⑦ ご応募はお1人につき1冊分の企画(シリーズものは1シリーズ分)となります。

結果発表

最終結果の発表2013年 11月頃