【アメリア】対談の部屋 9-2 翻訳小説にタイトルをつけよう!
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対談の部屋
<第9回>  全6ページ
第9回 翻訳小説にタイトルをつけよう!

本のタイトルは営業戦略!?

--では、タイトルはどのようにして決まるのですか?

:なかには、最初から「このタイトルしかない!」というのがあって企画する本もあります。その場合は楽ですね。その線でイメージを固めてプレゼンテーションができるし、販売、営業、翻訳者、デザイナーまで、みんなが「それでいこう!」という気持ちになれれば仕事は断然やりやすいですから。逆に、いつまでたってもタイトルが決まらない時は、編集者はずーっと、ずーっと、タイトルのことばかり考えています。タイムリミットはデザイナーさんに装丁をお願いするタイミング。その直前の2〜3日というのは地獄ですね。いくつか案を考えて、まわりの人に感想を聞いたり、営業からはこっちの方がいいと別の案を提示されたり……。

桜田:営業の方がタイトルを考えることもあるんですか?

:あるタイトルの本が売れると、そのタイトルに入っている言葉と同じ言葉を使ってくれというリクエストがきたりします。例えば、「なぜ〜か?」とか「〜な人」とか「魔法の〜」といった言葉です。

桜田:その言葉が入っていると売れるだろうということ?

平田:あるいは間違って買ってもらえるかもしれないとか?

:保証はありませんが、何となく隣に置いてもらえるんじゃないかと思うみたいです。売れている本は目に付くところに平積みにされていたりするでしょう。

--タイトルには、そういうつけたかもあるんですね。

:編集者が「このタイトルしかない!」と自信をもって言えるものがあればいいんですけど、それがないと営業の意見が通ることもありますね。

桜田:タイトルで売れた本って今までにもいっぱいありますよね。だから、売れた本に似たタイトルをつけようということになるんでしょうね。

:そうなんです。編集者として迷っている時は、「ゴリ押しして売れないと、自分の責任になってしまうしなぁ」って考えることもあるし、営業から「このタイトルなら売れますよ」って言われたら、そうかなと思う部分もあるし……。タイトルが決められなくて迷った時には、本が発行されてしまった後から、「あぁ、こういうタイトルもあったな」と思いつくこともある。タイトルをつけることに関しては、それくらい迷いに迷いますね。
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