【アメリア】対談の部屋 10-6 世界同時出版に向け、超大作の翻訳に挑む!〜仙名紀&仙名ガールズ奮闘記〜
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対談の部屋
<第10回>  全6ページ
第10回 世界同時出版に向け、超大作の翻訳に挑む! 〜仙名紀&仙名ガールズ奮闘記〜

6.最初の読者5人が語る、この本の読み方、楽しみ方


--翻訳なさったみなさんから、この本の面白さを解説していただけますか?


倉田:なるべく早く手に入れて、選挙戦を睨みながらページを繰るというのが、いちばん楽しく読める方法だと思います。

宮田:対立候補へのネガティブキャンペーンについては、日本でもマスコミで報道されていますが、今回の選挙戦で流されたジョン・ケリーの軍歴を批判するCMなどは、ブッシュのお家芸らしいんです。そうしたことも、本を読むとよくわかります。過去の父ブッシュの選挙戦や、前回のゴアを破ったときの選挙戦と同じく、今まさに、暗躍している人たちがいるのだろうか、と思いながらニュースを見るとより興味が湧いてくると思います。

庭田:私は、この本を読むまでは、ブッシュのことがあまり嫌いじゃなかったんですが、読めば読むほど嫌いになりました。アメリカは、この大統領で大丈夫かしらと思います。

西川:私が訳した箇所を読むと、現大統領の軍歴詐欺のことや、彼が実際はどんな人物なのかがよくわかります。それから、お父さんブッシュが大統領の座に這い上がっていく過程も、私自身知らなかったことばかりで、興味深かったです。

宮田:私は、ブッシュ一族の先祖のところを訳したのですが、曾祖父や祖父はなかなか立派な人だったんですよ。どうやら、代を経るごとに遺伝子が劣化してきてるようで、そのあたりも面白いです(爆)。

上原:私が訳した箇所には、現大統領の高校のころのひどいレポートの話が出てきました。誤字脱字の連続で、「涙」の"tear"を「引き裂く」の"tear"と間違えたりして。 こういう人が今、どういう立場にいるのかを考えると、恐ろしい気がします。また、今回の選挙に関するテレビの報道を見ていると、本に登場する人物が出てくることがあります。どういう立場の人なのかわかったうえでテレビを見ると、より深くわかるようになります。

--最後に、この本の翻訳を終えて、仙名先生から5人のみなさんに対してお言葉はありますか?

仙名:翻訳界全体を見ると、確かに翻訳者として突出した人はいるでしょうが、同じ人間で、アタマの基本構造は同じだろうから、翻訳者はみなどんぐりの背比べだと思っているんです。そこに、努力や向き不向き、コツ、要領、経験、そういった要素が入ってきて、いい翻訳者が出てくるんだろうと思います。で、この5人のみなさんはどうかというと、調べものに関しては、優れたツールの利用方法がうまいこともあって、みなさんツボを心得ています。今後は、日本語のブラッシュアップが課題だろうと思います。つまり、つねづね僕が言っている"リーダブルな日本語"、一読してすんなり頭に入る、あるいは共感できる日本語です。出版社や読者が評価する優れた翻訳者は、"いい文章を書ける人"です。それを目指して努力をしていただきたいと思います。
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