【アメリア】対談の部屋 13-2 マンガ専門の出版社が翻訳出版に新規参入! 翻訳書未経験の編集者とフィクション未経験の翻訳家が二人三脚で歩んだ奮闘記
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<第13回> 全6ページ
第13回 マンガ専門の出版社が翻訳出版に新規参入!翻訳書未経験の編集者とフィクション未経験の翻訳家が二人三脚で歩んだ奮闘記

2.求む! 絵力(?)のある翻訳者。細部のテクニックは編集者がいくらでもフォローします!!

――さて、作品は決まったわけですが、小林さんに翻訳を依頼した理由を教えてください。

小林:ドキドキ。でも聞きたい(笑)

佐藤:これまで翻訳家の方とのお付合いなどなかったので、まずエージェントより翻訳書籍の編集に詳しい方を紹介していただき、その方に翻訳家の方を10名ほど紹介していただきました。

小林:私はその中の一人だったんですよね。話をいただいた時が確か5月で「ゴールデン・ウィークの後、すぐに翻訳に取りかかれる人」という条件でした。結局、スケジュールが空いていたのが私ともう一人の方だけだった。

佐藤:ええ。そのお二人にトライアルを受けていただき、小林さんにお願いすることになったんです。トライアルにはこの作品の冒頭部分を試訳していただきました。

――で、小林さんの方が優れていたんですね。


佐藤:……それがそうでもなくて(笑)。仕上がった二つの訳文を見比べてみると、なんだか内容が微妙に違うんですよ。それで「あれ〜?」と思い、仕方ないから自分で原書と照らし合わせながら確認していった。そうしたら、正確さにおいてはもう一人の方の方が優れていたんです(笑)。

小林:あぁ、お恥ずかしい。にもかかわらず私を採用してくださったのはどうしてなのでしょうか。

佐藤:訳文が作品のイメージにピッタリだったのが決め手です。正直ちょっと意味不明な箇所もあったんですけど(苦笑)、小林さんの訳文はノリノリでとにかく読んでいて楽しかった。アビーが日本語を話したとするなら、まさにこんな感じだろうなと思ったんです。

小林:私はトライアルの時、事前に佐藤さんから依頼されていたイメージに沿うようにと心がけていたんです。

佐藤:でも、それを具体化するとなれば訳者のセンスの見せ所。小林さんには原文の雰囲気を読み取るセンスがあったんですよ。私はコレが一番大切だと思います。小さなミスなどは編集者でもフォローできます。でも、作品の輪郭をきちんと捉えて描き、登場人物のセリフをどんな風に表現するのかは訳者にしかできませんから。で、これってマンガにも同じ事が言えるんです。マンガでそれに相当するのは「キャラ立てができる絵が描ける人」。

小林:なんだか恐縮してしまいます〜。でも、翻訳書と漫画の編集に共通点があるとは、新たな発見ですね。

佐藤:えぇ、実際にやってみて、編集作業自体に大差は感じられませんでした。

小林:翻訳書を手掛けている時はマンガの方はどうされていたのですか。

佐藤:マンガも掛け持ちで同時進行でしたよ。

小林:えー! これまでのマンガも担当しながら、翻訳書を3冊だなんて。それはさすがに大変だったのでは?

佐藤:自分が担当しているマンガ家と翻訳家の方とでライフスタイルが違っていたのが、大変だったかな。マンガ家は夜型の方が多く、翻訳家は一般人的な生活の方が多かったので、結果24時間、何かしら動いているというわけで(苦笑)。

小林:すみません(笑)。うちは子供がいるものですから、どうしても仕事に取りかかるのが寝静まってからになってしまうんです。なので、原稿をお送りするのがいつも朝になってしまいまして……。
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