マーケティング翻訳者に求められるスキルと知っておきたい知識

企業のグローバル化に伴い、マーケティング翻訳の需要は日々高まってきています。一般的な翻訳とは異なり、企業が紹介したい製品やサービスなどを現地ユーザーに適した言葉で訴求する必要があるからです。

以前のコラムでもマーケティング翻訳について説明しましたが、今回は翻訳者を目指す方がマーケティング翻訳で求められるスキルや知識についてまとめました。

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マーケティング翻訳で求められる翻訳者のスキルと知識

マーケティング翻訳の目的は、言葉を他の言語にただ置き換えるのではなく、世界中の異なる文化を持つ地域ユーザーに対して、商品やサービスの魅力を伝えるところにあります。原語に含まれる意味合いを損なうことなく、ターゲットとなる国の文化的背景なども考慮した上で別の言語に置き換える、これが翻訳者に求められるクリエイティブなライティング面でのスキルです。

それ以外にもマーケティング翻訳者にはコピーライター的なスキルも求められます。翻訳のプロセスにおいて、ターゲットとなる国の文化にフィットする文体や言葉を選び出す能力も必要となります。

マーケティング翻訳でカバーするコンテンツは幅広く、以下のようなものがあります。

  • ・SNS投稿のテキスト化や動画の台本
  • ・印刷物や教材のキャッチコピー
  • ・商品やサービスに関するプレスリリースなどの作成
  • ・海外に向けた各種広告の翻訳
  • ・海外向けの企業ウェブサイトの翻訳
  • ・ターゲット国のユーザーに合わせたキャッチコピーなどの翻訳

企業がマーケティングに使う全てのコンテンツを翻訳するのがマーケティング翻訳者の仕事です。

このようにマーケティング翻訳では一般的な翻訳とは異なる能力・知識が求められますので、実際に翻訳する際は以下のことに留意しましょう。

ターゲットのプロファイリングとローカライズ

ローカライズは、ITやマーケティング翻訳を行う際の必須の工程です。まず翻訳対象となるテキストやコンテンツが、どのようなターゲット層に向けられたものなのかをしっかりとクライアントからヒアリングします。

続いてその情報を元に、ターゲットとなる国や地域におけるユーザー層のペルソナや消費行動などを分析検討し、しっかりとプロファイリングを行います。

キャッチコピーなどクリエイティブなライティング

翻訳者はテキストの意味をしっかりと理解した上で、その文章の背景にある意図を的確に反映するキャッチコピーや見出しなどを創案します。元原稿の意図がしっかりと表現できるように、必要に応じてクライアントと綿密な擦り合わせを行います。

文化的背景を考慮してキーとなるメッセージを理解する

マーケティング翻訳を行う翻訳者は、言語の置き換えに集中するのではなく、企業が発信したいメッセージをどうすればユーザーにしっかりと伝えることができるか検討しなければなりません。

マーケティング翻訳では、その国や地域で違和感を持たれないような慣用表現や単語、イメージなどを使って翻訳する必要がありますので翻訳者は、商品やサービスに関する事前リサーチを徹底的に行い、その上で強調したいメッセージを的確に理解した上で翻訳します。

比喩的な表現や慣用句などターゲット層に応じて表現を変えるコピーライティング

マーケティング翻訳における広告宣伝用のコピーライティングでは、比喩的な表現や慣用句などが頻繁に使用されます。場合によっては、置き換えられる適切な単語がないケースも存在します。また表現によっては、ターゲット国の文化的背景から受け入れてもらえないこともあります。

特定の地域でしっかりとユーザーに認知される翻訳であるためには、ターゲット層に応じて表現を変えることも必要です。ローカライズに基づいたコピーコンテンツの翻訳がしっかりとできていれば、元のテキストと翻訳した文章が完全に一致しない部分があったとしても、ユーザーには説得力のある文章として受け入れてもらえます。

マーケティング翻訳は一般的な翻訳よりも時間がかかる

マーケティング翻訳においては、単純に言葉を置き換えるだけの翻訳は必要とされません。翻訳者は事前に対象となるサイトやテキスト全体のニュアンスをしっかりと把握しておく必要があります。

ほとんどのユーザーは、翻訳されたコンテンツを読む前に見出しやキャッチコピーに注目しますから、その部分の翻訳にはしっかりした訴求力が求められます。マーケティング翻訳におけるテキストは、ユーザーと企業がスムーズなコミュニケーションを図るためのものです。

マーケティング翻訳にはこのような目的があるので、他の分野の翻訳より時間がかかるのが一般的です。

ウェブサイトなどで表示される余白なども考慮する必要がある

マーケティング翻訳では、コンテンツが表示されるスペース(余白)などにも注意を払う必要があります。言語によっては元の言語より文章が長くなることがありますので、広告などレイアウトに合わせる必要がある場合は、テキストの長さを翻訳者が調整しなければならないこともあります。

マーケティング翻訳ではトーンやスタイルも大切

ローカライズを含めたマーケティング翻訳では、最初にプロジェクト全体のトーンとスタイルを決定します。サイト内で使用する文章もユーザー層に合わせてフォーマルなものにするのか、カジュアルなものにするのか、最初の段階で決める必要があります。

今回のコラムでは高いスキルが求められるマーケティング翻訳の難しい側面をお伝えしました。ハードルは高いジャンルではありますが、翻訳者の需要は今後もますます高くなると言われています。

そんなマーケティング翻訳者を目指すのであれば

  • ・専門スクールに通って基本的な知識を身につけながら、「アメリア」等の翻訳者ネットワークに登録し実務を経験する
  • ・独学で勉強してトライアルにチャレンジする

といったいくつかの方法がありますので、これらを積極的に活用し翻訳者デビューを目指しましょう。

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