アメリア会員インタビュー

字幕翻訳の凝縮された世界に短歌の粋を見る。子育てとキャリアアップの両立をもっと当たり前に

岡田 :一時期は子育てをしながらオフィス勤務と翻訳の勉強やボランティアをこなしていたそうですが、今は独立してお仕事が軌道に乗り始めたようですね。今後はどのような道を目指していますか?

福永 :英語にしてもヒンディー語にしても、いずれは字幕をメインにお仕事ができればいいなと思っています。限られた文字内ですべてを表現する字幕の仕事は難しいこともありますが、やりがいがあって面白いですね。そうそう、字幕って、短歌と似ていると思いませんか? 五、七、五、七、七という限られた文字に気持ちも景色も空気も全て込めるという点がとても似通っていると思うんです。

岡田 :字幕と短歌ですか! 考えてみたことがありませんでしたが、なるほど、言われてみれば確かにそうかもしれませんね。

福永 :私は短歌を読むのが大好きなんです。特に現代短歌。穂村弘さんの作品などは読みやすくて、いつも感動させられます。字幕と短歌は、共に凝縮された世界というところがよく似ていますよね。

岡田 :福永さんは本当に文学がお好きなんですね。そうしたインスピレーションが翻訳にもいい影響を与えているのではないかと思います。目指しているのはどんな翻訳ですか?

福永 :まずは第一にクライアントさんのご希望に添った翻訳に仕上げることを目指しています。クライアントさんによって訳の文字数や盛り込む情報量などの要望が異なりますから、そうしたご希望にお応えしながら、満足していただける訳に仕上げたいと思っています。あとは原文の世界観をそがないように、そのまま自然な日本語で伝えていければいいですね。お世話になっている方への感謝の気持ちを胸に、一つ一つの仕事を一生懸命向仕上げていきたいと思っています。

岡田 :最後に読者の皆さん、特に子育てをしながら翻訳を目指している方へメッセージをいただけますか?

福永 :そうですね、自分の場合は、子育てに幸せを感じつつも、仕事において興味を持った分野を追求したいという思いが消えませんでした。同じような方がいるとしたら、もちろん状況次第ではありますが、完全にあきらめる必要はないと思います。忙しい毎日の中ですが、少しでも機会があれば、前向きに夢や仕事と向き合ってみるのもいいのではないかと思います。子育てをしながらも、そんな風に仕事に取り組むことがもっと当たり前にできる環境が増えれば、と願っています。

岡田 :福永さん、今日はお忙しいところどうもありがとうございました。私も子育て中の在宅ワーカーとして、大いに励まされました。今後も英語とヒンディー語の世界で大きくキャリアアップされていくことと思います。ますますのご活躍をお祈りしています!

■優しいお人柄の中にも芯の強さを感じる福永さん。子育て中でも夢を諦めず、持ち前の集中力でキャリアを磨くお姿に背中を押された気持ちになりました。とりあえずはデスクの位置を変えて、集中力アップを図ろうと思います!

関連する会員インタビュー
ヒンディー語子育てと両立字幕実務翻訳映像翻訳英語以外の言語で翻訳