アメリア会員インタビュー

会社を辞めてイタリアへ留学。帰国後、翻訳の道へ翻訳のテクニックはオン・ザ・ジョブトレーニング!

岡田 :モータースポーツ専門誌の編集者を経て、現在は英語とイタリア語の2ヶ国語の翻訳のお仕事をされている脇本さん。イタリア語を学びはじめたきっかけを教えていただけますか?

脇本 :イタリア語は編集の仕事をしている頃に学びはじめました。レースの取材に行き、フェラーリのイタリア人のスタッフに「イタリア語を話せたらもっといろいろ話ができるのに……」と言われたのがきっかけです。それに英語以外の言語ができたほうが、仕事でもプラスになるだろうという考えもありました。はじめは趣味として習いはじめたんですが、周囲にイタリアに留学する方たちが多く、先生もイタリアに行ったほうが早く安く身につくという考えだったので、自然とイタリア留学の道に進みました。

岡田 :なるほど、留学して勉強されたんですね! ということはモータースポーツの編集のお仕事は?

脇本 :半年の留学のつもりで会社に休みをもらおうと思ったのですが、さすがに難しく、会社を辞めて留学することにしました。決意は固かったので、あまり悩むこともなく……。半年の予定が、気づけばフィレンツェに1年半くらいいました(笑)。

岡田 :フィレンツェとは素敵! 半年が1年半になってもおかしくないです(笑)。その1年半はどのような生活を?

脇本 :語学学校に通って、検定試験を受けたりしていました。かなり集中して勉強したと思います。ただ、勉強ばかりしていたわけではなく、もちろんF1のイタリアグランプリを見に行きました。1年半たって、いちおう言葉を身につけたつもりになって(笑)、帰国しました。帰国してから何をしようかと考えたときに、フリーとして翻訳の仕事をする道を選んだんです。まずはもといた編集部を中心に仕事をはじめました。

岡田 :それはイタリア語の翻訳ですか?

脇本 :英語とイタリア語の両方です。編集部にいたころも、英語の原稿を自分で翻訳することがありました。基本は外注していましたが、ある時、もしかしたら自分でも翻訳ができるかもと思い……。外注した翻訳と、自分の翻訳とを見比べたりしながら勉強していました。

岡田 :なるほど。英語はどのように習得を?

脇本 :母が近所の子どもたちに英語を教えていたので、子どものころから英語は身近な存在だったんです。予備校時代に徹底的に読解を学ぶことで、どんどん英語がおもしろくなって好きになり、大学でも聴講しながら英語を学びました。社会人になっても英会話学校に通いながら、常に英語力を保つように心がけていました。翻訳に関しては特に学校にも通わず、オン・ザ・ジョブ・トレーニングで身につけたように思います。

岡田 :翻訳は独学で学ばれたんですね。当初、ご自分で翻訳した原稿とプロの原稿とを見比べてみていかがでしたか?

脇本 :プロの方の訳は、ただ右から左に訳すのではなく、うまくアレンジする技を持っているなと感心しました。とても勉強になりましたね。時間があるときに自分で先に訳してからプロの訳と見比べるようにしていました。

岡田 :独学で翻訳ができるようになるまでの道のりは容易ではなかったことと思います。編集者さんというお仕事上、日本語の文章力にも長けていたからこそ為し得た道かもしれませんね。

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