アメリア会員インタビュー

編集者目線の翻訳で、専門誌の記事を担当 「翻訳は自分ではない誰かの考えを言葉に紡いでいくので、勉強になることがたくさんあります」

岡田 :英語とイタリア語、両方の翻訳のお仕事をされている脇本さんですが、今はお仕事の比率はどのような感じですか?

脇本 :翻訳の仕事は英語7割、イタリア語3割くらいです。じつは今、日中はイタリア語学校の事務の仕事をしているので、日常的にはイタリア語のほうに多く触れています。

岡田 :なるほど。それでは英語、イタリア語、日本語のすべてを日常的に使っていらっしゃるんですね。翻訳は帰宅後に?

脇本 :はい。あとは翻訳に打ち込む日を週に1日設けています。ボリューム的にはA4で2〜3枚程度、ということが多いですね。

岡田 :以前は編集者さんだったということで、翻訳の際も編集者目線で仕事ができそうですね。

脇本 :そうですね。文字数の指定があったり、文の構成を考えたりするときには編集の経験が大いに役に立ちます。

岡田 :編集と翻訳のお仕事、比べるといかがですか?

脇本 :編集の仕事は翻訳の仕事よりたいへんですね(笑)。段取りやディレクション、キャスティングやさまざまな兼ね合いなど、担当ページのすべてをやらなければいけませんから。今はそれがない分、楽になりました。私はひとつのことに集中するほうが精神的に楽なので、翻訳のほうが肌に合っているように思います。翻訳の仕事は楽しいし、とてもいい気分転換になります。

岡田 :なるほど。翻訳が楽しいと思う瞬間はどのようなときですか? 苦しみながら訳している方も大勢いるのではないかと(笑)。

脇本 :たしかに難しくて泣きそうなこともあります(笑)。でも自分がまるで知らなかった世界を広げてくれたときに、ワクワクするような楽しさを感じるんです。新たな発見や知識を得られたときには、大きなやりがいも感じますね。編集やライティングは自分の中でまとめて作り上げていくことが多いですが、翻訳は自分ではない誰かの考えを言葉に紡いでいくので、勉強になることがたくさんあります。

岡田 :イタリア留学といい、翻訳といい、脇本さんはなにより知的好奇心が旺盛なんですね。

脇本 :どうでしょう、でもたしかに自分の世界が広がることに喜びを感じますね。子どものころから読書好きで、世界名作選などをよく読んでいたし、英語も好きでしたから。

岡田 :翻訳者の方は、子どものころから本が好きという方が多いですね。作文などもお得意でしたか?

脇本 :作文は大好きでした! 夏休みの読書感想文はいちばん先に仕上げるくらい。話すことよりも書くことのほうが得意で、自己表現のひとつだったと思います。

岡田 :それはすごい! 夏休みの読書感想文は最後にとっておく子たちが多いなか、とても希少な存在だったと思います。うちの子どもにも見習ってもらわないと(笑)。

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