富原 まさ江さん
地方都市で出版翻訳
プロフィール
2000年に『目覚めの季節~エイミーとイザベル』(エリザベス・ストラウト著、DHC)でデビュー。
訳書に『「クマのプーさん」誕生物語: A・A・ミルンとE・H・シェパードの生涯とその世界』『料理からたどるアガサ・クリスティー:作品とその時代』『世界を騙した女詐欺師たち』(以上原書房)、『アガサ・クリスティーの家と暮らし』『文学の中の家―「自分だけの部屋」を装飾する方法―』『名画の中の料理』『老人と猫』(以上エクスナレッジ)、『アリス―へんてこりん、へんてこりんな世界―』『ノーラン・ヴァリエーションズ:クリストファー・ノーランの映画術』(玄光社)、『サフラジェット:平等を求めてたたかった女性たち』(合同出版)ほかがある。
現在は出版翻訳者、図書館司書、大学非常勤講師として活動中。趣味はミュージカル観劇。仕事の合間には、犬の可愛い動画や紅茶で息抜きしている。
リーディングを積極的に
加賀山:今日お話をうかがうのは、北九州で出版翻訳をしておられる富原まさ江(とみはら まさえ)さんです。出版翻訳はデビューの機会を見つけるのが難しいとも言われていますので、まずどうやってこの道に入られたのか、経歴からうかがいましょう。最初に出版翻訳をやりたいと思われたのはいつごろですか?
富原:子どものころから英語と本が好きだったので、それなら翻訳かなというぼんやりした考えはありました。大学のときにゼミの先生にも相談したんですが、当時はまだインターネットも普及していなくて、東京にいないと無理だろうということで、英語のことはずっと頭にありつつも、卒業後は別の仕事をしていました。
ですが、ちょうど30歳を過ぎたころ、地方の作家さんのデビューが重なったことがあったんです。作家さんが地方にいたまま活動できるなら、翻訳もできるかもしれないと思い、通信講座をいろいろ探しました。
加賀山:行動を起こしたわけですね。
富原: 当時、DHCさんが通信講座を開いていました。半年のコースで、月1回課題を提出して採点してもらい、トータル6回分の点数が90パーセント以上であれば、ご褒美でDHC出版社から1冊出してあげますよ(笑)ということで、それに合格して初めての訳書が出ました。エリザベス・ストラウトさんのデビュー作でした。ピューリッツァー賞(フィクション部門)を獲得したり、ブッカー賞候補になったりしている作家さんです。
加賀山:検索しますと……『目覚めの季節 エイミーとイザベル』(DHC)ですね?
富原:はい。それが2000年でしたが、まだ翻訳業界のこともまったくわからなかったので、自分の知っている出版社さんで翻訳ものを出しているところに電話をかけて、手紙と訳書を送ったり、東京に出かけたときにはアポをとって、ご挨拶をしに行ったりしていました。
加賀山:営業活動的に。
富原:そうですね。ただ、それでリーディングの仕事はいただけるのですが、1冊まるごとの翻訳をまかせてもらえることがなかなかなくて、このままだと1冊出ただけで終わってしまうと思っていました。
私はいま3つ仕事をしていまして、ふだんは図書館に勤め、あと翻訳と、週に1回ですが地元の大学の非常勤講師で司書課程の授業を担当しています。そのなかで学生のころから「この仕事がしたい」と自分の頭の中にあったのは翻訳だったので、1冊で終わるのは嫌だなと思っていろいろ調べて、出版の仕事につながりそうなアメリアさんとトランネットさんに登録しました。
加賀山:活動をさらに広げたのですね。
富原:トランネットでは、出版社から受注を受けた案件の翻訳者を選定する、会員向けの翻訳オーディションが頻繁に行われるのですが、やはりひとつの作品に対して数多くの応募があります。最初のうちは最終選考まで行っても落ちたりとか、選んでいただくのが難しい状況でした。その間はリーディングをたくさんこなし、原書を読み通してレジュメにまとめる力をつけようと思い、3、4年で100冊ぐらい読みました。
加賀山:そんなに! それは複数の出版社から依頼されていたのですか? でないと、そんなに数をこなせないと思いますが。
富原:営業活動でお話をいただいたものもありますし、あとはトランネットで、翻訳ではなくリーディングの仕事の募集もありましたので。とりあえず何か来たときのために力をつけておくつもりで、できるだけ応募しました。
そして2006年に、トランネットのオーディションを経て、歌手のマドンナのさまざまな年代の発言をまとめた『マドンナ語録 時代を生き抜く女の言葉』(マドンナ著、ブルースインターアクションズ)を訳すことになりました。私はMTV世代で、マドンナ、マイケル・ジャクソン、シンディ・ローパーなどのMTVをリアルタイムでずっと観ていましたので、その意味でもうれしい仕事でした。
そこから少しずつですが、オーディションに受かるようになったり、直接声をかけていただいたりするようになって、仕事が増えてきました。
加賀山:アメリアのトライアルも受けましたか?
富原:最初のころ何回か。ただ、当時はノンフィクションとかエッセイを訳したかったのですが、アメリアさんはビジネス系の案件が多かったように思います。小説など希望するジャンルの作品の応募があっても、落ちたりしましたね。
加賀山:いまもトランネットとは仕事でつながっているのですか?
富原:一応、特別永久会員なのですが(笑)、いまは出版社と直接やりとりすることがほとんどです。アメリアを通して出版社の方から声をかけていただいたことも何度かあります。
加賀山:アメリアも仕事に結びついているのですね。
富原:実は今年もアメリア経由でいただいたお仕事があって、年内に刊行予定です。訳書が1、2冊だとなかなか先に進めない感じですが、訳書が増えてくると、そのリストを出版社さんに提出すれば見ていただけるようになりますね。
加賀山:翻訳学校で先生について勉強して、その後、編集の方を紹介してもらうというルートではなかったわけですね。
富原:そうなんです。だからX(旧Twitter)とかで「私の師匠の誰それさんが……」みたいな話を読んだり、先生と門下生の方が1冊をいっしょに訳しているのを見たりすると、うらやましいなと思います(笑)。
市立図書館での仕事
加賀山:いまも北九州で図書館や非常勤講師の仕事をされていて、東京に出てきたときに翻訳の営業活動もするという感じでしょうか?
富原:そうですね。年に1回はかならず行くようにしています。編集者の方と実際に会ってお話をすると、ネットや電話でのやりとりとはまた違いますから。
加賀山:ですよね。図書館の司書になられたのは、新卒で?
富原: いいえ。翻訳はできなくても英語に関係のある仕事はしたいと思っていましたので、塾の講師とか、小学校で外国人の先生の補佐をしていました。いま考えるとそこまで頑なにならなくてもよかったのですが(笑)、私はあまり興味がないことだとつらくなって続かないので、英語関係の仕事にこだわっていました。
図書館で働きはじめたのは最初の訳書が出たあとです。次の仕事に就くまでに数カ月空いた時期があって、たまたま司書の資格が取れる短期集中講座が近くの大学であったので、何となく取ってみようと思いまして。すると次の年に市の図書館の採用募集があって、入ることになりました。
加賀山:1冊目の訳書が2000年ですから、図書館の仕事はもう20数年になりますね。そこでも特別永久会員的な地位におられるとか?(笑)
富原:いま、館長をしています。たぶん年功序列で(笑)。ですので、現場からは離れているというか、カウンターで利用者さんと直接触れ合う機会は以前よりも少なくなっています。
加賀山:そうでしたか。司書の資格というのは、たとえば分類法などを学ぶのですか?
富原:分類もありますし、レファレンスといって、利用者の調べ物をお手伝いするのも司書の大事な仕事ですので、どんな本やデータベースを使って回答にたどり着くかという手法を学んだり、児童サービス、児童書に特化した授業など、数多くの科目があります。そういった科目ごとに試験があって、全部合格点なら資格がとれるんです。学生のときに大学でとる場合は、数年かけてじっくり学ぶことになります。
加賀山:いま大学で教えておられるのもそういう内容ですね。そのきっかけは何でしたか?
富原:長年図書館に勤めていらした前任者の方と、その大学の司書課程の先生から声をかけていただきました。大学のほうはこの4月で3年目になります。
加賀山:図書館のお仕事は週5日のフルタイムですか?
富原:そうです。なので、翻訳の仕事が入るとプライベートな予定はすべて見直して、変更や中止できるものは調整し、図書館が休みの日には朝6時から夜7時ぐらいまで訳しています。
加賀山:翻訳でデビューして26年、もう80冊以上訳されています。だいたい年に何冊ですか?
富原:ばらつきがあって、最初のころや、家族の介護をしていたときはあまり出なかった時期もありますが、平均すると年に2〜4冊ですね。
読者のメッセージに励まされ

訳書 プーさん
加賀山:いまは翻訳会社ではなく出版社と直接やりとりされているようですが、何社ぐらいとおつき合いがありますか? 経歴を拝見すると、原書房さんが多いようです。
富原:原書房さんからは『料理からたどるアガサ・クリスティー 作品とその時代』(カレン・ピアース著)や『「クマのプーさん」誕生物語 A・A・ミルンとE・H・シェパードの生涯とその世界』(ジェームズ・キャンベル著)などが出ています。
あとは、おもに映像や写真、イラストなどの書籍を扱っている玄光社さんにもよくお世話になっています。玄光社さんが映画のメイキング本などの翻訳ものを出すことになったときに、SNSで直接、翻訳依頼の連絡をいただきました。また、イギリスのヴィクトリア・アンド・アルバート博物館でクマのプーさんや不思議の国のアリスの企画展が開催され、その後巡回展で日本にも来たのですが、その公式書籍も玄光社さんを通して訳しました。そういう仕事をしたので、原書房さんからもプーさん関連の本を依頼していただいたんだと思います。人の縁でつながっているというか……。
加賀山:出版翻訳ってそういうところがありますよね。いままで訳された本のなかでとくに印象に残っているものはありますか?
富原:まず、初めての訳書の『目覚めの季節 エイミーとイザベル』。すごくいい小説だったので、そのときにはわからなかったのですが、いま思えばとても贅沢で、ありがたいお仕事だったと思います。いつかまた同じ著者の方の翻訳ができればなと思ったり。
あとは玄光社さんからクリストファー・ノーラン監督に関する本が何冊か出ているのですが、どれも難しかったですね。特に『ノーラン・ヴァリエーションズ クリストファー・ノーランの映画術』(トム・ショーン著、山﨑詩郎、神武団四郎監修)は、分量もかなり多かったし、スケジュールもタイトで、しかもノーランさんは頭がよすぎて、言っていることが本当に難しいんですよ(笑)。
加賀山:そういう意味で難しいんですね。
富原:ノーランさんの表現をそのまま再現して訳すと、日本語になったときにとてもわかりにくい。ですが、あまり噛み砕いて訳してしまうと、今度はノーランらしさがなくなるという。それですごく苦労して、締め切りぎりぎりになってしまいました。私はだいたい訳書が出てしまうと、そのことについてあまりあれこれ考えないのですが、『ノーラン・ヴァリエーションズ』だけは「訳すのが私でよかったんだろうか」とずっと悩んでしまいました。「もう翻訳をやめたほうがいいかもしれない」とか(笑)、自分ダメダメだなっていう感じで。
そんなときに、ある映像監督の方から、『ノーラン・ヴァリエーションズ』がとてもおもしろかった、というご感想をSNSのダイレクトメッセージでいただいたんです。「この本を教科書とします」とも書かれていて、同じような業界の方がそんなふうに思ってくださったのなら、自分が訳してよかったのかもしれないと初めて思えました。あのメッセージをいただかなければ、ちょっとどうなっていただろうというくらい引きずってしまいましたね。
加賀山:ダイレクトメッセージ。そういうこともあるんですね。
富原:著者が、ノーランに惚れこんで10何年と彼を追っていた映画評論家の方なので、ノーランに対する思いがすごいんです。コアなファンの方々に楽しんでいただける本だと思います。
加賀山:スケジュールがきつかったというのは、ノーランの映画の公開に合わせてとか、そういう事情があったんでしょうか?
富原:ノーランや映画の関連本の場合、スケジュールがタイトなことが多いです。たとえば1カ月とか。こうした本の性質上、もうそういうものだと覚悟を決めています(笑)。今年中に、新しいノーラン関連の訳書が発売される予定です。
加賀山:1カ月! 300ページとか400ページの本ですよね?
富原:はい。メイキング本の場合は、図版も通常の本よりは多いのですが。
加賀山:いっそクリストファー・ノーランのプロになられては?(笑)
ほかのお仕事で、図鑑のようなものも多いようです。『チーズの歴史』、『デザートの歴史』、『ベリーの文化誌』など(いずれも原書房)。
富原:ひとつの食材や植物をとことん掘り下げていくという(笑)。もともと読者としてこのシリーズをよく読んでいました。それで原書房さんに伺ったときにその話をして、お仕事につながったんです。
加賀山:営業が役立っている(笑)。

訳書 クリスティー
富原:はい。私はもともと無精だし、それほど社交的なほうでもないので(笑)小学校からの幼馴染には驚かれますが、翻訳のこととなるとスイッチが入るようです。
マドンナやマイケル・ジャクソンの書籍を訳させていただいたり、アガサ・クリスティーも10代から大好きでずっと読んでいたので、若いときから好きだったそういう方たちの翻訳に携わることができているのは、とても幸せだと思います。
加賀山:クリスティーではどの作品がお好きですか?
富原:『アクロイド殺人事件』と『終りなき夜に生れつく』です。
加賀山:ああ。私は『春にして君を離れ』が好きです。
富原:クリスティーにしては文芸色が強い作品ですよね。
加賀山:あれを読んだときに、この人は作家として信用できると思ったんですよ。偉そうな言い方ですが(笑)。
富原:今年、新訳が出ますよね。私も『終りなき夜に生れつく』を読んだときに、推理小説としてもおもしろいのですが、人間の闇みたいなものが描かれているなと。
あと、司書としてうれしかったのは、博物館の展示でプーさんや不思議の国のアリスの公式書籍を訳したことですね。自分が好きで読んでいた物語でもあるし、司書として子どもたちにも伝えていきたいので。
加賀山:プーさんやアリスのことも、営業の際に話していたのですか?
富原:いえ、それは話してなかったのですが(笑)、たぶん私が司書だからというふうに玄光社さんが考えてくださったんだと思います。
加賀山:映画のメイキングもいろいろありますね。『レジェンド・オブ・マッドマックス 完全メイキングブック『マッドマックス』から『マッドマックス:フュリオサ』まで』(イアン・ネイサン著、神武団四郎監修)とか。
富原:とくに初めのころはトランネット経由でけっこう映画のメイキング本のお仕事をいただいて、それをSNSでご覧になった玄光社さんが連絡をくださったんです。
加賀山:最近出た訳書は?
富原:1月に出た『「クマのプーさん」誕生物語』と、去年出た『アガサ・クリスティーの家と暮らし 創作の原点を旅する』(ヒラリー・マカスキル著、エクスナレッジ)があります。そのまえの年に『料理からたどるアガサ・クリスティー』も出ていて、今年はクリスティー没後50年でもありますので、読んでいただけるとうれしいです。
ノンフィクションの『世界を騙した女詐欺師たち』(トリ・テルファー著、原書房)は、実在した世界各国の女詐欺師を紹介した本で、年代的にいちばん古いのは首飾り事件でマリー・アントワネットを陥れた女詐欺師の話です。子どものときに漫画の『ベルサイユのばら』にはまっていて、そのなかにも彼女は出てくるので、訳していて懐かしかったです。
加賀山:『文学の中の家 『自分だけの部屋』を装飾する方法』(スーザン・ハーラン著、エクスナレッジ)というのもあります。
富原:いろいろな文学作品の登場人物が自分の住まいについてインタビューを受けるという架空の設定で、そのインタビューを通してそれぞれの作品、たとえば『高慢と偏見』や『嵐が丘』、『長くつ下のピッピ』などを紹介していくという、一風変わった文学案内です。これもとてもおもしろい本でした。
加賀山:児童書も何冊か訳されています。一般の小説と比べてどうですか?
富原:児童書のほうが私には難しいといいますか、使える語彙もかぎられているし、そのなかで作者が言わんとしていることをきちんと伝えるのがたいへんです。分量は少なくても、考える時間が長くなりますね。
いろいろな世代の心を動かす作品を訳したい
加賀山:これから訳してみたい本や分野はありますか?
富原:久しぶりに小説を訳したいなと思っています。実はひとつ小説のお仕事をいただいていて、出るのは来年ですが、いまはそちらに取りかかっています。
加賀山:それはどんな小説ですか?
富原:ミステリーとファンタジーが合わさったような。
加賀山:ファンタジー要素が入っているのは最近の流行ですよね。
富原:そうですね。それに、いまは「ロマンタジー」が流行っていると編集者さんがおっしゃっていました。ロマンスとファンタジーの組み合わせです。いま訳している小説にもロマンス的な要素は少しありますが、それがメインではありません。
私は基本的には、次はどんな本のお仕事が来るかなということを楽しみにするタイプなのですが、やはりエリザベス・ストラウトさんの作品はいつかもう一回訳したいですね。『目覚めの季節』は娘のエイミーと母親のイザベルの話ですが、『赤毛のアン』などでも同じように、若いときにはエイミーやアンのほうに感情移入する、でも自分が歳を重ねると、イザベルやマリラの立場から見るようになります。いろんな世代の人たちが自分の目線で読んで考えることがあるような、そういう本を訳したい気持ちがあります。
加賀山:プロフィールでは「興味のある分野」としてアンソロジーやバイオグラフィーもあげています。
富原:自分が本を読むときには、日本の作家さんでも短篇が好きなんです。短篇がうまいというのは本当に筆力がある方だと思うので、おもしろい短篇を、読者として楽しむだけでなく自分でも訳したい。バイオグラフィーのほうは、人がどんな人生を歩んだかということに興味があるんです。私たちの世代って、子どものころに家や学校での読み聞かせがそこまで盛んではなかったんですよね。だから本との出会いは、自分が字を読めるようになってからですが、そのころ学校の図書室で読んだのが、いろんな人の伝記シリーズでした。なかでも私は外国の人の話が好きで。今年1月に出たプーさん関連の訳書も、著者のミルンと挿絵を描いたシェパードの人生を並行して追い、ふたりが途中で交わり、また離れていくという内容で、訳していてとても興味深く、考えさせられるものがありました。
加賀山:エジソンとかライト兄弟とか、ありましたね(笑)。海外では大人向けに伝記のジャンルが確立しています。あと、趣味は観劇だそうで。

地元の博多座で大好きなミュージカル『エリザベート』を観劇
富原:はい。特にミュージカルが好きで、どんなに忙しくても観劇の予定が入っていたら行きます(笑)。
加賀山:ノーランが来ても(笑)。
富原:はい(笑)。宝塚も劇団四季も好きですが、いまは東宝ミュージカルをよく観ます。『レ・ミゼラブル』や『Endless SHOCK』とか。地元福岡にある博多座という劇場自体もすごく好きで、今年の1月も『エリザベート』を観てきました。ウィーン発のミュージカルで、日本でも大人気の演目です。私も20年以上いろんなバージョンを観続けています。
加賀山:そんなにおもしろいとは知りませんでした。あと何か、皆さんに伝えたいことはありますか?
富原:そうですね。北九州で出版翻訳をしている人は珍しいようで、ときどき講座などをさせていただくこともあるのですが、たしかに地方にいると、最初のつながりを作るまでは東京にいらっしゃる方よりたいへんかもしれません。でも、本当にやりたいと思って動けば、いまはぜんぜん地方にいてもできると思うんですね。なので、もしいま翻訳の仕事がしたいんだけど地方だしな、と思っている方がいたら、そんなことはないよとお伝えしたいです。年齢も関係ありませんし、すでに専門分野がある方ならその分野の翻訳もできるかもしれません。
私も地方だからということであきらめかけていましたが、いま、ありがたいことにこうやって翻訳の仕事ができています。ただ、簡単ではないんですけど(笑)、地方だからということだけであきらめないでくださいね。
■ たしかに簡単ではありませんが、やる気と行動力で道が開けたのですね。実際にはかなり営業努力もなさったのではないでしょうか。どんな本の話をしてもとても楽しそうなので、やはりそこがお仕事の原動力かなと感じました。





