アメリア会員インタビュー

昨年は墨絵のライブパフォーマンスにも挑戦!美術系コラムも連載中

濱野 :鮫島さんは水墨画家として活躍されていますが、どのような活動をメインで行なっているのでしょうか?

鮫島 :大きな活動としては、2012年にドイツ、2013年にアメリカで個展を開きました。アパレル企業からの依頼で洋服や着物、テキスタイルに墨絵を描く仕事もしてきました。そのほか、ネットショップを通して個人オーダーを受けたり、書家の前田鎌利さん主催の継未−TSUGUMI−にて墨画塾を主宰したり……と、楽しみながら地道に活動を続けています。

濱野 :海外で個展ですか。それはご活躍ですね。ところで、鮫島さんが出演されたネット番組のインタビューを拝見したのですが、水墨画のパフォーマンスの映像がとても印象的でした。

鮫島 :あれは、「Whenever Wherever Festival white 2015」の試演会の模様です。山崎広太さんというニューヨーク在住の世界的日本人ダンサーがこれまで毎年、東京でダンスフェスを開催されているのですが、そのキュレーターをされた舞踏家の大倉摩矢子さんにお声がけいただいて参加することになりました。ダンサーと音楽家とのコラボレーションで、身体の動きや音の振動とともに、墨の「滲み」「かすれ」の美しさを伝えるライブパフォーマンスです。過去にも、音楽家やダンサーの方と即興的にコラボレーションしてドレスや着物などに墨絵を描くパフォーマンスはしてきましたが、今回は、音楽やダンスという異ジャンルと本格的に向き合って、1年半もかけて作品を創りました。とても新鮮で学びも多かったです。

濱野 :本当にすばらしかったです。水墨画家のほかにも、美術ライターとしてもご活躍とのことですが、今はどのような活動を?

鮫島 :主に、美術館の所蔵品紹介のコラム執筆と、美術館の音声ガイドの制作をさせていただいています。2012年にフリーになったのですが、その前は音声ガイド制作会社に6年ほど勤めていました。有り難いことに退職後もその会社から引きつづきお仕事をいただいています。

濱野 :美術館の音声ガイド……耳に当てて解説を聞く「あの機械」ですね。そのナレーション原稿を執筆されているということでしょうか?

鮫島 :はい。私がよく担当させていただくのは、日本の仏教・神道系、伝統工芸といった分野です。日本語版のナレーション原稿の執筆に加えて、英語版の翻訳の校正のお仕事をいただくことも多いです。

濱野 :なるほど、英語のナレーションは日本語版から翻訳されているわけですね。コラムのほうはどのような内容で?

鮫島 :今は、サントリー美術館の所蔵品についての解説コラム「美の栞」を担当しています。美術館のトップページにオレンジ色のアイコンがあります。「うるし」「やきもの」「和ガラス」「屏風」などのテーマごとに、それぞれ5〜6回の連載記事を執筆中です。Webコラムならではの特性を生かして、拡大画像を掲載して作品の細部を解説したり、制作過程をわかりやすく解説したりと、工夫しています。所蔵作品が出品される展覧会に合わせた内容なので、記事で予習されてから展覧会に行かれる方も多いと伺って、うれしい限りです。

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