アメリア会員インタビュー


今井 由美子さん

第82回

好きなことには猪突猛進する 映像翻訳のエキスパート!「ビバリーヒルズ青春白書の最終回は泣きながら訳しました」今井 由美子さん

Yumiko Imai

産後2か月で舞い降りてきた、はじめての出版翻訳のチャンス。 「こんなチャンスは二度とないと思って飛びつきました」

岡田 :本日のゲストは映像翻訳、出版翻訳ともに多くのお仕事をされている今井由美子さんです。映像では『ディスカバリーチャンネル』のドキュメンタリー、『ビバリーヒルズ青春白書』などのドラマ字幕などを、出版では、インテリアやアロマセラピーなどのビジュアルブックを多く手がけておられます。今井さんは主にドキュメンタリーの分野のお仕事が多いのですか?

今井 :そうですね。ドキュメンタリーには15年以上関わっています。たぶん100本以上訳していると思います。

岡田 :すごい量ですね! 他にも数多くの作品があるのに、ドキュメンタリー100本以上の作品があるとは!

今井 :いえいえ、そんなことないですよ。私の世代では少ない方だと思います。

岡田 :フリーランスでお仕事をはじめてどれくらいたちますか?

今井 :32歳からフリーではじめて、もう十何年間か……。最初から子育てと同時進行でした。

岡田 :出版では『リヴァー・フェニックス〜翼の折れた天使〜』(ジョン・グラット著、キネマ旬報社刊)が最初の作品のようですね。

今井 :はい。きっかけは、フェロー・アカデミーのクラスメイトだった友人の紹介です。「簡単な映画関係の仕事」と聞いて出版社の方に連絡したら「とにかく一度来てください」と言われ……。映画資料の翻訳かなと思っていたら「これです」と1冊の本を渡されて(笑)。急死したリヴァーの伝記でした。その時私は30歳で、長女を出産した2か月後でした。

岡田 :突然舞い降りてきた大きなチャンスですね!

今井 :そうなんです。私も驚いて「これ訳すんですか? 下訳ですか?」と聞いたら「下訳じゃないですよ、やりますか? やりませんか?」って(笑)。こんなチャンスは二度とないと思って飛びつきました。とりあえず5ページほど訳したものをお渡ししたら、OKがでたので本格的に訳し始めることになったんです。

岡田 :チャンスを支えるだけの力があってこそのお話です。今井さんが英語や翻訳を身につけられた経緯は?

今井 :基礎となる英語力は大学の英文科で身につけました。子供の頃から、海外ドラマの日本語版制作の仕事にずっと憧れていたんです。新卒の就職活動では、ダメもとで、地元広島から東京まで面接を受けに来ましたが、やっぱりダメでした(笑)。それでもめげずに東京に就職し、社内報や会員誌などのライターをやっていました。結婚後ようやく時間に余裕ができ、以前から通いたかったフェロー・アカデミーのフリーランスコースと映像の中級の講座を受講し始めたんです。すぐに子供ができたので、通えたのは1年だけでした。子育てしながら気長に勉強を続けようと思っていた矢先、初仕事が舞い込んできたんです。本当に縁に恵まれていますね。

岡田 :ご縁も実力あってこそ、だと思います。いよいよそこから今井さんの翻訳人生がはじまるんですね。

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