アメリア会員インタビュー


舟津 由美子さん

第78回

時代の潮流を乗りこなし、チャンスを引き寄せ見逃さない!変化を乗り越える秘訣は「あきらめないこと」と「チャレンジ精神」舟津 由美子さん

Yumiko Funatsu

テクニカルライターの知識をいかし、マイクロソフトの社内翻訳者に。

岡田 :今回のゲストはテクニカルライターを経て、日本マイクロソフト株式会社にて18年間、専属のフリー社内翻訳者としてお仕事をされた舟津由美子さんです。現在は翻訳エージェントから受注を受け、ITを中心に幅広く翻訳のお仕事をされているそうです。舟津さんはITや技術分野でのキャリアがずいぶん長いですね。

舟津 :そうですね。25年近くこの分野でお仕事をしています。

岡田 :となると、まさにITの黎明期を支えてきたお一人ですね。マイクロソフト(以下MS)でのお仕事が18年ということで、90年代後半のドラマチックなIT環境の進化を体感されたことと思います。MSと言えば、Windows95以来、ITワールドの中心的な存在ですから。

舟津 :確かに当時はパソコンの値段も下がりはじめ、通信環境も劇的に進化した時代ですね。3ヶ月や半年ほどで、どんどん環境が変わるような時代でした。ちょうど潮流にのった感じです。

岡田 :翻訳は日英、英日、どちらもなさったんですか?

舟津 :はい。基本的に社内翻訳者として採用されたので、英語に関することはなんでも、という感じでした。当初採用されたのはWindows95のバグレポートを本社に報告する翻訳者としての仕事でしたが、その後は社内にいる非日本語ネイティブのエンジニアを翻訳で支援したり、サポート技術情報 (KB) や、さまざまな技術資料の翻訳、社内ニュースレターの翻訳などもしていました。とにかくいろいろな分野でお仕事させていただきましたね。

岡田 :そうしたキャリアがいかされ、現在ではMSの専属ではなく、独立されて翻訳エージェントからのお仕事を受けていらっしゃるんですね。お得意分野はやはりITですか?

舟津 :そうですね、IT 全般です。デベロッパー・サポート部署に所属していたため、開発・プログラミングから、サーバー運用、データベース、クラウドまで、IT を取り巻くあらゆる製品・テクノロジーに関する翻訳が得意分野です。

岡田 :MS時代以前に、テクニカルライティングのお仕事をされていたということですが。

舟津 :大学を卒業して就職した会社では、オーディオ機器の各国語マニュアルを制作するテクニカルライターとしての採用だったので、わかりやすい英文を書くスキルはこのとき習得しました。マニュアルができるまでの工程を学べましたし、文書のチェックを通じて学ぶこともたくさんありました。

岡田 :それは技術系の翻訳をする上ではたいへん貴重なご経験ですね。

舟津 :今となってはかけがえのない経験となっています。入社時は「これからはDTPの時代」ということで、イラストレーターとフォトショップもひととおり覚えました。そこでパソコンやIT関連の基礎を身につけたと思います。

岡田 :技術翻訳の道への基礎はそこで築かれたんですね。

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