アメリア会員インタビュー


スカイプを利用してクライアントに自分のステイタスを知らせ、先方の効率を考慮。「プロジェクトを丸々一本まかせられると腕がなります!」

岡田:得意分野はIT関係だと思いますが、最近はどのような案件を多く扱われるんですか?

山村:今はジャンルを問わずゲーム案件がかなりの勢いで増えています。独立当初はIT系や工学系のマニュアルなどがメインでした。

岡田:工学系のバックグラウンドのある翻訳者さんなら、IT系のクライアントとしてはお願いしやすいですね。お仕事をされる上で、クライアントさんとコミュニケーションなど工夫されていることはありますか?

山村:Skypeを活用されるクライアントさんが増えていて、それでチャットのようにコミュニケーションをとることがありますね。それから今の自分のステイタスに「来週なら時間があります」「来週まで多忙です」などと書いておけば、連絡いただいたのにお断りをするようなこともありませんから。

岡田:なるほど。それは便利な機能ですね。効率の良さと思いやりを感じます。今後増えていくスタイルかもしれませんね。お仕事をされる上で、どんなときにやりがいを感じられますか?

山村:エージェントさんから好意的なフィードバックをいただいた時はうれしいですね。特に会心の意訳や、調査の結果を褒めていただけるとニヤリとせずにはいられません。それから、あるプロジェクトやソフトウェアを丸々一本、あるいは継続的におまかせいただいた時も腕がなりますね。メジャーな作品ではないインディーズと呼ばれる規模の小さいゲームは面白いものもたくさんありますから、まるまる一本、というときにはホント、やりがいを感じます。

岡田:インディーズの作品に興味をもたれる方は多くいらっしゃるようですね。インディーズの訳はどんなところが魅力ですか?

山村:開発者さんから送られた資料を見て、開発者さんが「何がやりたいのか、伝えたいのか、見せたいのか」というのが直に伝わってくるところが面白いですね。大作になると他の翻訳者さんと共同訳ということが多いですが、インディーズでまるまる1本担当の訳となると、原文の縛りはあっても自分のワールドができますから、やりがいがあります。資料を読みながら「こういうキャラクターならこう言わせよう」などと思いを巡らせるのが楽しいです。幸せを感じますね(笑)。

岡田:なるほど。それは出版翻訳や文学とは違う世界ですね。

山村:そうですね。ですが、特に開発元の国周辺の文化的背景は押さえておかないと、作品どころか資料そのものの理解に支障をきたしかねません。こういった部分は出版や文学に通じるかなとも感じます。インディーズゲームにはこれまであまり日本に作品が紹介されてこなかった南米や南欧からの作品も少なくありませんから、最近はそのあたりに注目しています。

岡田:なるほど。知識の蓄積のために意識的に行っていることはありますか?

山村:とりあえず興味がわいたり、食指が動いたことはとにかく追求して、いくらでも調べます。子どもの頃からそうですから、やっぱり凝り性なんですかね(笑)。それからアメリアのトライアルや翻訳お料理番はいろいろなテーマや内容を万遍なく学べ、活躍の場を広げる貴重な機会ととらえています。できるだけ活用するようにしていますね。

岡田:やはり知的好奇心が旺盛なんですね。どん欲に知の旅を続けていらっしゃる印象です。翻訳者は蓄積した知識をいかにいかすかという世界でもありますから、これまでの読書や趣味がフルにいかされているんですね。

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