アメリア会員インタビュー




地方都市ならではの人脈に恵まれ 仕事が少しずつ増えていきました


坂田:大分に移ってからは、どのように仕事を得てきましたか?


中井:ちょうど、ワールドカップの年だったので、思わぬ通訳のチャンスなどをいただきました。そこで大分の“英語使い”の方たちと会うことが出来て、通訳の教室と英語喫茶を教えてもらい、英語喫茶でさらにたくさんの英語仲間とネイティブの“師匠”に出会い、現在もそこを根城にしています。ここは、ある程度英語が出来る方が多いので、大学の英語講師の方に代講を頼まれたりと、ドキドキするようなチャンスもあったりします。地方だと、一度糸口をつかむと、逆に人脈が広がりやすいのかもしれませんね。そして、この頃ネットで知り合った友人のひとりにアメリアへの入会を勧められ、昨年の夏に入会したんです。それから一気に“英語業界”の人になってしまいました。

坂田:では、アメリア会員歴は1年ちょっとということですね。入会前は、アメリアのどんなところに期待をしていましたか?

中井:ほとんどの新人の方と同じように、“トライアル”と“実務経験”の壁にぶち当たっていましたので、トライアルを受けさせてくれて、その他のチャンスが増えればという、かなり曖昧で漠然とした期待でした。すぐに仕事に結びつくとは、全く考えていなくて、勉強してノミネ会員になれれば、トライアルを受けることが出来るかしらと、そのくらいの期待度でした。だから、最初は「会費が高いなあ……」とも思いました。

坂田:実際に入会してみて、いかがでしたか?

中井:求人情報を見て、2、3社に応募してトライアルを受け、1社から連絡をいただき、そのままずっとお仕事をいただいています。いきなり道が開かれてしまったという感じで、紹介してくれた友人とアメリアには本当に感謝しています。会費は、あっという間に元が取れました……高くありません!

坂田:トライアルにはもうチャレンジしてみましたか?

中井:残念ながら、なかなか取り組む時間を作れないでいます。今月こそはと思うのですが……。もっと気軽に応募しても良いのかなと思い、一方見ていただく方にあまり失礼な翻訳もできないと思い、そう思っているうちに締め切りが過ぎてしまうのが毎月のことです。

坂田:ほかには、どのような利用の仕方をしてきましたか?

中井:とてもフルに活用しているとは言い難いのですが、仕事をこなすのが必死の状態から、ようやく脱して来たので、『ワインコンテスト』や『お料理番』にも応募するようになりました。こんな求人があるのかとチェックしたり、みなさんのプロフィールを見せていただいて、自分の励みにしたりしています。今後は、勉強のために有効活用したいなと考えていて、ノンフィクションのノミネ会員を目指してみようかと思い始めているところです。

坂田:「ノンフィクション」を目指していらっしゃるのは、どうしてですか?

中井:考古学は、博物学の生き残りと言われていまして、ある意味では広く浅くの雑学が必要な学問です。同時に歴史学と社会学の側面も持っていて、そういう仕事をずっとしてきたので、ちょっと自信があるということもあります。本を読むのは好きですが、文学を志しているわけではないので、文芸はちょっと違うかな、医学や工学のバックグラウンドもないし、自分にいちばん向いているのはノンフィクションかもと思うからでもあります。それと、なんといってもノンフィクションが好きなのです。ハウツウではないノンフィクションってもっと翻訳されてもいいし、読まれていい分野だと思います。

坂田:今後は、アメリアのシステムをどのように利用していきたいと考えていますか? 

中井:仕事探しと、トライアルやその他の企画で自分の可能性を試す場所にしていきたいと思います。また、最近ようやくわかってきたのですが、豊富な情報がたくさんありますので、上手く使っていきたいと思います。

坂田:では最後に、中井さんの今後の目標を教えてください。

中井:あまり景気はよくないのですが、今の生活のペースは研究職よりも自分に合っているかもと思い始めました。もう少し翻訳技術を磨いて、同じ時間でもう少し稼げるように、つまり翻訳単価が上がればいいな、というのが第一の目標です。現金な話でごめんなさい。もちろん、今いただいている仕事には十分満足しているんですよ。

坂田:仕事ですから、きちんと報酬を得ることは大切なことですよね。

中井:あとは、まだ模索中です。3年後には子どもが二人とも高校生なので、短期留学をして語学に渇を入れたいとか、この雑学を活かした面白いノンフィクションの翻訳ができればとか、外国に今までとはちょっと違った日本を紹介するような仕事ができたらとか、考えてはいるのですが、少し成り行きにまかせてみようかとも思っています。実は翻訳も、こんなに自分に合っているとは考えもしなかったので、何でもやってみないとわからないものだなぁと思っています。

坂田:そうですね。自分の適性って、自分がいちばんわかっているようでいて、実はわかっていないということがありますよね。そういう意味では、いくつになってもいろいろなことにチャレンジすべきですよね! 中井さん、どうもありがとうございました。

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