『いのちは贈りもの』
フランス語と英語の翻訳でご活躍の河野万里子さんから
訳書が届きました。
サブタイトルにもありますが、ホロコーストを生きのびた少女の
なまなましい体験を綴った本書、読み始めたら、とてもやめられなく
一気読みしてしまいました。
自由を奪われ、明日の我が身がどうなるのかもわからないまま、
強制収容所を転々とさせられる日々。
父親が捕虜にとられたことで、奇跡的に少しだけ幸運にめぐまれたと
いう自覚や、「生きるためには、考えなければならない。何をしたほうが
いいのか、しないほうがいいのか。いちばんいいのはなにか、より悪くない
のはなにか…」という思考を、10歳ほどの少女が持ってしまう・・・という
ところに、戦争の恐ろしさ、残酷さを切実に感じました。
ただ、この本ではそんな状況にありながらもわが子を守ろうと奮闘する
母の姿や、極限状態にあっても助け合う人と人とのふれあい、
人間の人間らしさも描かれていて、暖かい気持ちにもなれました
多くの方に、ぜひ読んでいただきたい作品です。
河野さんから、この本を題材とした児童文学評論家の野上暁さんとの
トークショーのご案内もいただきました。
8月24日夜7時から、神保町のブックハウスカフェで行うそうです。
チラシもまだできていないとのことで、ブックハウスカフェのFacebookにも
案内は出ていないようですが、ご興味がある方はぜひご参加ください。
アメリア事務局 室田